国道265号は阿蘇五岳のなかでも、異彩放つ山容を見せてくれる根子岳の山腹を取り囲むように走っている。
山裾にはススキの穂が、逆光のなか銀色に輝いている。
平成24年7月の九州北部豪雨では、この辺りの山腹もいたるところで崩落が見られた。
緑の原野を大きな爪でえぐったような痕跡が見られ、あちらこちらで痛々しいほど山肌が露出していた。
あれから5年、大崩落のあとは残っているが小さな傷跡は少しずつ回復しつつある。
自然治癒力は、植生の侵入を妨げることなく回復を早めている。
国道を下れば火の神阿蘇神社がおわせられる。