きゅうちゃんは とうとう １０歳になろうとしている
年寄り猫とはいえない
なぜならそのみずみずしい瞳の輝きが
まるで 高齢猫とは言えない
たくさんの猫をみてきて きゅうちゃんは
瞳孔が大きめな猫なんだなと気づく
大きな丸い瞳の希少さに驚く
どこまで も美しい猫 きゅうちゃん
きゅうちゃんといられて どれだけ今 わたしは幸せなんだろう
それを いつも感じている
寝られない日々
夜中に起きる
夜中に風呂に入る
夜中に掃除をする
夜中に整理整頓し
その合間合間に なにか頼まれごとをする
さあ寝ようとおもってもねられない
どうすればこの流れをとめられるのかわからない
このパターンをどうすればいいのかわからない
しかし、どうしようもない
どうしようもない
どうしようもない
と思いながら
寝る
太郎はいつもよりそう
わたしがベッドに寝るのをいまかいまかと待っている
どんなに夜遅くでも
いや
朝方でも
たろうは わたしの寝床にやってきて
撫でられるのをまっている
たろうのお尻を 痛い肩を我慢して
なでたり
たろうのしっぽを触って確認したりしながら
たろうのおなかの下に手をすべらせて
体温を 感じながら
しばらくすると
自分が眠りの方向に進んでいることに気づく
太郎は どうも わたしにとって鎮静剤みたいなものかもしれないな
甘えて 優しい声をだしながら、
ただひたすら 家族が寝るのを待っている
ただひたすら なでられることを待っている太郎よ
きみは わたしにとって平和の使者であり
眠り薬であり
鎮静剤だよ
ありがとう たろう