前々から指摘してきたように、やはり危険な事が起きている、といったところだ。次のような記事がasahi.comに載っていたので引用させてもらいます。
1.「ネットバンク詐取急増 ウイルス使いID入手[PR]」
パソコンに仕込んだウイルスで盗んだ他人のIDなどを悪用し、インターネットバンキングで預金をだまし取るという手口が、今年から急増したことが警察庁のまとめでわかった。
他人のIDとパスワードで本人になりすまし、システムを操作する不正アクセスは、今年3月末から11月24日までに35都道府県の160口座で確認された。預金を別の口座に送金して引き出すのが主な手口で、120口座から計約3億円が不正に送金され、一部が引き出された。
不正なID入手方法としては、金融機関を装ってメールを送り、本人に入力させる「フィッシング」がこれまでは目立っていた。しかし今年は、これらの犯罪で使われたIDの85%が、利用者のパソコンに仕込まれたウイルスによって盗み取られたものとみられるという。
不正アクセスには、国内の第三者のパソコンが本人の気づかないまま悪用されており、所有者の知らないうちに不正なプログラムを送り込まれ操作されたとみられている。
http://www.asahi.com/digital/internet/TKY201112150147.html
2.「アメーバに不正アクセス 5万人退会状態になるトラブル[PR]」
インターネットメディア事業大手のサイバーエージェントは25日、第三者からの不正アクセスを受け、運営する会員制コミュニティーサイト「アメーバ」の会員らが退会状態となるトラブルが起きているとホームページ上で発表した。
同社によると、約2千万人分のIDのうち、5万人分でサービスが利用できない状態。26日午前8時をめどに復旧させる予定で、同2~8時は復旧作業のために全サービスが停止するという。
25日午前0時ごろ、社員がトラブルに気づいた。個人情報の流出や不正利用などの被害は「システム上、発生しないと確認した」としている。同社は警視庁に不正アクセスの被害について相談している。
http://www.asahi.com/national/update/1225/TKY201112250082.html
1.については以前にもこのblogでも書いたことで、キーの動きそのものが盗まれてしまうウィルスを入れられると暗号化も役立たなくなるかもしれないという危惧が現実化してしまったというニュースだ。
2.については[個人情報の流出や不正利用などの被害は「システム上、発生しないと確認した」]と企業側は言っているようだが、この記事だけしか見ていないものの、自らの被害を利用者の動揺を考えて無理に少なく見積もろうとする、よくある甘いコメントのようにも思う。退会というのは、ログインしないと普通その操作はできない。不正に他人がログインしているのなら容易に個人情報、不正利用もされうる状態にある、ということである。ログインという状態を経ずしてその退会の操作だけができるようなことがあるとすればもっと問題である。しかしながら、もしかすると事故、ミス、あるいは故障ということもある。この記事だけからその詳しいところは分からない。どうであれ利用者は心配だろう。