竈門神社の夢野権之助(黒田家の家臣)社の左手の坂を下り、渓流に沿って少し登ると登山口です。
この右手の川が潮井川である。潮井川の鳥居の左にかなり大きな自然石に刻した歌碑があります。
「筑紫へまかりける時
かまと山のもとに宿りて侍りける
道つらにはへりける木にふるく
書きつけてはへりける」
「春はもえ秋はこかるるかまとやま」 ←上の句
「かすみも霧もけふりとそ見る」 ←下の句
この歌の下の句の作者 清原元輔は、平安時代の歌人。というよりも『枕草子』を書いた清少納言の父といった方がわかりやすいだろうか.寛和二年(986年)、肥後守として九州に下っている。
元輔が竈門山のほとりに宿したとき、道端の木に古く書き付けた句があった。元輔はこの句に和して下の句をつけた。
『解説』
『春に対しては霞、秋に対しては霧、こがるるからは煙を引き出しまた全体としては、「もえる」や「こがるる」や「煙」などカマドの縁語を駆使し、しかも春の若葉、秋の紅葉、霞や霧の多い山の気象までも、この山の自然を存分に詠いあげている。この山を代表する和歌である。』
参考文献 宝満山歴史散歩(著者:森 弘子)
歌碑写真 (苔むして刻んだ文字は見えません。)
八田嘉明