2019年4月9日(火) オフの日

2019-04-09 20:08:04 | インフレとデフレ
今日はオフ。

体調はいまいち。
やはり逆流性食道炎が治まっていない。

おまけに今日は寒くて風が強くて参った。
なんとなく気持ちが萎える。


☆ ☆ ☆

インフレとデフレを考える、その1。
今回は「インフレ経済学」への懐疑。

アベノミクスが始まったころに盛んに言われていたこと。
「デフレになると人は“物の値段はもっと下がるだろうからもう少し買うのを待とう”となり、
誰も物を買わなくなる。すると物価はますます下がり、生産高も下がり、縮小均衡が進む(デフレスパイラル)」
「物の値段が上がれば人は“もっと高くなるから早めに買っておこう”となり(インフレ期待)、
物の値段はますます上がり、生産高も上がり、経済の拡大が進む」
いわゆる「インフレ経済学」というやつだが、どうも庶民の実感とかけ離れている気がしていた。
頭の中だけで考えた非現実的な理論という感じがしていた。

この理論には、明らかに何か重要な前提が抜け落ちていると感じるはずだ。
それは個々人の所得が増えるという条件。
名目賃金が物価上昇率以上にあがらなければ実質賃金はマイナスとなり、
生活は苦しくなって消費を増やすどころではなくなってしまう。

こんなことは小学生にでも分かることだと思う。
毎月1000円のお小遣いをもらっている子供の好物のお菓子が100円だったとして、
そのお菓子が200円に値上がりしたのにお小遣い1000円は変わらなければ、
これは損しているなと気付くはず。

しかしこんな単純な議論がアベノミクス開始時にはなぜか抜け落ちていた。
当時NHKに飯田香織という経済キャスターがいて、「Bizスポ」という番組をやっており、
        
彼女がブログを公開していて、コメントも受け付けていたので、
「インフレ率2%にすると騒いでいるけれど、名目賃金が2%以上あがらなければ、
実質賃金はマイナスになってしまうよ」とそのブログに投稿したら、
翌日の放送で「日立製作所は賃金を2%以上あげることにした」などと報道してきたので、
「馬鹿言っちゃいけない。日本全国100万社以上ある会社の中で上位30社に入るような超優良企業の事例だけ出して
インフレ率2%誘導策を正当化するような姑息な報道の仕方を公共放送であるNHKがしてもらっては困る」
と文句を付けた記憶がある。

当時は「実質賃金」という言葉はほとんどマスコミに出て来なかった。
その代わりにしきりに使われていたのが「インフレ期待」という言葉。
しかし自分が思ったのは、「インフレ期待」よりもはるかに重要なのは「実質賃金上昇期待」だろう、
それが発生しない限り、経済の好循環なんか起こるはずがない、
名目賃金があがらないのにインフレ期待だけが膨らめば消費マインドは委縮してしまう、
名目賃金が変わらなければデフレの方が実質賃金はあがるのだから、
その方がよほどいい、というものだった。

今後人口が減少していく日本ではどう考えても名目賃金が上昇するという期待は持ちにくい。
だったらデフレの方がいいんじゃないの、というのが自分の意見。
「デフレスパイラル」などというのは現実離れした机上の空論だと思う。

そこで次回(明日ではないと思う)は、
インフレ・デフレと景気の良し悪しは本当に関係があるのかということについて考えてみたい。