2019年4月14日(日) 243日目 

2019-04-14 21:38:57 | インフレとデフレ
今日は遅番(11:30~20:00)。

今日はしんどいユニット担当。
雰囲気は落ち着いていたのでまだよかった。

とにかく就寝介助の人数が多くて大変。
就寝介助の前に排泄介助もしなければならない。
激しく体力を消耗する。


☆ ☆ ☆

インフレとデフレを考える、その2。
今回は「インフレ・デフレと景気の良し悪しは本当に関係があるのか」について。

結論から言ってしまうと、
インフレ・デフレと景気の良し悪しは関係がないみたいだ。

まずは
ミネアポリス連邦準備銀行のアンドリュー・アトキンソンとパトリック・J・キホーという
2人のエコノミストが2004年1月に発表した
「デフレと不況は実証的に関連するのか?」という論文があるらしく、
(引用元:中原圭介「デフレになると、本当に不況が来るのか」(東洋経済オンライン)
1820年~2000年(世界大恐慌期を除く)のおよそ180年間における
主要17カ国の5年ごとの平均実質経済成長率とインフレ率を調査し、
それをプロットしたのが下の図。

   

全部で595個のデータがプロットされているが、
・インフレで好況・・・501個(右上の象限)
・インフレで不況・・・21個(右下の象限)
・デフレで好況・・・65個(左上の象限)
・デフレで不況・・・8個(左下の象限)

これらのデータから明らかなことは、計算すれば簡単に分かることだが、
デフレ期の9割で経済は成長しており、不況期の7割はデフレではなくインフレであった
という驚愕の事実である!
常識を覆す、非常に価値ある調査結果だと思う。
「デフレスパイラル」などというのは現実離れした机上の空論であることが分かるだろう。


次に
「インフレ経済学」に毒されていないもう1人のエコノミストである
増田悦佐氏の著書『不確実な未来を生き抜くための「経済史」』より。
(増田氏はアメリカのジョンズ・ホプキンス大学で歴史学の博士号を取得している)

増田氏によるとアメリカ建国(1776年)から今日に至るまでの間、
もっとも経済の成長率が高かったのは「工業化初期」と名付けられた1850~99年、
つまり19世紀後半の年率約4.5%だったとのこと。
そしてこの時期は、南北戦争(1861~65年)中とその直後のインフレ期をのぞいて、
ほぼ一貫してデフレの時期だったという。
アメリカ経済の成長性が高かったのは、疑問の余地なくデフレ期だった
というのが増田氏の主張だ。
19世紀後半はデフレで大不況というイメージがあったが、
豈図らんや、経済成長率は非常に高かったのだ。


どうも歴史を振り返れば「デフレ=不況」というのは誤りである、ということになりそうだが、
我々一般人は教育を通じて、あるいはマスコミによって、
執拗に「デフレ=不況」という誤った定式を頭に刷り込まれていると言える。

中原氏によると、アトキンソンとキホーによる歴史的事実を解き明かした上記の論文はその後、
ポール・クルーグマンやベン・バーナンキをはじめとするアメリカ経済学の主流派によって黙殺されてしまい、
表に出ることはほとんどなかったとのこと。
実際、日本人の99%以上はこの論文の存在を知らないだろう。
なんてこったい!

どうも世の中にはインフレに誘導したがる強力な勢力というのがいるみたいなんだね。
そこで次回は「インフレで得をするのは誰か」について考えてみたい。