

それにしても、私としたことが、とんでもない高速鉄道に乗ってしまいました。
1年ぶりの上海でもあり、まだまだ郊外の農村や緑色旅行ともいうべき地区が
沢山ありましたが、今回は一刻も早く孔子のふるさとでもある「曲阜」~きょく
ふ~へと旅をするにあたり、新幹線の始発駅の一つでもある上海虹橋駅へと向か
いました。
当日、朝、事前の予約もなく、朝7時台の列車に乗ろうとしましたが生憎、希望
する列車は満席、そして次の列車も指定席はなし・・・。
已む無く、更にその次の、駅員から提示された8時22分発の「高速鉄道」、い
わば中国版の新幹線に乗り込みました。いつもであれば、事前に列車のダイヤ等
をいくつか調べてから乗り込む予定でしたが、この日は想定外の列車でもあった
ため、到着時刻や経路等については不明のまま乗り込みました。
従来の鉄道とは別に、いわば新幹線専用の鉄道を一昨年の上海万博の開幕に合
わせて建設した新線ですが、この高速鉄道にはG型(高鉄)と、D型(動車)の
2種類の列車=新幹線が現在は走っています。
G型はのぞみ、D型はこだまのようなタイプです。
通常、上海~北京1400キロ余をG型で5時間程度で走ります。
日本で言えば、東京~鹿児島間約1400キロの距離と同じ長さです。
今回乗り込んだD型の新幹線は、上海から南京までは、他のG型列車とほぼ同じよ
うな時間で走っていましたが、問題はその次の駅から、なんと一つの駅に停車する
待ち時間がとんでもなく長く、10分、20分、更には駅によって30分以上も停車する
、とても新幹線とは思えない高速鉄道に乗ってしまったわけです。
つまり、新幹線とはとっても言い難い鈍足の高速鉄道で、料金だけは従来の在来線
に比較してもとんでもなく高い、ある意味では一般の消費者を欺くような鉄道省の
都合で走っている~走らされている新幹線です。
乗り合わせた乗客たちも、呆れ果てて、発車する気配のない駅のホームでは30分
もタバコをふかしながら、だまされた、こんな列車は高速鉄道ではない、などと
車掌たちに不満をぶつけていました。
前の2本の列車も満席であり、当然、私たちが乗車した当列車も超満員でしたが、
、このD型動車と言われる新幹線には更に次のような問題もあります。
もともとこの列車は、かつては夜行寝台、それもノンストップで上海と北京
を走っていた寝台であり、今回も座席そのものが寝台車となっている点です。
(実は、私自身も3年前の冬の時期、北京への留学のために、上海からこの寝
台車に乗り込み、北京までグリ^-ン寝台を利用しましたが、なんと当時も10時
間でノンストップで夜中を突っ走る夢の超特急でした)。
今や、昼の時間帯に走らせていることもあり、座席そのものが寝台車仕込み
となっており、さらに、通常は寝台利用のために、1車両定員40名のところを
定員オーバーの60人を座らせています。
当然、居心地は悪く、とても快適な列車の旅とは程遠い感じです。こんな車
両で定員をはるかに超え、16両編成で走らせる、それもほぼ満員で動かす当
局の無計画さ、消費者無視も甚だしいといいたいところです。
更には、南京を過ぎてからの各停車駅での待ち時間といったら、これまた世
界の笑いもの?と揶揄されます。
このように、高い値段を払ってまで乗った新幹線・・・、当局の都合のいいように編
成されたダイヤも早めの見直しが求められます。
もともとの寝台車の座席番号の上に、急造のシールを張り替えて、4人席を6人にして
詰め込んで、待ち時間も長く、且つ、運賃も高いとは、まさに「高鉄」そのものです。
しかし、従来の、在来線では走る電車も極端に少なくなり、乗客のほとんど
が、新幹線に流れ、ともかく高い値段を払ってでも、少しでも早く目的地に
着きたいというのは何処の国でも同じようです。
上海から、江蘇省、安徽省、山東省、河北省の各停車駅を過ぎて北京までたどりつく
この列車も、通常の新幹線の所要時間5時間をはるかに超えて9時間余もかかり終点と
なります。 が、この沿線での新幹線の利用者は我も我もと高速鉄道に乗り込みます
。が、 考えてみれば、途中通り過ぎる4つの省と上海、北京の2直轄市の人口を合わ
せると、なんと3億5千人ほどが沿線に住みついていますので、新幹線利用者は増える
ばかりです。
それにしても、列車によっては300キロを超えるスピードで走りぬく新幹線も、安全
基準のことを考えると、思わずぞっとします。途中の停車駅をロケットのような轟音
を立てて走る様は、駅舎全体を揺るがすようで、田園地帯を走り抜ける様子や、途中
の陸橋等を通りすぎる時の土台の部分の揺れ等を考えると、いつまた?とも思いたく
なります。
目的地の孔子の故郷の駅、曲阜東駅には、当初想定していた時間をはるかに過ぎて
無事、到着しました。~上海からは 12番目の駅です~~
そして、また、その次からが、またまた感動の曲阜ローカルの旅となりました。







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