きのう、母の弟夫妻と3人で電車に乗って、駒ヶ根高原美術館に行ってきました。叔父が早めに特急あずさの指定券を取ってくれていたので、実現しました。
叔父夫妻は新宿から特急に乗り、私は八王子から乗りました。快適な電車の旅でしたねー。岡谷で乗り換えて単線の飯田線でゆっくりと時間をかけて(相当かかるワンマン列車)ようやく駒ヶ根についたのは正午近く。おなかも空いたので、タクシーに乗って美術館の近くに食べるところはないかと聞けば、すぐ近くに蕎麦屋があるというのです。早速そこに連れて行ってもらうことにしました。そして入ったのがこの店です。
そういえば、98年に寄贈するために初めて来たときも、この店でお蕎麦をごちそうになったのでしたっけ。
少なそうに見えた光前寺そばは、けっこう量が多く、そして美味でした。蕎麦好きにはたまりませんね!
ペールノエルの焼き菓子を土産に、早速美術館に向かい、正面のガラスに父の絵のチラシが貼ってあるのを発見しました。うれしいです、やはり。
中で入場券を払い、東京から来た旨を伝えて学芸員のNさんにお会いしたいと申し出ると、なんと応対してくれていた女性が当の本人でした。そして3人分を招待券にしてくれて(ありがたい!)、以前寄贈のときにお世話になった副館長に電話をするのですがどうも留守・・・。自由に見させていただきますからとお断りして、私たちはさっそく中を見ることにしました。
一番奥のキャパシティーホールで、父と津野祐次氏の作品が展示されていました。
部屋には出入り口が二つあり、手前から入って向かいの壁は、右側に春の絵が4点(右から、津山城址の桜、塩山桃源郷、鰍沢の富士、あしがくぼ果樹園村)、柱の向こうに、白木蓮、裏耶馬渓、上下に八幡浜千丈と中土A、そしてポスターになった奥多摩B、そして角からはまさに駒ヶ根の風景の木曽駒ケ岳千畳敷、長瀞、平安神宮神苑、鎌ヶ池B、湯ヶ野温泉、妻籠宿Bというように並んでいました。なんと15点も展示してくれていました。感激です。そして3人で父の絵を鑑賞してから、前に来た時はあまりゆっくり見ていなかった常設展示を時間をかけて見て歩きました。確かに、この美術館は現代アート中心で、なかなかすごいものがあります。地元の中学生の感想も貼ってあるのが面白いです。
美術館のあとは、お酒好きの叔父とJA施設の2階の地ビールレストランでと思っていました。タクシーの運転手さんが最初に教えてくれて、美術館からも歩ける距離というので、電車待ちの時間をそこでと考え、歩き出しました。駒ヶ根は、最初に来たときに思ったのですが、まるでムーミン谷のようなところです。山に囲まれて素晴らしい風景なのです。それも、山といっても、私のように高尾の山ではありません。雪が残っている山が両側に見えるなんて、まるでサウンドオブミュージックかムーミン谷!
どうです、すばらしいでしょう!タクシーの運転手さんに聞いたのですが、これだけ雪のある山に囲まれて冬は大変だと思いきや、実は市内ではそんなに雪が積もらないそうです。だったらこういう景色に囲まれて暮らしたいと思いますよね!
そんな風景を見ながら歩き出しましたが、どうもなかなかそれらしい施設がありません。道を間違えたのかと小さなゴルフ場で聞いてみたら、もうちょっとということでほっとしました。
まあ、GWでもいつでも、こうした施設には地ビールがあるとはいえ、皆、車で来るものみたいで、駐車場は車の行列。待たないと入れないみたい。だから、レストランも何組も待ちの状態でした。待つのが嫌いな叔父でなくても、帰りの電車が気になり、心配になりました。それでもレストランのスタッフは東京人から見ればどうも緩慢な動作でもたもたしているように見えるのです。もっとてきぱきさばけばいいのに!と思ってしまいます。相当待たされそうなので、レストランに入るのは諦めて、立ち飲みカウンター(といってもちゃんと椅子があります)で簡単なつまみでビールを飲むことにしました。うるさい子供もいないし、かえっていいかも!?
それにしても、ドライバーにはリボンをつけさせてアルコール禁止の監視を徹底させなくていいのか?と思ってしまいました。サントリーの白州ディスティラリーがそうだったのです。昔からあそこはきちんとしていました。
さて、その立ち飲みカウンターで叔母は地ビールの中グラスひとつ、叔父と私は大と中をそれぞれひとつずつ飲んでしまいました。かなりご機嫌・・・。そして教わったバス停でバスを待つことにしたのですが、教わった時間より早いのに駒ヶ根駅行きのバスがあるというのです。慌てて乗り込み、駅に向かいました。が、駅についたところで、閑散とした商店街に喫茶店らしきものは見つかりません。駅正面のスーパーの店員さんに聞いてみると親切に営業している喫茶店を教えてくれました。それがこの「ムーミンパパ」です。けっこうくつろげるいい店でした。
駒ヶ根の駅周辺、日曜だからでしょうか、なんだか淋しい雰囲気でした。もっともっと活気がある町になってもらいたいと思います。ちょっと前のシャッターが下りている店が多かった八王子商店街みたいです。身につまされるなー。
できるだけ多くの人に絵を見てもらいたいと祈るばかり。どうか、ご近所のみなさん、そしてアルプス登山に行かれる皆さん、ぜひ、駒ヶ根高原美術館に立ち寄って父、小笠原賢雄の風景画をご覧になってくださいませ。