
1992年に登場したJR北海道のリゾート列車「ノースレインボーエクスプレス」。
1980年代後半から1990年代前半のバブル期にかけて旅行需要が高まったのか、国鉄末期からJR初期の頃に北海道でもリゾート列車が次々と登場し、今回乗った「ノースレインボーエクスプレス」もその一つである。
主に北海道内の行楽臨時列車やスキー臨時列車に使われ、ノースレインボーエクスプレスは青函トンネルを介して本州の秋田まで乗り入れたこともある。(青函トンネル含む津軽海峡線内は電気機関車ED79が牽引)
近年はバブル崩壊と共にリゾート列車の出番も減り、他のリゾート列車も引退し、2021年現在はリゾート列車の中で最後に登場した「ノースレインボーエクスプレス」が残るのみとなった。
個人的にバブル期の北海道の列車に憧れがあり、特に「クリスタルエクスプレス」に乗りたいと思っていたが、なかなか乗るタイミングが合わなくて引退してしまい、気づいたら北海道のリゾート列車は「ノースレインボーエクスプレス」だけになってしまった。
そのような訳でせめて「ノースレインボーエクスプレス」だけでも乗りたいと思い、今シーズンの特急「ニセコ」に使われるとのことで2021年9月某日に乗りに行ってきた。
今回乗るのは函館発札幌行き、復路の方。
札幌から来る往路の列車が終点函館に到着する場面を動画で撮影。
ノースレインボーエクスプレス使用の臨時特急ニセコ号 函館駅に到着

札幌行きの先頭車。紫と言うかラベンダー色?言い忘れてたが、このノースレインボーエクスプレスもキハ183系の仲間で番台は5200番台。この車両が登場した時の北海道の気動車特急はキハ183系が主力なので当然の成り行きと言える。

サイド重視。ハイデッカー構造になっている。

札幌寄りから2両目。水色帯である。

真ん中の車両。黄緑帯。この車両だけ二階建て構造になっており二階は客室で一階はラウンジとなっている。

連結部を何となく撮影。ノースレインボーらしさが表れている虹のロゴ。

函館方から2両目。黄色帯。

札幌行き最後尾車両はピンク帯。

道南いさりび鉄道の「ながまれ号」と一緒に。
ここからは車内の写真が中心。



車内へ入ると尚更、バブルの雰囲気が強く感じる。大きな窓、そして天窓。北海道の雄大な景色を思う存分楽しんでほしいという気概を感じる。
天井のモニターは運転席からの映像が流れてたそうだが、今ではただの飾り物になっている。



車窓から見えた駒ケ岳。この区間は夜行列車で通過したことはあるが、昼間に通過するのは初めて。それだから凄く新鮮に感じる。

森駅に佇むキハ40。この当たり前の風景もいつまで見れるだろうか。

内浦湾、別名噴火湾の景色。周囲に有珠山や駒ケ岳などの火山が見えたことも噴火湾の由来の一つらしい。

ノースレインボーの乗降用扉。
ガラスには

特急「ニセコ」の運転区間や号車案内ステッカーが貼ってあった。

デッキ付近から見た車内の様子。こうして見るとハイデッカー構造なのがよく分かる。

再び、自分の席から撮った写真。



二階建て車両の一階部分のラウンジの写真。結構人が居たのでこのような写真しかありません。悪しからず。

長万部で停車時間があるのでホームへ。ノースレインボーの扉はプラグドア。JR北海道のキハ281系・キハ283系やJR東日本のスーパービュー踊り子もプラグドアを使っていたが、このような列車も徐々に無くなりつつある。プラグドアの鉄道車両は日本では貴重な存在となるだろう。

キハ281系北斗とDF200との並び。

キハ40。

DF200の貨物列車は芋臨と呼ばれる臨時貨物列車だそうで、ジャガイモの収穫時期に運転されているらしい。道理でコンテナの色が統一されている訳だ。

この停止目標か乗車目標か分からないが鳥の絵が描かれたEの印は何だろう?
車内へと戻りまして

天窓から見た空の景色。贅沢な構造の列車から見る景色はやはりいいものだな。

イヤホンジャック。今では使われてないが、かつては音楽が聴けたらしい。何だか飛行機みたい。

荷物置き用の台。

座席にはテーブルが内蔵されていて飲み物も置ける。


「ニセコ号」のメインイベントの一つ。長万部から函館本線のニセコ・倶知安・余市・小樽方面を通り札幌へ向かうこと。
通常、この区間は特急列車は走行しないが、このニセコ号はニセコ・俱知安・余市・小樽など通称、山線を経由して札幌へ向かうのだ。
函館・長万部方面~札幌へのルートは洞爺・東室蘭・苫小牧経由(室蘭本線・千歳線経由)が一般的で距離は小樽経由より長いが、東室蘭経由だと勾配が少なく所要時間も短縮出来るから東室蘭経由が一般的になったらしい。
写真は山線区間の車窓から見えた羊蹄山(通称蝦夷富士)。特急列車から蝦夷富士が見れる機会は滅多に無い。

ニセコ駅の駅名標。

ニセコから倶知安までは地元の観光協会の方による車内販売もあり、特産品のお菓子や飲み物を販売。倶知安ではじゃがいも弁当が販売されていた。
倶知安のじゃがいも弁当は予約制なので予め予約して購入。

じゃがいも弁当の掛け紙。
中身を開けると

お品書き

本場、北海道で食べるジャガイモは栗みたいに少し甘めで美味しい。

最後にデッキから見た車内の写真をもう一度、撮影。

終点、札幌では2022年春に引退予定のキハ283系おおぞらが迎えてくれた。