「あ・・・」
高校生は中学生に見下ろされながら、その場から動けずにいた。
「その・・」と口ごもりながら、ただその威圧感に圧倒されている。
「あ?」
チョルは歯を食い縛り、こう言った。
[クソッー・・]
隣の席のミエに言ったのも含めれば、今日2回目のそれだった。
<一方ファン・ミエは計算中>
ファン・ミエは友人達と一緒に帰路を歩いていた。
「明日のカラオケ、5組と10組の子達までみんな来るって」
「新しいとこでオッケー?」
「ファン・ミエ 、また突然抜けないでよ」 「抜けないよ?」
「あ、チヘの誕生日ケーキ買うから先にお金ちょうだい。思い出したついで
明日学校でもらってもいいけどアンタ忘れるからさ。他の子からは塾でもらうから」
「ん、わかった」
そう言ってミエはガサゴソと所持金を確認した。
新刊借りるお金・・ 別にプレゼント代・・ 美容室行くお金と・・
次のお小遣い日までいくら・・ 消しゴムとシャー芯と乾電池・・
[お小遣いは常にギリギリで足りないので、
いつも何か一つ諦めなければならない]
・・という結果があのヤバイ前髪らしい。ミエはいつも苦労しているのだ。
「えっ?!ファンミエ 、あれ!あれ見て!」
そう言われて目にしたのはー・・。
<悔い改めた大魔王>
キム・チョルの前にいるのは高校生三人組。
その年上の男子学生達が、蜘蛛の子を散らすように逃げていく。
「・・・・」
目を見開いたままのチョルは、ゆっくりとこちらを向いた。
そこにいた生徒全員がチョルの方を見ていた。
もちろん、ファン・ミエも。
行こ、と促されて、すぐにその場から去っていったけれど。
[翌日、大魔王が〇〇 高の不良達を気迫だけで追い払ったと言う噂が、学校中に広まった]
そしてまた”大魔王”は、学校中を賑わせる存在になるのだった。
第八話④でした。
切り方が難しくて、短めの記事ですみません
ミエちゃんのお小遣い、月いくらなんでしょうね〜
中学生だとバイトできないし、私もいつも金欠だったな〜と懐かしくなりました。
そしてチョルくん強すぎ!
高校生を気迫だけで追い払うの凄すぎます。
あ〜また噂になっちゃいますわこれは・・
第八話はこれで終わりです。
続きは第九話①になります