「10分未満の労働時間切り捨て」=「10分未満の労働に対する賃金不払い」は労基法違反
「不払いはない」との会社主張 認められず
東部労組市進支部は市進学院における残業代の不払い等の労働基準法違反につき7月16日、申告者である組合員の職場所轄である柏労働基準監督署に是正指導を求める申告を行いました。これに対し12月11日、柏労基署は(株)市進に対し、是正勧告書と指導票を交付しました。市進の労基法違反を認定し、その是正を求める行政指導です。
是正勧告書によって指摘された違反事項は労基法24条(賃金の全額払い)・37条(残業代の支払い)違反です。
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平成25年12月11日
株式会社市進
代表取締役社長 土坂 恭司 殿
柏労働基準監督署 監督官
是正勧告書
・違反事項
労働者並木創一、安田晋に対する平成23年11月1日以降の賃金
について全額を支払っていないこと。
・法条項等
労基法第24条(労基法第37条)
・是正期日
平成26年2月10日
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※ 上記是正勧告書の内容は12月24日、市進支部が柏労基署を訪問し聞き取ったものです。指導票についても同様です。
この是正勧告書における法違反の内容が指導票で指摘され、市進は改善を求められました。指導票の該当部分を紹介します。
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指導事項
1.賃金の全額支払いについて
賃金は労働の対償として全額支払うことが労働基準法によって義務付けられています。貴社においては、所定労働時間を超える労働について10分単位の時間の把握を行っており、賃金の支払に反映されていない労働が生じる結果となっております(10分未満の労働時間の端数について賃金支払に反映されていない状況にあります)。10分未満の労働時間の端数を適正に把握し、その把握に基づいた賃金支払を行うよう改善措置を講じてください。改善措置を講じるにあたっては、昭和63年3月14日基発第150号を参考にしてください。また、10分未満の労働時間の端数を賃金支払に反映していない不足分については、過去2年間に遡及して再計算を行い、支払措置を講じてください。
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上記指導票の該当部分が指摘しているように、市進学院では労働時間(残業時間)のカウントが「10分単位」となっています。これにより、例えば4分間の労働を行ったとしてもその4分間は切り捨てられてしまうのです。「切り捨て」一方で「切り上げ」や「四捨五入」はありません。つまり、10分未満の労働に対する賃金が不払いとなって累積しているのです。
市進支部は会社との団体交渉でこの点を指摘し、労基法違反であるので改めるよう求めてきました。しかし会社の対応は「不払いはない」というものだったため、やむを得ず7月、柏労基署への申告を行ったのです。今回、「不払いはない」との会社の認識が間違いであったことが証明されました。会社は労基法違反を行っていたのです。
その他、指導票では市進支部が指摘し会社に改善を求めている事項が盛り込まれています。
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2.時間外・休日労働に関する労使協定の締結について
労使協定の締結当事者たる労働者代表を選任するにあたっては、労働者の過半数が当該者の選任を支持していることが明確になる民主的な手続きが必要とされています。当該選任にあたって使用者側が関与することによって民主的な手続きの是非が疑われるおそれがありますので、選任方法について検証を行い、必要な改善措置を検討してください。
3.就業規則の周知について
就業規則の内容を広く労働者が理解することにより、円滑な労使関係を構築することが期待できます。現在の周知方法について検証を行い、必要な改善措置を検討してください。
4.休憩時間の生徒対応等について
休憩時間の生徒対応等の問題に関し、休憩時間が適切に確保されているか、休憩時間における時間外労働の把握、手当の支給が適切に行われているかについて調査・確認を行い、問題が認められた場合は改善対策等を取られるようお願いします。
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有名企業であれば、それに応じた社会的責任があります。また、コンプライアンス(法令遵守)の徹底が求められます。
(株)市進はただちに柏労基署の是正勧告・指導に従うべきです!
市進は労基法違反を改め、労働者に謝罪せよ!
不払い賃金をただちに支払え!
付加金も求めてください。
総会の際は、是非とも宜しくお願いいたします。
これだけ悪質なんおに、書類送検されないのが、不思議でなりません。