空の日誌

設計室「空」のブログ

カイダン話・・

2016-11-28 17:01:21 | 日記
冬なのに
怪談話はないでしょうって?

はい、そうなんです
カイダンと言っても
階段(ステップ)の話でありまして
この階段の各部分の寸法、
けっこう悩みどころなんでありますヨ。

先日お話した
「高津秀太郎美術館」の
石垣沿いの石段の蹴上げ(ケアゲ)と
踏み面(フミヅラ)寸法についての
悩みなんです。

蹴上げは一段の高さ、
踏み面は一段の奥行きですが、
上りやすい階段の一般解としては
蹴上げ×2+踏み面=60~65cm
あたりが良いとされています。

しかし、階段を設ける場所の(空間の)
制約で、思った通りにはいきませんでして、
「高津美術館」の場合
階段全体の長さに限度があるので
踏み面を大きくすると
段数が減って上り切れません。

施工をお願いした
川中島建設の久米田さんから、
「蹴上げ21cmで踏み面30cmでどうでしょう?」
と言われ、一般解からあまりに
かけ離れてしまうので
心配になって、実際の階段(石段)を
見に出かけました。

でもね、外に出たら
結構寒い!
しかし、引き返すのも癪なので
善光寺に向かって
ずんずん歩いていきました。

すると、いろいろわかってきました。

最近の公園などの石段は
確かに蹴上げ16cm
踏み面30cmほどでしたが、
善光寺の仁王門手前の石段は
蹴上げ20cm踏み面30cm、
(高津美術館に近い)
本堂の木製の階段にいたっては
蹴上げ24cm踏み面34cmもあって
一般解からとんでもなく
外れていました。

なんだ!善光寺は
まったく人間工学に基づいていないのか!!
はたまた昔の人は小さいくせに股が広かったのか??

う~ん
私の結論は
お寺の参道としての石段は、むしろ
人間工学的な上りやすさをはずして
(そんな考え自体がなかったでしょうが・・)
かえって上り辛くしたところがミソで、
一段一段よっこらしょと踏みしめて
上がることに意味があるのでは・・との
答えに達しました。

それなら、先ほどの久米田さんからの答えでも
悪くはない!
というか、
制約上そのあたりで
納得するしかないしね。

・・とまあ、そんな話を
したり顔でNさんに話したら、
「そんなの当然じゃやないの、
え?寸法までは知らないだろうって?
そんなのプロが知ってりゃいいのよ!」だって・・。

あ~、プロは辛いよ・・。

皆さんも自宅の階段測ってみてね。

写真は本題とまったく関係の無い
長野市のシネコン「グランドシネマズ」ホールに
飾られたクリスマスツリー(高さ3.5m)おっき~!
私もお手伝いしたので見に来てね。






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