たまたま見かけた、目をひくバイクシリーズ。
異形の250スクーター、ホンダのFAZE
デザインが奇抜すぎるせいかあまり販売はふるわないようですが、私は結構好きなんです。
装備が増えて大型重量化する250スクーターの中にあって、コンパクトで軽快感重視の方向性がいいんですよね。
ヘルメットは一つしか入らないけどそれはTMAXでも同じですし、それで別に困っていませんし。
街乗りが多いので、こういう取り回しよくキビキビ走れそうなバイクは好みです。
さて5月にやってきたTMX530ですが、半年点検の連絡がきましたのでショップに持ち込んできました。
5ヶ月で走行は3900kmちょっと。
これまでの2台のTMAXは大体月に1000km強のペースで走っていましたので、ちょっと伸びが控えめです。
今回は意識的にアドレスを多用するようにしていたのですが、その結果が目に見えて出ている感じです。
アドレスに割と乗るようにしているのは、多少なりともTMAXが長持ちするようにです。
うちの子達が今は小4と小2。
職場の諸先輩方から「これから教育費とか、かかるよ~」などのご意見を多々聞かされるため、今あるクルマやバイクは出来るだけ長持ちさせましょうということですね。
ロードスターは7年モノですがじっくり長く乗るつもりですし、TMAXとエスティマは買ったばかりですので、まだまだ大丈夫。
アドレスは買い換えたとしても、そんなに大きな金額にはなりませんのでね。
せっかく買ったTMAXにあまり乗らないのもなんですが、走りすぎで消耗が早いのもちょっと勿体ないということで。
控えめにしていても通勤に使いますので、それなりに乗りますしね。
とりあえず、点検については問題なしでした。
点検に出すと、洗車してもらえるのがちょっとうれしい。
そういえばまだ、一回も自分では洗車したことなかったな・・・。
一晩預けていたので、その間は代車を貸してもらっていました。
今回はホンダのDio110でした。
110ccは、やはりアドレスに比べてちょっと非力かなと感じました。
でも結構、走っていて軽快感はありましたね。
このタイヤのおかげでしょうか。
このサイズのスクーターに前後14インチは、見た目ですごく大きく感じますね。
最近のスクーターの割りに、タイヤ幅はかなり細いし。
PCXもそうですし、CB1100も現代のリッターバイクの割りにすごくタイヤが細い。
最近のホンダの方針なのかな?
さて、話は転じて。
ここからはちょっとオタク話です。
先日、新海誠監督作品のアニメーション映画をいくつか視聴し、そのうち「ほしのこえ」と「雲のむこう、約束の場所」の小説版を読みました。
それに続き、2007年作品の「秒速5センチメートル」の小説版も読んでみました。
映画をはじめこの作品関連全般的に、世間での評判通りとても良かったので、珍しく物語の概要と軽い感想などを書いてみます。
私のブログを見てくださっている方の多くは、未視聴でも今後も見られることはないだろうとは思うのですが、以下よりちょっとネタバレ含みますのでご注意を。
「秒速5センチメートル」という作品は、ストーリーが全三話の短編の連作形式になっていて、内容は単純に言えば遠野貴樹(タカキ)と篠原明里(アカリ)という少年少女(後に大人)の恋愛物語です。
第一話「桜花抄」
物語は貴樹視点で語られます。
内容をざっと書いてみます。
それぞれ長野と静岡から東京へ転校してきた二人(貴樹と明里)が小4で出会い、お互いに支え合ううちに恋に落ちます。
そして同じ私立中に上がる約束をし、合格して喜び合っていますが、小学卒業時に明里が栃木へ引っ越す事になってしまいます。
そのショックのため少し関係がギクシャクし、お互いに気まずい思いを抱えたまま卒業式で別れ、お互い別の土地で中学生活が始まります。
やがて夏が過ぎた頃から文通での付き合いが再開しますが、中学1年の終わりに今度は貴樹が鹿児島県へ引っ越す事になってしまいます。
栃木と鹿児島という子供にとってあまりにも大きな距離に、「いま会わなければ、もう二度と会えないかもしれない」と考えた二人は、3月のある日に栃木の明里の住む街の駅で会う約束をします。
当日、学校が終わった後に電車で栃木へ向かう貴樹。
しかしその日は滅多にないような豪雪に見舞われ、電車は長時間の停車を繰り返し、約束の午後7時を大幅に過ぎてしまいます。
疲労、空腹と焦りや不安に苛まれながらも「僕を待たずに家に帰っていて欲しい」と強く願いながら、夜の11時をまわってようやく栃木の岩舟駅にたどり着いた貴樹が目にしたのは、一人ポツンと待合室にいる明里の姿でした。
その後、電車もなくなり東京へ帰れなくなったため、貴樹と明里は一晩一緒に過ごし、早朝に駅で別れるシーンで第一話は終了します。
ここまでで映画全編の約半分。
この第1話は、公開前に事前ネット配信されていたようです。
ここからはアッサリいきます。
第二話「コスモナウト」
桜花抄のラストから数年後。
貴樹は中学二年から鹿児島県の種子島へ転居し、この時点で高校3年生になっています。
物語は貴樹の種子島での同級生、澄田花苗(カナエ)という少女の視点で語られます。
この花苗は中二で転校してきた貴樹に一目惚れしており、成績優秀な彼を追って必死に勉強し同じ高校に進み、毎日帰りが同じタイミングになるようにしたりと、健気な片思いをしています。
一方で貴樹は花苗に対してとても優しいけれど、恋愛対象としては見ていない様子。
常にどこか遠くへ行きたそうな雰囲気があり、時折どこかの誰かにメールしています。
結局、卒業まで自分の気持ちを貴樹へ伝える事はできず、花苗の恋が終わるところで第二話は終了します。
貴樹と明里に関してはこの頃より数年前の時点で、既に手紙のやりとりどころか恋心すら消え失せてしまっている事がうかがえます。
第三話「秒速5センチメートル」
第二話から約10年後で、貴樹と明里が栃木の駅で別れてから約15年後。
主に貴樹の視点、少し明里の視点で語られます。
貴樹は東京の大学から就職し、更にその会社をやめてしまっています。
少し精神を病んでいる印象。
3年ほどつきあっていたらしい水野理紗という女性から時折メールが来るも、返信すらしようとしません。
一方で明里は他の男性と結婚し、東京での新婚生活に入っている状況です。
最後のシーン。
小学5年から6年に上がる春のある日に二人で桜に感動し「来年もまた一緒に桜を見られたらいいね」と約束した踏切に、偶然二人は向かいます。
警告音が鳴る中、踏切中央ですれ違う二人。
踏切の反対側でも明里が振り返ろうとする素振りが見えますが、往復2台の電車に視線を遮られます。
ようやく電車が過ぎ去った後、踏切の向こうの明里は既に姿を消しています。
それを見た貴樹は、なぜか優しく穏やかな笑顔を見せて歩き出す、というところで映画は終了します。
とにかく映像が綺麗な映画です。
音楽もいい。
少年少女の素直で純粋な恋愛はとても感動的。
見終わった瞬間、かなり胸にこみ上げてくるものがありました。
雰囲気を見るだけでも価値のあるアニメーション映画だと思いますし、実際にロングランヒットし、海外でも評価は高いようです。
でも一方で、ストーリーだけ取り出してみたら、
「なんだ、これ?」
と思わないでもありません。
というのは、主人公二人の恋愛という点だけで見たら、すごく強い気持ちで結ばれていた二人の気持ちは数年であっさり色褪せてしまっている。
でも男の方は微妙に気持ちを引きずっていて、しかも心を少し病んでいる。
一方で、女性の方はサッパリ忘れて別の相手と結婚し、幸せに過ごしてる。
15年ぶりに出会っても、女性側は振り返りもせずにさっさと行ってしまった、ということになりますもんね。
一般的に、男性は過去の恋愛を引きずる傾向があるが、女性は割り切りが早いとよく言いますが、そのまんまやんって(笑)
ネットで色々と感想を見てみると「とても良かった」という声が多い一方で、「鬱になった・・・」というのも多いのがうなずけます。
特に男性から「落ち込んだ」系の感想が多いようです。
ストーリーの表層だけ追えばそうなりますが、実際の映像から受ける印象は当然ながらそんなものではなく、うまく言葉で説明できない感動があるんですけどね。
そのあたりのモヤモヤした感じが小説版を読むことで霧散し、スッキリすることができます。
新海監督自身が書いた「小説・秒速5センチメートル」
映画と同じく、
桜花抄:貴樹視点
コスモナウト:花苗視点
秒速5センチメートル:二人視点
という構成で、映画では最も短かった第三部が、かなりしっかり書き込まれています。
映像に比べて、得られる情報量の圧倒的な多さが小説のいいところですね。
映像では何となく感じるだけだった登場人物達の心理面が、言葉でしっかり表現されているため、映画でもどかしかった部分が補完できます。
最後に明里が振り返らなかったのに貴樹がなぜ吹っ切れたような笑みを浮かべる事ができたのかなど、小説を読んでようやく理解出来たことで、この物語がやはりハッピーエンドの一つの形なのだと理解できました。
そしてもう一冊。
新海監督の他の作品「ほしのこえ」や「雲のむこう、約束の場所」のノベライズも書かれている加納新太氏によるもうひとつの小説版「秒速5センチメートル one more side」
一話二話をそれぞれ、
桜花抄:明里視点
コスモナウト:貴樹視点
に変え、更に三話も、お互いの心理面をより深く書き込んだ内容になっています。
まず第一話は、明里が大人になってから小学時代を振り返って書いた文章という体裁をとっています。
とりあえずこの時点でかなりの男性読者は、「ああ、明里は決して貴樹のことを忘れ去ったわけじゃなかったんだ」と救われたような気持ちになるのではないでしょうか(笑)
そして、この少女時代の明里視点が実に素晴らしかった。
明里が貴樹と出会い、恋愛感情を抱いていく過程が、ものすごい説得力を持った表現で書かれています。
コスモナウト以降も、とにかく全編にわたって心理描写が細かく丁寧に書き込まれています。
この手の映像作品は、登場人物の心理部分の解釈が視聴者に委ねられるため、見る人の数だけ答えがあるというのも楽しみだと思いますし、この本ほどに作者側から提示されてしまうと読者個々が解釈していく可能性をなくしてしまうという欠点もあるとは思います。
でも私の読後感としては、その提示された心理描写が「そういうことだったのか」と非常に納得のいくものだったので、やはり読んでよかったと思います。
いずれも映画とは逆で、第三話が一番ボリュームがありますし、できれば映像の方もそうしてほしかったという思いは残りましたが。
でもそれだと小説版での感動が少なくなりそうなので、やっぱりこれでよかったのかもしれませんね。
ということで、上の2冊が今年の127、128冊目です。
あと、「秒速」に関しては、こういうのもあります。
清家雪子という人によるコミカライズ版。
これも秒速ファンの間では、かなり評価の高い作品になっているようです。
まあ、あまり小説を読まない人が「コミックならなんとか読んでみようか」というパターンが多いだけかもしれないですが。
でもそれを差し引いて考えても、絵の好き嫌いはともかく(私は好きですが)、内容の出来はかなりいいと思います。
あとコミカライズ版のみのエピソードとして、エピローグ部分に「種子島の少女」澄田花苗のその後が描かれているのもうれしい。
そこは賛否両論あって、「蛇足だ」という意見もあるようですが、私はとてもよかったと思います。
最後に動画を一本ご紹介。
シンガー、山崎まさよし氏の1997年の大ヒット曲「One more time, One more chance」という曲があり、この映画のテーマ曲としてそのメロディが全編にわたって使われ、エンディングではそのまま歌が流れています。
歌詞の内容やメロディが、映画と非常に合っています。
元々、新海監督が「この曲いいな」と思って映画のプロットを考えたという経緯らしいので、よくマッチしていて当たり前かもしれないですが。
この映画自体が、この曲の壮大なプロモーションビデオという冗談もあるくらいで(笑)
YouTubeに、おそらくこの映画ディスクの特典らしい、One more time, One more chanceと映画映像のカップリング動画がありましたので。
この曲がお好きな方や、「秒速」の映像に興味のある方は御覧ください。
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YouTube: HD 高画質 秒速5センチメートル One More Time, One More Chance 5cm per second 1920x1080p
最後に余談ですが、第1話桜花抄で、大雪に見舞われた日に貴樹と明里の再会の場所となっているのが、栃木県にある岩舟という駅です。
栃木へ出張する直前に栃木が舞台の映画を見るとは、これは「聖地巡礼」しろという神のお告げか?と思ってしまいました(笑)
ということで宇都宮への往路の東北道を途中下車し、ちょっとだけ寄り道してきました。
なんてことない田舎の駅なんですが、ドライブのネタになるならなんでも美味しくいただいておきます。
でも、第二話の種子島はさすがに無理かな。
妻がHAYABUSAや宇宙兄弟にはまっていて、種子島の宇宙センターに行きたいみたいですので、家族旅行にするという手がありますが(^^)