以前ここを訪れたときに、この藤園を開園した方とお話しする機会があった。
当時は今ほど訪園する人も多くなく、フジの木の根回りに立ち入り禁止のロープが地面に置いてあった。
一番上にある藤棚は、三脚禁止といわれてような気がする。
いつものようにアチーなどを撮り、藤棚に入るとちょっと頑固そうなご主人が棚の手入れをされていた。
このフジは樹齢どのくらいですかと尋ねたことから、藤園の歴史を話してくれた。
爺さんがここに最初のフジの木を植え、古いものは100年にはなること
フジが大きく育てばきっと人が見に来ると、爺さんが植えたものを大切に守っていると
藤園を開園されたその人は、いつしか姿を見ることがなくなり聞けば鬼籍に入られたとのこと。
100年のフジの古木は、守ってくれた人の恩に報いるように今年も香り立つ花を咲かせた。
「ロープの外だったら三脚立ててもいいよ」と、いわれたのが最後の言葉だった。