中野系

この銀河系の中心、中野で考えること

俺たちは天使だ!

2005年06月14日 | DVD
沖雅也(CAP)、柴田恭平(ダーツ)、渡辺篤史(ナビ)、神田正輝(ジュン)、多岐川裕美(ユーコ)の5名による麻生探偵事務所。夢の月収200万を目指し、奇妙な依頼を次々と引き受けるも、毎回あと一歩のところで大金を逃してしまう。それでもめげず「運が悪けりゃ死ぬだけさ」を合言葉に70年代の街を駆け巡る探偵(天使)たち。

基本的にコメディタッチの探偵もの。何年か前、オースティンパワーズをきっかけに「おバカ」という言葉がはやったが、あれに近い感覚のコメディ。誇張した馬鹿さ加減、というのは日本人には難しいスタイルだと思うが、この番組ではそれが不自然にならず素直に笑えるつくりになっている。これはひとえに主演、沖雅也という圧倒的な存在感のたまもの。

最近のブームでいろいろなドラマ、映画がリメークされているが、個人的にもっともそれを望むと度同時に作っても失敗するだろう、と思うのがこのドラマ。キザで頼りがいあるが、どこか間の抜けたリーダー。当時まだ27歳!という若さで演じきっていた沖雅也。外車(カマロ)を乗り回し、蝶ネクタイにジャケット。いま、こんな役を演じることのできる俳優、いるだろうか?
その意味では、松田優作の「探偵物語」もまったく同じ。この二つのドラマだけは「そっとこのまま」にしておいて欲しい気がする。

放映は高度経済成長とバブル経済の狭間、70年代末(1979年)。ドラマの大半は街でのロケが中心。街の風景、通行人の服装。これらを眺めているだけでも楽しい。
探偵ものゆえしばしば札束が登場するが、この時の一万円札は聖徳太子。そう、あれからすでに紙幣は2度も変わっているのだ。街を走る車はドアミラーでなくフェンダーミラー(沖のカマロだけはドアミラー。外車は例外扱いだったのだろうか)。既に主演の沖雅也、下川辰平、番組予告ナレーションの山田康夫の3名は他界。ああ、70年代は遠くなりにけり。

出演者は「太陽にほえろ」との重複が多く、その点も特定世代には楽しいところ。「デンカ」小野寺昭、「長さん」下川辰平、「テキサス」勝野洋、「ドック」神田正輝、そして「スコッチ」沖雅也(それにしてもあのドラマのあだなはすごいな)。

あと、これがドラマデビューの石田純一(第8話。変なパーマ)、当時まだ10代の浅野温子(第2話。顔ぱんぱん!)もゲスト出演しているのでこの点も注目。

SHOGUNによる主題歌「男達のメロディ」をバックに街を駆け抜けた天使達。先日、ふとしたことで国会議事堂近く歩いた時、心の中にこのメロディが浮かんできた。「運が悪けりゃ死ぬだけさ」は私の好きな言葉のひとつ(この春、独立するか迷った時に浮かんだのもこの言葉)。

昔から一度食べてみたいと思っていた「アジサンド」。これだけは未だ実現できていない…

★★★★