2016年11月8日(火) 夜勤を前に

2016-11-08 13:05:12 | 日記
これから夜勤だけれど、
アメリカ大統領選挙は夜勤が明けた頃に大勢が判明するのかな。

I.ウォーラーステインの「世界システム論」によると、
世界の歴史上、「世界覇権国」と呼べる状態は過去3度しかなかったらしい。
17世紀のオランダ、19世紀のイギリス、そして20世紀のアメリカ。

それらの国の没落はほぼ同じパターンを辿ってきたという。
初め製造業で栄えたが、それがダメになって金融経済に移行して、
それも衰退して覇権国としての地位を失っていく・・・。

アメリカは1971年のニクソンショック以降、
金融経済によってかろうじて覇権国の地位を維持してきたけれど、
それももう断末魔なのではないか?
(日本から収奪した資産はいったいいくらになるのか?
GPIFもそのスキームの一つであることに疑いはない)

ウォール街から多額の献金を受け取っている
ヒラリー・クリントンが大統領になるようでは、
まだこの構造(1%支配層のみが潤い、その他99%は没落していく)は変わらないのだろう。

でも、レバレッジとかデリバティブとかで膨らませに膨らませた
イカサマ金融の巨大なバブルが破裂するのはどう考えても時間の問題だろう。

さて、どうなるのか。
歴史が大きく動き始める予感。



ウォーラーステインの「世界システム論」については、
その日本への紹介者である川北稔氏の著作に詳しく書いてある。
どうもこれが現在の歴史学の主流な考え方であるみたいだ。
自分が読んだのは例えばこんな本。



『世界システム論講義』
(著)川北稔
ちくま学芸文庫





『イギリス 繁栄のあとさき』
(著)川北稔
講談社学術文庫



 コロンブス以降の世界が、とりあえずは西ヨーロッパを中心として、ひとつの壮大な分業体制、すなわち「世界システム」をなし、この単一の巨大な有機体が残りの世界を次つぎと飲み込み、成長していく姿こそが近代の世界史である、と考えるのが「世界システム」論の骨子である。

 「世界システム」の内部は「中核」をなす地域と、この中核に従属する「周辺」地域といった構造を持っており、「周辺」は「中核」のための食糧・原材料・エネルギー源などを提供する。しかも、二つの地域間の交換は、いわゆる「不等価交換」となっていることが多く、労働の成果が「中核」に集中する仕組みになっている。

 かつて歴史学は、東ヨーロッパやラテンアメリカの状況を、イギリスをはじめとする西ヨーロッパ諸国に比べて、発展が「遅れている状態」と捉えていた。逆に、イギリスなどの西ヨーロッパは「先進国」と見なされたのである。このような見方の背後にあったのは、すべての国が、いずれはイギリスと同じ段階を経て、発展していくはずだという「一国史観」と「発展段階論」とである。

 しかし、「世界システム」論は、この二つの大前提を厳しく拒否する。「世界はひとつ」なのであり、イギリスの工業化が手工業の発展していたインドを原綿生産地に変えていったのであり、世界の各地域は、セパレート・コースを別々に走っているわけではないのだ。「イギリスは工業化したのに、インドはまだ工業化していない」のではなく、「イギリスが工業化したために」「インドは『低開発化』され」、「工業化しにくく」なったのである。