1987年に発売された日産C22バネットのライセンス生産車。2018年現在、大宇自動車唯一の1トントラックである。
トラックの他、コーチ9人乗りや12人乗りもあった。特に12人乗りの写真は韓国人でも撮影した人が居ないそうで、MBC(韓国のテレビ局)で報道された交通事故の画像のみだそうだ。さらにコーチはどこにも現存していないそうで、トラックも韓国国内に2~3台くらいしか残っていないらしい。
バネットトラックはライバルの起亜ボンゴや現代ポーターよりもサイズが小さいからあまり売れなかったらしく、忘れられた存在になっていたのだろう。コーチも現代グレースや起亜ベスタよりも遅く登場し、顧客ニーズの考え方が甘かったことが災いし売れなかったらしい。
ソウル7ナンバー。当時のままのナンバー。
サイド。オレンジの帯を見ると日産バネットのマレーシア仕様を思い出す。エンジンは日産製では無く、当時大宇で製造されていたいすゞC223型ディーゼルエンジンを搭載していたとのこと。ただエンジンの音がうるさく燃費も悪かったらしい。
因みにこの個体、ソウル市某所の団地が並んでいる所のお店の倉庫として使われている。(写真の駐車場はストリートビューにも写っている。)は防犯対策なのか防犯カメラも作動しているそうで。韓国の防犯カメラの普及率は日本以上かもしれない。
ロイヤルキャブのロゴ。防犯カメラが付いているので、車から極力離れて撮影した物をトリミング。ロイヤルキャブとはエアロダイナミック乗用型キャブの意味らしい。さらに韓国の小型トラックで初めて乗用車式サイドミラーが使われたようである。
スーパーエックスのロゴ。1990年のモデルからブレーキが改良されたのかスーパーエックスのサブネームが追加された。
さらに最終モデルとなる1991年式はバネットの名前が消え、スーパーエックスの名前で発売された。題名で大宇バネットと書いたが、この個体はバネットの名前が消えた1991年式のスーパーエックスなのである。
前輪。これデリカで見覚えがあると感じた方はいい感してる。そうデリカトラックの韓国版とも言える現代自動車ポーターからの流用品だそうだ。
荷台は起亜ワイドボンゴからの流用品。そうなると純粋にバネット(スーパーエックス)なのはキャブだけだ。
以上、あまり資料が無い大宇バネットについて書いてみたが、少しでも参考になれば幸いである。因みに韓国のこのような団地で撮影するのは、防犯カメラが至る所にあるので、あまり堂々と撮影するのは少し気が引ける。
(2021年2月17日、一部画像差し替え及び追加。一部の説明文修正)