◆◆１５年前のアイスクリーム◆◆

今から１５年くらい前のこと…。

とあるお店で食事をしました。
そこを目指して「食べに行った」というより
新しい店ができていて「なんとなく入った」という感じ。
立地は良いのに、食事時でもお店は閑散としていました。
お客さんの少なさもあって、
注文したサンドウィッチを恐る恐る口に運びましたが…、
美味しいのです。

んん…？
美味しいのにお客さんが少ない…

その頃、「繁盛する店づくり」の本を読みあさっていた時期でしたので、
店内を見回し、あれやこれやとメモをしていました。
「ターゲットが見えない」とか、
「店内サインの位置が悪い」とか…。
　（偉そうな話です…）

キョロキョロして、メモを取っているのが目に入ったのでしょうね。
店長らしき人が近くに来て、
「なぜ流行らないか教えてもらえませんか。もしよろしければ…」と
自慢のアイスクリームを差し出すのです。
父親くらいの年齢でした。
成功への探究心に
「素人の感想で良ければ…」と前置きをしつつ、
失礼を承知で、思うままをお話しました。
店長は懸命にメモを取り、うなづいてくれます。
そして、その店の目指す方向性を教えてくれました。

手づくりであるがゆえに値段が高い。そして遅い。
それが受け入れられにくく、流行らない原因になっているようです。
食材や製法へのこだわりが、時代性と合わなかったのでしょう。
「理解される時代が来るといいですね」
とお伝えし、店を出ました。
心の中では
　（いずれ、そんな時代が来るでしょう）
だったのですが、コンサルタントでもない私が言えるのは、そこまでです。


昨日、アイスクリームを食べに行きました。
「なんとなく」のではなく、「食べるために行った」のです。
１５年前と変わらぬ味に
満足、満足。

「モクモク手づくりファーム」の賑わいを観ながら、
時代が追いついたのだと思いました。
良かったですね。ホントに。
米山