会津天王寺通信

ジャンルにこだわらず、僧侶として日々感じたことを綴ってみます。

今年の比叡山から発する言葉は「自他同心」 柴田聖寛

2021-02-14 09:11:18 | 天台宗

 

 天台ジャーナルの令和3年2月1日号が届きました。そこでは延暦寺年賀式が1月8日に行われ、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、例年と違って規模を縮小し、阿部昌宏天台宗総務長や延暦寺一山住職ら関係者のみで挙行されたことが記事になっています。
 森川宏映天台座主猊下はお言葉でコロナ禍に触れられ、世界中が困難に直面しているとの状況認識のもと「この事態に立ち向かい、新しい取り組みにも挑戦し、前向きに懸命に務めを果たしておられる人びとに想いをいたすと、心からの経緯と明るい希望を持って早期終息と人心安寧の祈りを捧げることができます」と祈りの大切さを説かれるとともに、「『己を忘れて他を利する』の精神を広く伝え、『一隅を照らす』人物が充ち満ちる国づくりに邁進しなければなりません。第四の鴻恩に報いるために共に努めましょう」と呼びかけられました。
 同式典では、毎年発表している「令和3年比叡山から発信する言葉」は、水尾寂芳執行から「自他同心」であることが示されました。令和3年2月8日発行の比叡山時報第792号でも「本年1月1日の年明けと同時に、一隅を照らす会館前にて今年1年間の心がまえを示す『令和3年比叡山から発信する言葉』の除幕式が執り行われ、水尾寂芳執行による本年の言葉『自他同心』が発表された」と紹介されています。
 密になるのを避けるために、身体は近づかなくても、相手の心になって行動しようとの思いがこもった言葉です。天台ジャーナルで水尾執行は「困難な中だが、我々は仏天と宗祖大師、祖師方のご加護を信じ、前向きに懸命に務めを果たし、人心安寧の祈りを捧げてまいらねばならない」との決意を語られました。また、水尾執行は比叡山時報では「本年は伝教大師1200年大遠忌を迎えますが、コロナ禍のなか皆さん不安を抱えて日々の生活をおくられている。密を避け体は近づくことができなくても、マスクの下の不安に見えない振りをしないで、互いに心と心の距離を縮めましょう」と述べられました。
 森川座主猊下も水尾執行も「前向き」ということを強調されておられますが、どんな逆境に直面しても、信仰者として前に向かって歩むことが求められているからだと思います。

                合掌

 追伸 

昨日の夜中23時08分ころに福島県沖を震源地にしたマグニチュード7・1の地震が発生しました。福島県浜通り、中通りでは震度6強が、会津地方でも震度5強を観測したところもあります。皆様も驚かれたでしょうが、天変地異や疫病に直面している今こそ、私たち一人ひとりの信仰が大事になってきていると思います。


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