マンシングウェアレディース東海クラシック 新南愛知カントリークラブ 美浜コース(愛知県)最終日
太陽が顔をのぞかせた最終日。香妻琴乃さんが劇的なLPGAツアー初優勝を果たしました。素晴らしい内容。この日、足を運んだ9,331人の大ギャラリーの声援に応える素晴らしい内容でした。最終組がホールアウトするまで、皆さん、お帰りになろうとはしません。客観的にみても、これほどのデッドヒートはそうあるわけではない。とにかく、おもしろかった。
大混戦。第1日から誰が優勝を飾るのか、まったく予想がつかない。選手もまた、同様です。1番ホールでスタートを見守っていて、今日は選手の多くが、赤のウェアをチョイス。勝負をかけてきたなぁ。そんなムードが漂っていました。何しろ、第2日を終了し、首位から3ストローク以内に、12人がひしめいていたのですから。赤は闘志の色。しかし、香妻さんは白で勝負にかけた。適度な緊張と、調子の良さを裏付けるような、ほほ笑みを少し浮かべた表情が印象に残ります。
ショットの精度が良かったのは、大会を通じて同じ。ただし、18番の第2打がキーポイントになったと思います。ラフでしかも、前上がりのライ。やさしい状況ではありません。加えて、プレッシャーもあったはず。ところが、何事もないような感じで、ピタッとナイスオン。2.5メートルのバーディーパットも、ど真ん中からカップインさせています。過去の優勝争いとは、明らかに違った。今日のプレーをみれば、プロ8年目の初優勝だったなんて、信じられません。
ウェイティングからの優勝は史上2人目。賞金シードを失ってから、復活へ向けてさまざまな苦労をしたことは枚挙にいとまがないでしょう。ここ最近では、練習は当然のこと、毎日のランニングや食事も制限。できることはすべて行い続けてきたことで、自信が芽生えた様子です。聞く人の感動を呼ぶ優勝スピーチにも感心させられた。私が、お父さんから聞いたところでは、「本当は食べないはずだった好物のトンカツを、昨日の夕食で2切れだけプレゼントした」というエピソードも、ちょっといいお話です。
一方、15日に開催された『2018朝日インテックpresentsドライビング女王コンテスト』は、30歳の穴井詩さんが272ヤードで優勝。見事なひと振りを拝見しました。強じんな下半身から繰り出す1Wのヘッドスピードは44-45m/s。香妻さん同様、トレーニングをしっかり続けていなければ、これほどの飛距離を維持できません。決して、パワーではありません。あの、スリムな体形をみれば、おわかりのはずです。
(鈴木美重子=担当理事)
以上、日本女子プロゴルフ協会記事
香妻琴乃の苦労を考えると、腰痛が再発しない限り、後半戦TVによく映ると思います。
シンジエ、アンソンジュに負けない日本選手の一員として活躍してくれることでしょう。