<今なんて言った?>
ミエは怒りモードのまま、ファン家は夕食である。
「ファン・ミエ !豆も食べなさい!ナムルもね」
「いっぱい食べろよミエ、すぐに背も伸びるさ」
ミエはご飯をもりもり食べながら、もう一度心の中で繰り返した。
[キム・チョル、あいつはただの変な奴]
スニーカーをスリッパみたいに履いといて、ハイ捨てろって?
お金は大事だってことすら知らない奴
高価なスニーカーを「捨てて」といとも簡単に言ったチョルのことを、
ミエはどうしても許せなかった。
そんな母の言葉すら浮かんでくるようだ。
すると、両親がチョルについての話題を振って来た。
「アンタ、チョルくんと席隣同士なんだって?」「あの子は勉強熱心だろう?」「いつ知っ・・」
「アンタも見習いなさいよ!勉強本気で頑張ってるって言えるの?」
「!!」
「チョル君を見なさい!しっかりしてるわ勉強は頑張るわ優しいわ!」
母のそんな言葉に、ミエのイライラは加速する。
「やってるよ!やってるってば!お母さんに何が分かるの?!」
騒々しい夕食に、ワンワンとムンクが吠えた。
いつだって「チョルとミエ」で割りを食うのはミエだ。
<もう我慢できない>
部屋に戻ってからも、当然怒りがおさまるわけはない。
[勉強熱心だったら優しいって?]
[まぁ、そんなことは重要じゃない]
ミエはまず、敵を知ろうとすることにしたらしい。
大魔王、ミエ。
リビングの方で父が新聞を探してるっぽいが、まぁいいだろう。
スッ
鷲バサァ
ケンッ
ガランッ
一発でゴミ箱に入ったそれを見て、ミエは一人ガッツポーズを決める。
これは悪い奴への制裁だから!yessss!
そう言ってククク・・と笑っていた時、ふと後ろに視線を感じた。
「・・・」
ムンクが吠えもせず、ただこちらを見ている。
「何?ムンク!何してんの?何見てんのよ」
そう言ってムンクの口元を見た途端、思わずミエはその場で叫んだ。
「ぎゃーーーっ!!そのくわえてんの何?!」
家中ドタバタしたその結果・・↓
+)上手に捕獲しました
実のところ虫には強いミエだった・・。
<あいつ発見>
虫退治の後、ミエはいつものように双眼鏡を手にした。
空を見上げようとすると、地面に”あいつ”を発見する。
「!」
「・・・」
<よく考えてたところで>
月の綺麗な夜だ。
ミエは小学校の校庭に移動していた。
思い出すとムカつくけれど、思い出さずにはいられない。
”知り合いヅラすんじゃねーぞ”
「知り合いヅラ〜〜〜〜すんなし〜〜〜〜」
「嫌んなるわ!ぜーんぶ!キャハハ!ウケるっつの!」
趣味の縄跳びを跳びながら、ミエはそのムカムカを全てにぶつけていた。
「もう消えろ!願い叶うなんて嘘だし!」
「信じてた私がバカなんだし!」
夜の町に、ミエの叫びが響き渡る。
あれほど数えていた飛行機も、誰も願いなんて叶えてくれない。
複雑な胸の内を抱えながら、ミエは縄跳びを跳び続けた。
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第七話③でした。
ム、ムンク・・!
犬ってG捕まえるんですね・・
前にミエがゴミ捨て場でムンクに「アンタ最近虫とか捕まえて・・」って
言ってたのも伏線とか・・ さすがスンキ様です
しかしチョルくんの靴、ミエちゃんが履くとデカいですね〜〜
一体何センチなんでしょう・・
第七話④に続きます