ケルベロスの基地

三本脚で立つ~思考の経路

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

BABYMETAL探究(「天才は育てられる」考①)

2016-11-28 23:58:19 | babymetal
最新の激熱トピックであるWEMBLEYライヴ映像・音盤に関しては、さまざまなところで皆さん熱く語っているので、屋上屋を架すことはしなくてもいいかな、という感じである。

今日は、さくら学院重音部発足から6年経った記念日なので、せっかくなので、何か記しておきたい。
(たぶん多くの皆さん同様)映像盤の第一形態『LEGEND I,D,Z』を観ながらの書き込みである。
(・・・いや、でも、これもこれでカッコイイなあ、やっぱり。
というか、「美しき異形性」はこの『LEGEND I』がいちばんなのだろう。
あ、でも「いいね!」のSU-METALの「Put Your KITUNE Up!」のスクリームとか、「ドキモ」の「ちょ、待って~、ちょ待って~!」などはやはり最初期、だなあ・・・。
ははは、でも骨バンドの「紅月」で泣いてやんの、俺。ははは。
いや、凄いっす、この時点ですでに、BABYMETALは。
いつだって「予想の斜め上!」を実行し続けてきたのだものなあ)。

僕は、2014年9月からファンになった新参者でしかない。それまでは、BABYMETALのことをリアルタイムでは全く体験してもいず、その存在すら全く知らないまま日々を過ごしていた(ある深夜「メギツネ」PV一発で嵌まった体験は以前ここにも記したことがある)、しかし、映像作品やネットやTVや雑誌等の情報から、彼女たちの過去の様々な逸話を知り、記憶の補完はできているので、「6年で、ここまで来たのか~」という感慨はやはりそれなりに深い。

最近では、「広島のすぅちゃん」という素晴らしいブログに出会い、実に綿密に初期の情報を整理・実証してくれているので、それを見たりしながら、自分の中で、3人の成長ぶりを追いながら楽しんでいるのだ。

で、タイトルの「天才は育てられる」である。
(この「られる」は受身の意味でつけたのであって、可能の意味ではない)。

BABYMETALをめぐる感動の大きな要因のひとつに、「人間ってこんなにも素敵に成長することがあるんだな」という驚嘆がある。

BABYMETALという「奇跡」。
しかし、それはその環境を知れば知るほど「必然」という感もしてくるのだ。

もちろん、「環境」は「天才」のパフォーマンスにとっての十分条件ではないし、必要条件でもないのかもしれない。しかし、BABYMETALとその成長過程を知ると、「環境」と「天才」のパフォーマンスの強い相関関係・相互作用を痛感させられるのだ。

本日購入したばかりで、まだ読み始めなのだが『世界天才紀行』エリック・ワイナーは、(またまた)BABYMETALを考える示唆に富むたいへんたいへん面白い本になりそうだ。

<訳者(関根光宏)あとがき>より。
天才たちはどこからやってくるのか。一説によると、たとえば三歳でヴァイオリンを弾きこなしていたというモーツァルトのように、天才は「生まれつく」。別の説によると、少なくとも一万時間の努力の結果として、天才は「つくられる」。たとえばトーマス・エジソンのように。だがじつは、天才は「(時代や土地に)育てられる」と、本書の著者エリック・ワイナーは考える。

とりわけ、SU-METALの声、という「生まれつき」。
3人の、努力の結果としての「つくられ」。
これはもちろんBABYMETALというモンスターに現在の飛翔能力をもたらしたものだが、そこに欠かせないのが「育てられ」だ。

歴史を振り返ると、天才たちはランダムに現れるのではなく、特定の時代や場所に集中して現れる傾向があることがわかる。(略 いくつかの時代・天才たちが挙げられ)1800年ごろのウィーンでは、ベートーヴェンやハイドン、シューベルト、さらにはモーツァルトが作曲に励んでいた。
では、多くの天才を輩出した時代や土地には、いったい何が隠されているのか。どうしたら天才を生みだせるのか。そうした問いの答えを見つけるべく、ワイナーは世界各地をめぐる旅に出る。


で、まず「6章 ウィーン」を読み始めたのだけれど、あの天才モーツァルトに、いかにウィーンという土地が不可欠だったのか、実に説得力がある。BABYMETALのあるエピソードが実に腑に落ちたのだが、これはまた後日。

今日は、もう一冊『すべての「笑い」はドキュメンタリーである』木村元彦著を紹介しておきたい。
副題が、~『突ガバ』から『漫弁』まで倉本美津留とテレビの34年~である。
BABYMETAL関連でいえば、さくら学院の校長、倉本美津留の評伝である。

(まとめサイトとかでも話題になっているのを目にしたことはないが)全282ページの230ページ目に「ベビーメタル」(カタカナ表記)が出てきたときには、(やはり)涙が滲んできた。
「ああ、こういう人たちに育てられたからBABYMETALはこんな凄いBABYMETALになったのだな」ということが再確認できたのだ。

BABYMETALを抜きにしても、面白い本なので、とくに「笑い」に興味がある方にはぜひ一読をお勧めしたい。

いかに、倉本美津留という人が、「予定調和」「お約束」をぶちこわし、「本当に面白いことって何なのだ?」ということを身体を張って行い続けてきたのかが、その生い立ちから語られる。(唖然・爆笑するエピソード多数です。ぜひお読みください!)
で、224ページ、

新しいこども番組
アミューズの中に、子どもたちの育成を目的としているアミューズメントキッズというセクションがある。サザンオールスターズのマネージメントをしていた千葉信大が音楽から俳優のプロデューサーに転向しこの部署を担当することになった。千葉はこう考えていた。
「アミューズメントキッズの役割は子役の養成ではない。今すぐどうこうではなく、将来的に役者やミュージシャンになりたければその土壌となる場を提供してあげたい。そのために子どもたちが成長を実感して将来に夢を持てる瞬間を作れないだろうか。できれば彼ら、彼女たちがトライアルする瞬間を見せる、もしくはそういうプログラムを提供するような番組を作れるといいのだが・・・」
アミューズキッズの子たちは別に将来タレントにならなくてもいい。学んだあとに自発的に看護婦になりたい、パティシエになりたい、留学したいと言いだしたらそれを応援してやる。アミューズに還元しなくても社会に還元してくれたらそれはこのプロジェクトの成功と考える。だからこそ、子どもたちが多様な価値観を持ってオリジナルな表現に挑戦していく様を描く番組ができたら面白いと思うのだ。千葉は社内の番組スタッフと相談した。須田である。須田はじっくりと企画の意図を聞くと即座に言った。
「千葉さんとこの話がすごく合致する人がひとりいる。ちょっと呼んでみる」
すぐに打ち合わせの現場に倉本がやってきた。


まだ、BABYMETALどころか、さくら学院以前の話だが、しかし、こうした土壌からBABYMETALなどというとんでもなくバカげたものが生まれて来た、ことは間違いない。
経済評論家たちの「ヒットの秘密」的な分析がまったく的外れなのは、こうした文脈の必然性がまったく見えていないから、でもある。

で、「新しい子ども番組」をめぐる逸話が紹介された(ぜひお読みください。「なるほどなあ」と唸るのは必至です)その後で、

千葉は「さくら学院」というアミューズキッズ出身の女の子を中心に組んだユニットを立ち上げると、倉本に「さくら学院」という学校の校長になって欲しいというオファーを出した。倉本は「さくら学院での活動を通じてスーパーレディになる」というコンセプトを打ち出した。中学三年生で強制的に卒業させられるシステムで、それ以降の人生は自由。歌手になっても、女優になっても、モデルになってもいい。もっと言えば、芸能界を引退して、看護婦になっても、政治家になってもいい。さくら学院は各界のスーパーレディを生み出す学校であるのだ
今、世界的に人気のベビーメタルも、このさくら学院の出身である。


ブワッ。
と涙腺が瓦解してしまったのだ。
いや、もちろん情報としては知っていた話ではあるのだが、こうして、倉本美津留という人の半生の中においてみると、また新鮮な感慨を覚えたのだ。
(ちなみに、この本は、2016年6月の発刊である。「今、世界的に人気」と(BABYMETALとは直接的には関係のない)書籍に記されるだけの「事実」を間違いなく今年、作ったのだ)。

「人気投票でたくさん票を獲得して、選抜メンバーに入りたい」といった「ホンネ」に比べて、上記のようなコンセプトは「綺麗事」なのかもしれない。
しかし、それを本気で考え、それに本気で取り組む少女たちがいた(今もいる)こともまた、事実、なのである。

綺麗事」としての「メタル・ダンス・ユニット」。
BABYMETALが僕たちおっさんを泣かせるのは、そんな奇妙奇天烈な(崇高な)コンセプトによって「育てられた」から、でもあるのだ。

「PMC」VOL.4 のインタビューで、SU-METALが「音楽界に名を残せるような、新しいものを作った偉人・・・・・・とまでは言わないですけど(笑)、そういう存在になりたいDEATH!」と語ったことに、「さすが(天然)SU-METALらしい!」なんて思っていたのだが、これはまさに「さくら学院」で「綺麗事」に本気で取り組みながら「育てられた」SU-METALだから出てくる、まさに「育ち」があらわれた発言だったことに、遅まきながら気づいたのであった。

(つづく)







コメント (2)   この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« BABYMETAL探究(『LIVE AT WE... | トップ | BABYMETAL探究(「天才は育て... »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
綺麗ごと (pink)
2016-11-29 23:26:53
綺麗ごと ・・・・ その解釈、いいっすね^^
Unknown (スー)
2016-11-30 01:19:13
貴重な本を紹介いただきありがとうございます、早速ポチッといきました。

>>経済評論家たちの「ヒットの秘密」的な分析がまったく的外れ

私はPerfumeからBABYMETALにたどり着いたのですが、広島~上京(00-03年)辺りからPerfume情報を掘りBABYMETALに至ると、必然的に「さくら学院の綺麗事」にたどり着きます。
「あたらしい子供番組」もwebに残っていた放送5回分は何度も見ました。あれの裏側が知れるとは思いもよりませんでした、本当に楽しみです。

WEMBLEY・・・「ド・キ・ド・キ☆モーニング」ド頭の歓声が一番大きい事に感動して心の汗が止まらない日々ですが、明後日には届きそうな「すべての「笑い」は~」を読んでから続きを拝見したいと思います。

コメントを投稿

babymetal」カテゴリの最新記事