翌日朝、3年12組の教室前でキム・チョルは立ち尽くしていた。
教室からは「昨日ありえないことが」「俺も見た」という声が聞こえている。
思わず溜息が出た。
何の話題で盛り上がっているかなんて、容易に想像がつく。
[翌日、学校では大魔王が○○
意を決して教室へと入るチョル。
思った通り、一人の男子生徒が昨日のチョルの様子を話している所だった。
「俺ずっと傍で見てたんだって!マジでウソじゃねーからな?!大魔王が・・」
「うるせぇ」
チョルのそのたった一言が教室を静寂の海にしたことなど知る由もないミエは、
今日も元気に登校だ。セーフ!
「ヤッ!」
何この気まずい空気
ではここで、キム・チョルの持つ伝説をおさらいしてみよう。
<大魔王の伝説>
見えませんが後6名います
[高句麗中最強のガク・テウクを倒した]
バチバチッ
「だ、大魔王・・!」
その主人公とキム・チョルの共通点はかなりあった。
「キムチョル・・いや大魔王がさー」「呼ぶなよ・・」
<目撃者の証言>
昨日キム・チョルが高校生を追い払った事件ー・・。
その目撃者は語る。
「それで高校生達がキム・チョルを邪魔して何度も誘うんだけど、」
「「行かねぇ」って言って大魔王は帰ろうとするわけ。
マジで返事できる空気じゃない感じ」
「高校生達はどうしようかって互いの顔色窺って」
「そんで何事も無かったかのように走って逃げてったんだよ」
「え、マジ?」「嘘じゃねーって」
「タメ口だったって」「そもそもなんで高校生が中学に来るんだよ」
その日はどこに行っても、誰かがその事件の噂をしていた。
廊下でも、教室でも。男でも、女でも。
「問題起こさないって言ったのに」「いつか事件起こすんじゃない?」
彼の過去が記された、傷のある右目。
「こえー」
「まだその話か」とチソンが隣で呟くのを、ミエは静かに聞いている。
<取り調べ>
その噂は、ついに学年主任の教師の耳にまで届いたようだ。
「昨日の奴らはお前の友達か?お前が呼んだのか?」
「違います」
「引き続き見張ってるからな?」
キム・チョルが注意されているのを、お手伝い中のファン・ミエ は目撃した。
チョルはちらりとこちらを見たが、すぐに視線と身体を戻す。
[なんで何度も盗み聞きしてしまうのか]
知りたくないのに知ってしまい、気にしたくないのに気にしてしまう。
二人の関係は複雑だ・・。
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第九話②でした。
やっぱり噂になりましたね〜。
そして久々に出てきた「となりの初恋はランキング1位!?」
どんな話か気になるww
あと、第九話の扉絵はこちら!
ドラゴンが守ってる城と、ミエちゃんが持ってる盾には「B」の文字が。
これは後々関係してくるので、乞うご期待です
第九話③に続きます