
「横川探検隊、出てこいや!」

「おまっとさんでした!」

「思い出すのぉ~」

「街紹介と云えば、アド街って軽いノリでやってしまいました

」

「いや、別に怒っとるわけじゃのぉて、故人を思い出して、涙ポロリ」

「本日は何処に?」

「渋いとこ、行こうかのぉ~」

「承知いたしました」

「こちらのお店いかがでしょうか?」

「劇渋じゃのぉ」

「取って置きをご用意いたしました」

「ガラガラガラと引き戸を開け」

「一人なんじゃけどのぉ~」

「カウンターに陣取って」

「瓶ビール頂戴な」

「アサヒ、キリン?」

「キリンで」

「品書きを手に取って」

「どう見てもカウンターに置いとるけどの」

「そこ突っ込みます」

「今日は仕掛けが少ないけんのぉ~」

「刺身が来ましたね」

「ちょっと想像の範囲外の盛り付けじゃのぉ」

「若鶏の半丸焼頼まれました?」

「はい」

「キャベツです」

「焼き鳥屋さんですからね」

「まぁ、焼き鳥屋で刺身を頼むのは呉人間の性じゃけん」

呉の「とりや」には生簀が普通にあるんじゃけん

「若鶏の半丸焼(大)が来ましたよ」

「これは食べ応えありそうじゃのぉ~」

「若鶏はジューシーで美味いですよね」

「この年になったら親鳥の歯応えよりこっちじゃの」

「お会計を願い出て」

「2663円じゃったけど」

「3000円位かと思いましたけど、親父さんやらかしましたかね」

「でもこれがこのお店の標準価格だったら、激渋激安店じゃのぉ」

「合計金額、うさちゃんの記憶違いじゃないですか?」

「今日喰ったものも思い出せないお年頃」