テーマパークが集客に苦戦しているそうです。そういえばわが愛知県には明治村という明治の建築を集めた博物館があります。モノがモノだけに集客が難しいのかと思いきや、最近はいろいろとイベントも組んでお客さんを集めているそうです。村長は小沢昭一ですしね。
そこではたと思いついたのが、明治村ミステリ園遊会。明治の建物を使ったミステリ劇の上演です。たとえば江戸川乱歩「怪人二十面相」。明智小五郎役と中村警部役の . . . 本文を読む
「日本民衆文化の原郷」を読んでいると、不思議に以前読んだことがあるような気がしてきました。それは、著者が各地の老人の証言を聞き書き風に書いているところなのですが、じつは横溝正史のミステリを連想していたんです。
「日本~」は被差別の人々が民俗芸能を担ってきたことを書いているのですが、そういえば正史のミステリにも、はっきりと描写されていませんが「雑芸能」を仕事にしていたキャラクターが登場します。 . . . 本文を読む
むかしアメリカのコメデイドラマでこんなのがありました。
友人同士の探偵事務所で、相棒が撃たれて死ぬ。もう一人が事務所を引き継ぐが、なんと死んだ相棒が幽霊となって現世に戻ってきた。その幽霊は友人にしか見えない。おまけに死んだ相棒の美人未亡人はなんとなく友人に気があるよう...、という設定でいろんな事件を解決していく。タイトルが思い出せないけれど、幽霊の相棒は必ず白いジャケットを着ている、というお約 . . . 本文を読む
「地を穿つ魔」(ブライアン・ラムレイ著 創元推理文庫)にやたらに手記が多い(本文すら一人称の記録という形)のは、なぜなんでしょうか。
超太古からの妖神との戦いかたもラブクラフトのころと比べるとずっとモダンになり、地球規模の防衛機構がクトゥルーの魔に対抗します。ウルトラセヴンのウルトラ警備隊みたいなものですね。
ネタバレ気味ですが、ラストではじめて「なぜ手記なのか」という答えが分かるような気がし . . . 本文を読む
「地を穿つ魔」(ブライアン・ラムレイ 創元推理文庫)
は、タイタス・クロウ・サーガの長編です。
以前に出ていた同シリーズの短編集は「タイタス・クロウの事件簿」。
そのタイトルからも分かるように、基本的にはオカルト探偵ものでしょう。
ノリとしては「カーナッキ」の流れですかねえ。
しかし「地を穿つ魔」は長編なので、冒険小説に近いパターンですね。
やたらに手記が出てくるのがちょっと...。 . . . 本文を読む
江戸川乱歩、横溝正史の再評価がなされて久しいし、山田風太郎は最晩年にはアイドルになっちゃったし、さいきん高木彬光が光文社文庫から全集が刊行されるようです。さて、そこで一人忘れてはいませんか、って五十石船かい。
角田喜久雄は戦前から作家活動をしていて、投稿時代から数えるなら横溝正史より長く執筆していたんですがね。
探偵小説と時代小説の二足のわらじを履いていたのですが、カテゴリ的には時代小説家のほう . . . 本文を読む
「板橋しゅうほう」についてですが、
知り合いからメールで「子供を病院に連れていったら、待合室においてあったスーパーマンの絵本が板橋しゅうほうの画」だったそうです。板橋しゅうほうとスーパーマンの取り合わせはniceですね。
話かわって「ワンピース」という週間ジャンプ連載のマンガがありますが、これも別の知り合いから「あれって板橋しゅうほうですね」という指摘が。ああ、たしかに。 . . . 本文を読む
またまた「信長は謀略で殺されたのか・本能寺の変・謀略説を嗤う」ですが、文中に懐かしい名前がでてきたので、ちょいと書きます。八切止夫の作品が、明智謀略説の嚆矢としてあげられていたので、むかしのことを思い出しました。母親が八切止夫の本を持っていたので、中学生のころに挑戦したのですが、登場人物の背景をいっさい書かずにどんどん飛ばすのであえあなく挫折しました。
そういえば、ムー大陸の実在を研究した本を読 . . . 本文を読む
「手塚治虫=ストーリーマンガの起源」【竹内一郎著 講談社選書】
中身の正しいかどうかはともかく、漫画家を技法から評論した本は初めて(とくに手塚治虫についても)ではないですか? そういう意味では大瀧詠一の「オールアバウトナイアガラ」のような読後感に近いですね。私自身の感想では、著者の言うところにほぼ賛成です。
手塚治虫はそれまでの物語文化の大きな結節点である。マンガを作ったのは手塚ではない。手塚は . . . 本文を読む
星野之宣のSF作品がひさしぶりに出ました。「ムーンロスト」が一昨年だったと思うので2年ぶりですか。とはいえ新作ではなく、双葉社の月刊「スーパーアクション」に連載されていた未刊の「アーサーズワールド」と単行本未収録短編です。
珍しく星野本人のあとがきがあり、漫画家生活30年にいたったことが述べられています。ああ、スーパーアクション休刊からすでに20年たっていたんですね。
巻頭にはそこで連載されてい . . . 本文を読む
生来の溜めこみ型人間なので、知らないうちにいろんなものが本棚に溜まっています。そんな中で意外に面白いのが各社文庫の目録。
目録には文庫の簡単な解説が書いてあって、下手なガイドブックよりずっと楽しいんですね。文庫担当者が売れるように知恵をしぼって書いた解説を、多少の誇張といっしょに楽しみたいところです。
コレクションのなかで自慢したいのは、親戚からもらった60年代のもの。「こんな本が出ていたのか . . . 本文を読む
角川文庫で出ている「見仏記」「みうらじゅん・いとうせいこう著)は、同世代(昭和30年代中生まれ)ならいちど読んでみても損はしないと思います。
二人が仏像見物の旅をするのですが、みうらじゅんの絵と文がやたらに面白いんです。「螺鈿」をカーリーヘアーとか、5体の仏像を「釈尊ズ」(ジャクソンズ、お釈迦様が5人だから)とか、外タレ扱いにするかと思えば、寺と仏像のたたずまいを秘密基地と怪獣にたとえるとか、抱 . . . 本文を読む
「ビートルズ・ファンタジー」 ラリー・カーワン著 安藤由紀子訳 扶桑社刊
ラブ・ミー・ドゥを出したあとビートルズが解散していたら? というIF小説。ポールはモンタナという芸名でアメリカで活躍、最近ちょっと落ち目。リンゴは奥さんの美容室手伝いという名目のヒモ。ジョージは神父。ジョンは失業者で変人。イギリスはビートルスのいなせいで(?)ファッショの国となり、リヴァプールの町は人種差別の小競り合いが日 . . . 本文を読む
最近買った雑誌で、おっと思ったのが「フリースタイル」という雑誌です。
表紙のイラストは松本大洋、いっけん何の雑誌?と思いますが、全方位的「本の雑誌」みたいな編集ですね。
映画、漫画、小説、芝居のコラムを中心に、いま旬の人たちが文を寄せています。わたしは、鏡明の連載「マンハントとその時代」に惹かれました。マンハントでやるかあ。和田誠の自分デザイン史、山田宏一の映画教室など、こんなおじさん(失礼)だ . . . 本文を読む
ブライアン・ラムレイ 『地を穿つ魔』オカルト探偵タイタス・クロウ、地底邪神と対決! クトゥルー神話大系に新風を巻き起こした 『タイタス・クロウの事件簿』 に続くラムレイ渾身のダーク・ファンタジー開幕。(創元推理文庫)
を買ってきたのですが(まだ読んでません)、解説を読むとクトゥルーをネタにした和製ホラーがいくつも挙げられてました。ははー、いっぱいあるんですね。
そういえば永井豪の「デビルマン」 . . . 本文を読む