社長の品格  成功への羅針盤

二十年ぶりの封印を解き、今再び俳優業に復帰した女社長ブログです。

力強さと凛とした美しさ

2008-04-10 02:45:58 | 友人
ジムでの大切な出会い二人目です。

私的には自身の左ひざの故障は今もなお悩みの種で、足を動かすたびに感じるなんとも言えない嫌な痛みは、今ではほぼそれも体の一部分の個性としてあたり前のものになっています。それでも手術でじん帯を再建したことで膝の形は変わり、足の長さも微妙に右足より短くなり、それのバランスをとろうと腰の位置がずれ、体のあらゆる部分にゆがみが出ていることに痛みと不安を感じてならないのです。忙しさをぬってジムに通う理由の一つにはリハビリの意味合いが強いのです。でもそれだけでは終わらず、やはり踊りたいわけです。今度は踊ると膝が言うこと聞かなかったりしてまた悩む。
 趣味とはいえ、美しく踊ることに神経をそそいでいると、背のスラーッと伸びた細身の知的なイメージを持つきれいな女性を、幾度となく見かけることがありました。かなりレッスンを積まれているようで上手に踊られています。毎日通っているらしく、仕事の合い間に時々寄るだけの私がかなうわけがなく、その上膝の故障ときているので、立場がまるで違うためにあまり口を利いた事がありませんでした。
 ある時、レッスン終了後パウダールームでその方がお隣に座りました。お互い「お疲れ様。」と普通に挨拶を交わすと「ほんと上手ですね!」とお褒めの言葉をいただきました。褒めて頂いたことは嬉しいのですが、私としては全く満足していないし、爆弾を抱えている恐怖心からリハビリの域を達していないのは自分が良く分かっているし、何よりその方が華麗にいつも踊っているのを知っているので、「そんなことはないです。」といいながら膝の傷を見せたのでした。卑下して言っているのではなくて、所詮リハビリの域なのですよというつもりでした。すると彼女もなんと右すねの大きな傷を見せたのでした。何事もないかのように華麗に踊っている彼女にまさか私と同じようなハンディがあったとは。同じ様に悩み、同じ様に痛みを引きずっていたとは思いも寄りませんでした。今まで会話らしい会話をしたこともなかったのにしばらくそこでお喋りが続きました。劇団でミュージカルをやっていたこと、そこで怪我したこと。いまだビスが埋め込まれていて、最近妙に痛むこと。そして彼女は命が助かったことが不思議なほどの交通事故に遇い、人工関節が入っていること。体のあちらこちらがずれて体調を崩すこと。同じような痛みや不安を感じていること。
 嘆いていても仕方ないから好きな踊りは踊ってしまうのだと呆気羅漢と言いのけます。華麗に見せるために、怪我を克服しながら前へ懸命に進もうとしている彼女はとても神々しく見えました。こんなに近くにいながら今まで会話すらまともにしたことがなかったのにこれほどに境遇が同じで、勇気を頂ける人だったと思いも寄りませんでした。私としてももっともっと頑張れる、と自信を新たにしました。
 辛い出来事を乗り越え呆気羅漢としている彼女が最後に一言過去を振り返るように言った言葉が、「それで私の人生変わってしまったのよね。」でした。東京の大学を卒業してボストンの編集社に仕事が決まった直後の事故だったようです。夢を今や叶えようとしている矢先の出来事だったのです。その言葉は悔やんでいるのではなく、それさえ乗り越え、吹っ切った女性の力強さと凛とした美しさを感じます。今彼女は塾を経営しています。





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