グレースの自動車・鉄道撮影記

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北海道千歳市 竹田牧場で保存されている「アルファコンチネンタルエクスプレス」を撮影 

2021-11-09 11:00:21 | 鉄道写真

 国鉄末期の1985年に急行型気動車キハ56を改造したリゾート列車。先日乗ったノースレインボーエクスプレスの先輩に当たる。
 毎年、冬になると千歳空港は本州からのスキー客で賑わっていて、国鉄のスキー臨時列車はキハ56系が主力であった。キハ56もけして悪い車両ではないが、この段階で25年前後の車齢で飛行機やホテルと比べると古さが否めない状況だった。国鉄も何かスキーリゾートに相応しい列車を投入したいだろうが財政難なのでそれどころではなかった。
 そこでトマムスキー場のホテルアルファ・トマム、サホロスキー場のコンチネンタルホテルと手を組み、改造費は国鉄負担でホテル側が座席の約80%を国鉄に対して収入保証するというこれまでにない方式が取られた。
 登場後は札幌~トマム・新得のアルファコンチネンタルエクスプレスは勿論、富良野方面のフラノエクスプレスにも使われて好評を博し、アルファコンチネンタルエクスプレス以外にも5本のリゾート列車が北海道に登場した。


 しかし種車の車齢から数えて30年以上は経過していて老朽化が進行していたことから、1994年10月にさよなら運転を行い、後輩のリゾート列車達に後を託した。
 北海道初のリゾート列車ということだからか、先頭車のみJR北海道苗穂工場で留置されていたが、2002年に競売に出され、千歳市の竹田牧場が落札し、2021年現在も竹田牧場にキハ59 2が保存されている。
 今回はその竹田牧場さんに予め電話予約を行い、2021年9月某日、アルファコンチネンタルエクスプレスのキハ59 2を撮らせて頂いた。


 サイド。窓付近の黒色がいいアクセント。




 後ろ側。この貫通扉から車内に入ることが出来る。
 竹田牧場さんがこのアルコンを落札した経緯は、近くを走る石勝線でアルコンが走る姿を見て御家族で「いつか乗ってみたいね。」と話していた。しかし乗らぬままま引退してしまったものの、後年新聞記事で「アルコン」落札の記事が目に留まり、縁を感じて落札に応募したとのこと。
 二番目の落札額だったものの、一番目の落札額の方が辞退し、その結果、竹田牧場さんの所へアルコンが嫁入りすることになった訳。竹田牧場さんの熱い想いがアルコンに伝わったのだろう。


 車内。現役当時の姿ではないものの、ゴールドの枠がアルコンらしさを残しているのでは。
 宿泊所として使う計画もあったが、姉歯事件の影響で耐震強度が足りないので、宿泊施設としては使っていないとのこと。学生の農業体験実習の更衣室に使ったり、JR北海道関係者がこのアルコンで宴会場として使ったりしたらしい。
 

 展望席付近。この座席は元々アルコンの物ではない。それでも昭和末期のバブルな雰囲気は健在。


 アルコンの模型も。


 JR北海道OBの方が寄与してくれた制服。


 話が前後するが、乗降用扉。銅製ドアのままだが、キハ56のドアは元々この色だろうか?




 最後に運転台の写真。先日乗ったノースレインボーもそうだったが、とにかくガラスが大きくバブル期の遊び心や楽しんでもらおうという雰囲気が感じられる。自動車で言えばワンボックスカーのサンルーフに近い感じ。アルコンのデザインは新潟のアルカディア(後の盛岡支社のKenji)や金沢のゆぅトピアにも影響を与えた。

 このアルファコンチネンタルエクスプレスを竹田牧場敷地内で撮影する時は必ず竹田牧場さんに事前に電話で確認をしてください。見学料は大人1000円です。
 それと今回はアルファコンチネンタルエクスプレスを快く見せてくださりありがとうございました。アルファコンチネンタルエクスプレスが永遠と保存されることを願います。
 (アクセスはあつまバス厚真行き「まきばの里」下車。本数は一日3本程度なので注意。)
 
 

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