過ぎ去りし深紅も（ヒガンバナとアゲハチョウ）

 

もう役目を終えた彼岸花に、アゲハチョウがとまっている。

口ふんは差し込んでいないので、アゲハチョウも、もう遊んでもらえないと思っている。

彼岸花の間を忙しく飛び回り、蜜をもらうアゲハチョウ。

 

彼岸花も、これ見よがしな派手な色をしてチョウを引き付ける。

花が少ないこの時期に、昆虫にとってはありがたい花なのだろう。

でも、彼岸花はアゲハチョウに蜜をやる代わりに、受粉を手伝ってもらう気はない。

彼岸花は、種をつくる必要がない。それなのに虫たちを引き付ける。

 

人間から忌み嫌われる彼岸花も、昆虫たちからみれば救世主なのかもしれない。

役目を終え色あせた彼岸花にとまったアゲハチョウ

「今年も有難うね」とでも、囁きかけているのだろうか。