カットシザーって動刃と静刃の2枚の刃がネジで連結されて
一体をなす刃物です。 小さな機械でも有ります。
ハンドルを開閉させると、ネジを支点として鋏身も開閉する仕組みで
開いて夾んで閉じて切る。 切る事は「剪断」と言います。
せん断は、刃の交差する交点で局部的に行われます。
それが連続すれば、長い切り口でパネルを切る事になるんですね。
せん断力はネジを支点として、テコの原理で作用するので
開閉する刃線元から刃線先に作用点も閉じるに従って移動をします。
でっ 交点に掛かるせん断力は、刃線元で強く刃線先で弱くなって行きます。
同じ事ですが・・・ 長いハサミより短いハサミが良く切れるのです。
切れなくなり始めると、長いハサミの刃先がパクルのもこの原理による物です。
そのまま使い続けて、お客様に不快感を持たれたら・・・ 勿体ないですね。
刃元より刃先に力が無い構造なのに、刃先を多用するのが理容師さんですよね。
ハンドルを長くすれば 剪断力は強くなりますが運動範囲が大きくなり
ハサミは安定してくれないし・・・ ハンドルが短いと指が疲れます。
切れないハサミでも無理して使えば使えるのですが・・・
結果として押し切りグセが付いてしまうのも切れ味と関係していますよね。
でも、刃物は使えば切れ味は必ず劣化すると覚えましょう。
切れなくなり始めると予兆として、毛髪が刃線先の方に押し出される
現象が始まりますね。 すべりと呼びますね。
理容では、直バサミと言われるカットテクニックが有り
直が利かない(効かない=こっちかな)と短髪の仕上げに苦労します。
刃先の摩耗や劣化ですべる事を避ける為に、粗めの仕上げで
研ぎを行い(ノコギリ刃と呼びます)その切れ味を良しとする理容師もいます。
これは好みの問題ですが・・・ そんな粗い刃付け(ノコギリ刃)ですと
「自在ネジ」よりティパーネジの方が良いと頑固に言う「研ぎ屋」もいます。
粗い刃付けに慣れてしまい、その切れ味だとパクリ易いので
バタ付きの少ないネジを良しとしているのです。
どんなネジでも上手に研げばパクル事は有りません。
当然、粗い研ぎよりも長切れもします。 (これは論理的に考察しましょうね)
(同条件の同じハサミ2丁でそれぞれの研ぎを試して使えば判ります)
好みの問題とは、そんな弊害も有るということですね。
もちろん、これらの記述を認めない人や反対意見の人も居ることでしょう。
でも、好みの違いなら仕方ない事です。 好き嫌いに反論は出来ません。
もう少し続くかな?
オリジナルのカットシザーに採用しているベアリング式埋め込みネジは
ビス裏に使用するので、研ぎを繰り返してもトラブルは起きません。
ベアリングは鋏体の中に入れると研ぎを繰り返し減った分だけ
互いの交点が密着する事が難しくなるので押し切りを必要とします。