
写真=全国一般全国協東京協議会と東京労働局との交渉
「偽装みなし労働」「偽装管理職」の撲滅を東京労働局に要請
私たち全国一般東京東部労組が所属する全国一般全国協東京協議会と、都内の労働基準監督署やハローワークの上部機関である東京労働局との交渉が3月24日、東京労働局内で開かれました。
私たちは旅行業界による添乗員への「偽装事業場外みなし労働」と、紳士服のコナカなどによる店長への「偽装管理監督者」問題を取り上げ、国として違法企業に対し厳しく対応するよう求めました。
この日の交渉には東部労組、全国一般東京南部、全国一般東京労組から約30人が参加しました。東部労組からはHTS(阪急トラベルサポート)支部の大島組合員をはじめ現役添乗員も3人出席しました。
組合側は、一昨年に旅行綜研やクラブツーリズムなどに、昨年は阪急トラベルサポートと阪急交通社に対して、それぞれ労基署が「みなし労働ではないので残業代を払いなさい」との是正勧告指導を出しているにもかかわらず、いまだに是正が実現していないことを問いただしました。
大島組合員は「労働時間が1日18時間を超える日もある。それだけ働いても何の手当もつかない。みなし労働が私たち添乗員に当てはまらないのは明らかだ」と主張。別の添乗員たちも「添乗員は都合のよい『何でも屋』状態だ」「仕事は増えているのに賃金は低くなる一方だ」などと訴えました。
労働局側は「是正勧告を出した企業には是正するよう繰り返し指導したい。労基署の署長が判断すれば司法処分もあり得る」と回答。添乗員には「みなし労働」が該当しないとの通達を出すかどうかは「添乗員さんの言葉を真摯に受け止めて検討したい」と述べました。また、雇用保険未加入や労基法違反などを続けている旅行会社にはハローワークでの求人をストップするとの考えも明らかにしました。
「偽装管理職」問題をめぐっては、コナカなど違法企業に対する労基署の「弱腰」の姿勢を厳しく追及しました。昨年6月にはコナカに労基署が是正指導を出したものの、裁判を起こした東部労組コナカ支部の組合員以外には店長に1円も残業代が支払われていないままだと指摘しました。
労働局側は「管理監督者扱いは法律と行政通達を厳格に適用していく。この問題については本省(厚生労働省)からの指示があり、来年度は新たな計画を立てて適切な指導を企業に行っていく」と回答しました。
3月14日の国会予算委員会では、舛添要一・厚生労働大臣が「実態に即していない、まさに名ばかり管理職というようなことは労基署による監督指導をしっかり行って労基法を厳守させる形で対処する」とはっきり答弁しています。
コナカをはじめ全国の店長のみなさん、今回の労働局の回答や大臣の発言を実行に移させ、「偽装管理職」「名ばかり管理職」を職場から一掃しましょう。
3月31日(月) 午後10時~10時49分 総合テレビ
http://www.nhk.or.jp/special/onair/080331.html
「悲鳴を上げる“名ばかり管理職”の実態に迫るとともに、摘発を受けてとまどう企業にも密着。全国の管理職に対するアンケートも通じて、“名ばかり管理職”の問題を多角的に検証する」
私たちのコナカ支部やマクドナルドなどの勇気ある労働者の闘いとそれを支える全国の心ある人々の運動は、今、世の中全体で「名ばかり管理職」を考えるところまできました。
第一の感想は、参加できてよかったと思いました。
ブログに記載通り、私たち添乗員も発言する機会を与えてもらえ、今の現状を訴える事ができました。私たち添乗員当人からの声を受けてもらうことは、今後のステップに繋がるひとつのきっかけになった気がします。
組合の方々が、私たち添乗員やコナカ、その他全国の労働者の方々の為に熱く発言や抗議して下さった姿にも改めて感動でした。
またこのような機会がありましたら、私たちのような多くの当事者から発言をあげていければと思います。
タイトルは<一国一城の主とは名ばかり……悲惨すぎる「店長」という仕事の実態に迫る>です。
一部を抜粋します。
「現代のタコ部屋か、はたまた合法的奴隷制度か。コンビニやファストフード店、チェーン店の『名ばかり店長』ほどつらいものはない。コナカやマクドナルドの訴訟で現実の一端は知られるようになったが、いやはやここまで酷いとは。文字通りの使い捨てだ。(略)責任だけ押しつけられ、残業代は支払われない。身も心もボロボロ、私生活もボロボロ、そして家族はバラバラ。過労によって死んだり、病気になったりする人が後を絶たない。しかも、名目上はオーナーや店長であることを理由に、本部側が責任をとらないことも多い。倒れた店長たちは、死んでも死にきれない思いだろう」