グレースの自動車・鉄道撮影記

80年代の自動車(日本車と日本車ベース自動車)の画像や鉄道車両(115系等)の写真など。画像の無断転載は固くお断り。

2023年9月に撮影した現代グレース 

2023-09-27 14:36:45 | 韓国の自動車
 全斗煥政権下の自動車合理化措置が解除され乗合車(ワンボックスカー)が生産出来るようになった現代自動車は、当時提携していた三菱自動車の最新鋭ワンボックスカー3代目デリカをベースにした乗合車グレースを生産することになり1986年12月より販売を開始した。途中、現代(ヒュンダイ)独自のデザインにアレンジされながらも3代目デリカをベースに生産されグレースは2004年まで生産された。
 今回、紹介するのはグレースの中でも初期の方に生産されたデリカほぼそのままのデザインのタイプ、通称角グレースと呼ばれる個体を2台撮影出来たので紹介したい。

 まずはこの個体。角グレースのガラスバン6人乗りモデル。フロントガーニッシュがあること、HYUNDAIロゴが真ん中にあるので1990年11月から1993年3月までのモデル。角グレースの中では後期のモデルとなる。
 角グレースのバンモデルは当初はデリカと同じようにヘッドライトが角目2灯で生産されたが、1989年のモデルから乗用モデルと同じ角目4灯となっている。日本人からすると「顔はスターワゴンなのに車体はバンモデルなの?」という感覚にもなる。そこが韓国車の面白い所でもあるが。
 車体の色も日本の三菱デリカバンではあまり見られない色、紺色なのも目を引く。日本的なデザインなのに韓国流にアレンジされてる日本由来の韓国車は見ていて興味深いし、似ているようで異なる日韓の文化の違いを見ている気分にもなる。
 この個体は大邱7という一桁の貨物ナンバーで恐らく新車時からのナンバープレートだろう。タイヤも三菱デリカと同じスチールホイールである。

 リア。バンモデルなのでリアワイパーは付いてない。
 日本的なデザインの自動車と韓国の古い建物との組み合わせはずっと見てられる。日本でいう平成初期から韓国の変化を見届けてきたんだなという気分にもなる。

 右下に最大積載量850KGの文字。さらにナンバープレートのハングルの毛筆体のフォントも目を引く。少しでも長く走ってほしいもの。

 最後にもう一台
 先ほどの角グレースと同じくバンモデルだが、こちらは6人乗りパネルバン。日本のデリカバンでも見たことないパネルバンなので前々から角グレースパネルバンは記録したかった。この個体のタイヤホイールは2代目グレンジャーからの流用品。日本の三菱の感覚で言えばデボネアのタイヤホイールを履いたデリカということになる。
 年式は先ほどの角グレースと同じ、1990年11月から1993年3月までの年式だろう。さらに曰くつきの土地の不動車ということらしく、グレースのリアには大人用品(日本語でいうとアダルト用品)の看板が立てられている。
 曰くつきの土地だろうと何だろうと自動車マニアからすると貴重な角グレースパネルバン。一日でも長く残ってほしいものだ。

2023年9月に撮影した起亜コンコード前期型

2023-09-26 23:31:59 | 韓国の自動車
 全斗煥政権下の自動車合理化措置が1987年に解除され起亜自動車でも乗用車を生産できるようになった。合理化措置解除後、フォードフェスティバ・マツダ121ベースのプライドの生産を開始し、好評だったこともあり、それに続き中型車のコンコードを1987年10月より生産することになった。
 コンコードは当時、マツダで生産が終了していたGC型カペラをベースに生産され、大宇ロイヤルや現代ソナタと同クラスの中型車というポジションだったが、これらと比べると室内が狭く感じられたのか、販売面では苦戦したらしい。
 エンジンはマツダで使用していた2.0SOHC Fエンジンを搭載、その後1.8SOHCや2.0DOHC・タクシーモデル用の1.8LPGと2.0ディーゼルエンジンモデルが追加された。
 販売面では苦戦したと書いたが、日本車ベースとあり、性能も良かったのか弁護士・医師・知識人などには愛用されたという話もあり、高速道路の帝王と呼ばれたこともあるらしい。高速道路の帝王と呼ばれるにはマツダ由来の技術が韓国社会で発揮されたということだろう。

 コンコードは1987年から1995年までマイナーチェンジを経ながら販売されたが、今回見掛けたのは1987年から1991年3月までの初期型モデル。コンコードの初期型モデルは滅多に見なくなり、大田1ナンバーという地名表記一桁ナンバーなので貴重な個体である。元となったGCカペラはどちらかと言えば大衆車的な存在だが、起亜コンコードは上位的なポジションの自動車とあってカペラを豪華にしたような外観が特徴である。日本人の自分から見るとどことなくマツダのペルソナと近い雰囲気を感じる。

 リア。管理状態は良いとは言えないが、それでも博物館でも無い所で路上で普通に見られるだけでも奇跡的だと思う。
 リア左側にコンコード2.0と書いてあるから2.0SOHC Fエンジンモデルと思われる。
 リア右側にはDGTのロゴがあるが、これはデジタルメーター付きの意味。デジタルメーターは1988年7月以降のモデルに搭載されたもの。
 運転席ドア左側にはGLXの文字があるが、高感度3段コンポーネントオーディオが付いてるそうで7種類の音色を調整出来るイコライザーまで用意されたらしい。
 韓国の自動車愛好家の方によると1989年7月に登録された車両とのことである。

 序でに2023年7月に日本の大国に来たあの個体の写真を





 
 この個体はAT車。AUTOMATICのロゴ入り。


 
 大国での写真が微妙になってしまったが、令和になって日本で滅多に見れないGCカペラ・韓国でも滅多に見れないコンコード前期型を2台見れるとは奇跡だと思った。どちらの個体も長く走ってほしいものだ。