台本その3(前回のつづきではありません)
台本っていうのは、かみしばいかなんかの台本にする予定
ですってことですが、するかしないかは
おもいつきでいつも書き込んでいるので。
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「バーチャル介護」
「うぁああ。おむつのこうぞうってこうなってるんですね!
いゃあああぁ! うんこが手についた!」
VRゴーグルをつけたその男性は手を引っ込めて叫んだ
「大丈夫ですよ、そのてについたのうんちは、バーチャルなんで本物ではありませんから」
「うぉえぁああ! っくっさいい!! いやぁあ 臭いしますよ! いゃやあぁくさいし、べっちょりしてる!!」
「なにもてあそんでるんですか。臭いもバーチャルです。触感もバーチャル。
今の技術は、すべての再現性がすごいんです。だから大丈夫ですってば。」
「やぁああ。本当なんだ。こんなにはっきりと質感を感じるなんてすごいなあ。
さて、おしりを 拭こうか、ね、おかあさん、おかあさんごめんごめん、きれいにするからね、おしりを拭くよ。いゃああ。このお尻拭きすぐ汚れがとれていいね。でも一枚じゃ足りないや」
「じゃあ、コインを一枚投入してください。追加一枚につき VRコイン3枚です」
「ええっけっこう高いなあ」
「でも、綺麗にしないと終わりませんよ。さあさあ、コインを出して投入してください」
「まったく、これこそリアルだな。ベッドサイドにコイン差し込み口がある。手袋を外して。。手袋ももう一枚必要じゃないか」
「手袋はVRコイン4枚です」
「なんだよ、それも有料かよ」
「まあ、文句いわないで。あなたが亡きおかあさんの介護体験をしたいというのだから」
「まあね、できなかった親孝行をしたいと思ったのさ。かあさんは40歳で亡くなったのだけど、60歳で寝たきりになったという設定さ」
「60歳を選びましたか」
「だって今どき、70歳、80歳なんて人みたことないからね」
「そうですね。生産年齢を超えるとスーパーシティに連れていかれるので老人を見たことがない人がほとんどです」
「スーパーシティで幸せな老後っていうからみんな行くので、そのあと会うこともないし介護するなんてこと珍しい体験だから
こうして個人的に体験したい人はここに来るしかないしね」
「専門家がやっていると言われている介護ってどんな仕事なのか
体験してみたいっていう俺みたいなレアなやつとか、
親孝行をしそびれたって思っている人が
擬似体験するためにここに来るんだからね。いや、
今日も 充実した介護をできたよ。」
「おかあさん、また来るからね、60歳バージョンは初めてだけど、今度は70歳バージョンも試してみようかな。ありがとね。」
「お疲れ様でした、またどうぞ。」