雪が降り黒い雲が立ち込め、海がもう少し時化ると絵になるが
そんな時にウミウは、この島の少し沖合の更に小さな岩礁で、身を寄せ合って過ごすことが多い
去年は下の絵の岩礁では、あまりウミウの姿を見ることはなかったが、今年は賑わいを見せている。
小さな島に身を寄せ合い、お日様に向かって羽を広げている姿は
今日も生きててよかったと、いっているようにも見える。
連中は体が温まると、獲物を漁るためにこの島を離れる。
冬の間、西風が強く吹き付ける夕刻になると、アイランドシティの入江で魚を追いかけたウミウが
西の方向にある志賀島に向い強い風に流されながら、逆らうように上へ下へとなりながら
大きく蛇行し懸命に羽ばたいている姿を、下から歩きながら見ることがある
風が強い日は、風が吹き抜ける橋の上は、通るのもいやになるほどめげそうになる。
その上空をウミウは、塒に戻るために必死に羽ばたく
この絵の先の夕暮れには、そんなことが待っている。
画題を「生きる」としたら、ちょっと大げさ過ぎるだろうか