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年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の巨額赤字は、アベノミクスの博打打ちの失敗の一つ

2016年08月07日 00時18分38秒 | 政治経済社会学
2016年6月2日-1
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の巨額赤字は、アベノミクスの博打打ちの失敗の一つ

 外国勢が日本株式に投資するように(日本が米国債を買って)円安にして、株高を誘導する。(アベノミクスなる政策)
 さらに株高になるように、運用枠を変更して、株式に年金資金をつぎ込む。
 損する可能性が高いのを承知で掛けをして失敗した。
 そうして、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF、Government Pension Investment Fund)は、5兆3098億円の赤字という、公的年金の平成27年度の運用実績であった。
 国会で民主党(当時)議員がこの公表の前に巨額赤字を追求していたが、長期には利益を出しているという答弁だった。
 今回の公表は、例年よりも遅く、参院選の後だった。これも、早く公表せよと岡田民進党幹事長が国会で追求していたのだが。


 長期の運用では利益を出しているという説明は嘘だと、2016年8月7日のテレビ番組で或る出演者は述べていたが、その他にも近藤駿介氏は、下記のように東洋経済ONLINEで論じている。


 GPIFが抱える「5.3兆円損失」以上の問題点
 運用資産をめぐる「不透明なお金の流れ」
  「多額の運用損失を生じても「年金財政上求められる運用利回り」は上回っており、年金給付には全く問題はないという主張は、そもそもGPIFにはリスク資産を増やして高い運用利回りを求める必要がなかったということでもある。
〔略〕
そうしたなかで、国内株などリスク資産を増やしたとすれば、それは「株価対策」であったと非難されてもしかたがない。

反対に、国債利回りが「年金財政上求められる運用利回り」を上回るなかでGPIFが基本ポートフォリオの変更によってリスク資産を増やす必要があったのだとすれば、それは「年金財政上求められる運用利回り」では、必要な年金給付を確保できないということを意味するものだ。

つまり、「年金財政上求められる運用利回りを上回っているから大丈夫」という説明を信じれば、GPIFの基本ポートフォリオ変更の謎が深まり、基本ポートフォリオの変更の正当性を信じれば、「年金財政上求められる運用利回り」を上回っているから大丈夫」という説明が信じられなくなるという状況に陥っている。

5兆3000億円に上る運用損失を明らかにした「2017年度業務概況書」は、GPIFの運用資産が政治的に利用されている疑念を抱かせる内容になっている。」
http://toyokeizai.net/articles/-/129758?page=3[受信:2016年8月6日。]


  「GPIF
日本において厚生年金と国民年金の年金積立金を管理・運用する機関。厚生労働省が所管する独立行政法人で、年金給付の財源として年金運用で得た収益を国庫に納めている。2006年に設立され、13年度末の収益率は8.64%、収益額は10兆2207億円、運用資産額は126兆5771億円となっている
〔略〕
  GPIFはこの割合について、安倍政権が狙う株価上昇に同調するかのように、13年6月には国内債券を7%引き下げて60%とし、国内株式、外国債券、外国株式を数%ずつ引き上げている。更に14年6月24日に閣議決定した成長戦略では、年金積立金の運用を早期に見直す方針が盛り込まれ、秋には国内外株式などのリスク資産を増やすという。GPIFが保有する国内株式は、東証1部上場株式の時価総額(5月末)の約5%に相当し、わずか1%の国内株式増加でも、市場には1兆円を超える資金が流れ込むため、市場に与える影響は大きい。そのため、野党などからは「株価対策だ」との批判があり、年金運用に政治が関わることを懸念する声もある。また、実態は株価対策で政府の市場介入であり、リスクは大きく運用損が出ても誰も責任を取らない仕組みだと指摘する識者もある。
(金谷俊秀  ライター / 2014年)」
(知恵蔵2015の解説。https://kotobank.jp/word/GPIF-189812[受信:2016年8月7日。])