最近着られなくなった着物がある。
そう、二回しか着なかった「振袖」
私は振袖を母が成人式に買うというので、反対した。
結婚式に着てゆく確率は当時は、限りなくなかったし、訪問着にもできないようなものなどというのでなおさら、もったいないと思っていた。
しかし、せっかく「娘」を持った、という気持ちを考えれば、まあ、親孝行と思って
二人でとにかく見に行くことにした。
実家近くの老舗のお店だった。
母は下見、と言っていたので、気楽な気持ちだった。
お店に入って、色々と試着。母は娘らしく赤い振袖がいいのではないかという。
しかし。
「赤がかわいいと思うんだけど、似合わないねぇ~」
四着くらい試着して、疲れたので、二人でそろそろ帰ろうか、と思ったとたん。
店員さんから「是非うちで買ってください。必ずよいものを持ってきますから・・」
簡単にいうなら、「買うまでかえさない」状態にされ、結局買うはめになった。
その代り、母も「値切り交渉」を開始し、入店して六時間後、解放された。
母は振袖に少し気に入らないところがあると言っていた。「いいけれど、袖の色がねえ・・。」と。
しかし、おもしろいもので、その点が役立つときが来た。
結婚するときに写真用に、和装で振袖を着ることになり
気に入らない、というその母の言う落ち着いた色合いがあったがゆえに、
逆にアラサーまっさかりの私をカバーしてくれたのである。
しかし、結婚したので振袖を着る機会がなくなり、「留袖」になったので
何とかしたいと思うようになった。
とにかくあげる人がいないので、着てもらえるなら「二束三文」でも仕方がない。
買取を検討し、結局スピード買取というところに「買取」をお願いすることになった。
下調べをすると「相場、振袖はMAX最高3000円」だという。
びっくりの値段だけれど、それが現実なのだ。
なので、ほかにも買取をしてもらうことにした。
そして指定日当日。
買取は初めてだったけど「シビア」なものだった。
母がもういらない、といった「婚約指輪(ダイヤ)」が、なんと2000円・・
(ダイヤが小さいからだという。母も同じことを言っていたのでいたしかたないけれど)
結局、もろもろ引き取ってもらった額合計は「6000円」にしかならず・・。
特に小さいとはいえ、ダイヤの指輪の値段は正直納得がいかず。
でもほかのお店はもっとシビアなので、買い取ってもらうしかなかった。
でもずっと考えあぐねていたことから解放されて楽になったことも現実。
と、いうのも
振袖は、どこのものかわからないそうなのだ。
私はてっきり「友禅」だと思っていたのだが、違うと査定の人はいう。
確かに、昔母に聞いたけれど、「よくわからない、でもいいものだからいいじゃないか」と言われたことを
思い出した。
綺麗な状態でブランド品で「MAX3000円」だとすれば、頑張ってもらったのだと思った。
着物の買取は「売れ筋の作家もの」「ブランドもの」以外はとても厳しいので
誰かに譲ることができれば、そっちのほうをお勧めしたい。
ただ、まったく着ないのであれば、状態のいいうちに「買取」にまわすのも、ありだと思っている。