前夜から雨が降り続いていた。あまり降るようだと中止になるだろうと思ってベッドに入った。
次の朝カーテン越しに覗く空は、かすかに日が差し雨も上がっていた。
年末から体調がすぐれず、カメラを持ち出すこともなかった。
行って来いよというように雨も上がったので、久々にカメラバックにカメラを詰め込んんだ。
日本の創成期の時代、日本近海から朝鮮、中国をまたにかけた航海術を持って活躍したといわれている安曇族。
彼らの拠点といわれる福岡市東区志賀島、かってはこの島に多く安曇という姓が残っていた。
古より志賀島の民の信仰をよりどころとした志賀海神社で、正月の15日に近い日曜日に歩射祭が行われる。
これは安曇百足(あずみももたり)の、土蜘蛛退治に由来するといわれ病魔退散、五穀豊穣を願う祭事であるという。
胴結締は弓の練習に用いられる俵のことで、これを歩射祭の前日に射手になる若者が、参道を200m担いで大人になった証を見せる。
担ぐのは15歳位の若者が多く、白装束に白足袋姿のいでたちで臨む。
およそ100kgの重さの胴結を一人の少年が、首からダイダイを紐でつないだものをぶら下げ背負う。
残りの青年がこれを支え、笛や太鼓のお囃子に合わせ道中歌を歌いながら参道を歩く。
今年は、13日に行なわれる歩射祭の前日の12日に胴結舞が行われた。