園内のモミジの木が若葉を芽吹いている。海から吹き付ける風を受け流すように揺れている。
別名ヨメノナミダと呼ばれる花いかだが、葉の上に白い小さな花をつけている。
ボタンの濃ゆい色に目を奪われ、目線を少し上げると柔らかなレモンライムの葉が目にはいる。
濃厚なカラーと柔らかい色合いが、脳細胞の中でうまくバランスがとれて行きつ戻りつレンズを向ける。
9時半の開園を待って入園すると人もそれほど多くない。
花の王が自慢げに「今年も綺麗にさいとろうが、どげんふうね」と問いかけてくる。
そりゃ王様のいうことが「おうとる・王撮る」と、ゆっくりと会話ができる。