青リンゴ観察日記

韓国漫画「世紀末青リンゴ学習塾」観察ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

第五十五話②

2022-03-30 | 第五十五話〜第五十七話

さて、昼休み

ここで少し事件が起こる。

元気よく走るミエと友人たち。

楽しくてつい、目を瞑ってダッシュしてしまった。

すると。

ガッ

出会い頭に、チョルがミエの足を踏んでしまったのだ。

「ぎゃっ!!いっった!!」

思い切り叫んだミエの声に、チョルは若干パニックになってしまった。

なんとかしなければ、と咄嗟に体が動く。

バッ

ブラーン・・

皆が固まる中、ミエの手足だけがブラブラと風に揺れる・・。

「おい、大丈夫・・」

チョルがそう聞こうとミエの顔を見ると、凄い表情をしていた。

そこで初めて、チョルはしまった、と思ったのだった。

「うわああああああっ!!!」

 

<バカじゃないの?>

 

昼休みが終わった教室は、ヒソヒソ話が至る所で行われていた。

「おい、大魔王がやられたらしいぞ」「えっマジ?相手生きてる?」

「マジらしいよ。突然大魔王のアゴめがけて・・」

チラチラ、と皆の視線が”大魔王”のアゴに注がれる。

確かにアゴが赤くなっていた。

皆の注目の的、大魔王のアゴ・・。

その爪痕を残したのは隣にいる小さな女子だと、誰が思おうか・・。

し・・知らん知らん知らん

ミエ自身も、そう思っていたw

もちろん狙ってやったのではない。羞恥心でワケが分からなくなって、咄嗟に頭突きをしていたのだ。

昼休みだったからギャラリーも多くて・・そういうところでやっちゃったから余計・・

これではいかん、とミエはノートを広げて筆談を試みようとした。

ねぇ大丈夫?ごめん。けどあんたの方から——
 

するとシャーペンが手からするりと抜け、床に落ちてしまった。

「あっ」

違うのを使おう、とペンケースを見てみたものの、

そこにはサインペン一本しか入っていなかった。

「あああ・・」

・・背に腹は変えられない。チョルに頼もう。

ミエはチョルの机をトントンと叩いた。

気づかない。

今度は足でチョルの机の脚を叩く。

気づかない・・。

とうとうミエは肘でチョルの肘を小突いた。

これならさすがにチョルも気づく。

「ちょっと・・」

「あんたの足の近くにシャーペンが・・」「え?あぁ・・」

チョルは足を伸ばして、ミエの方に軽く蹴ってやろうとした。

けれどチョルはサッカーの名手だった。

教室の壁に向かってシャーペンシュートを決めてしまった・・。

シューッコロコロコロ!!

チョルがミエの顔を見ると、凄い表情をしていた。本日二回目・・。

「何なの?マジふざけてんの?私今日あのシャーペン以外使えるペンがないのに!」

「いやあんなに転がるとは・・」「あんたのペン貸してよ!」
 
「はぁ?俺もこれしかな・・」
 
 
そのわちゃわちゃに、とうとう先生がキレた。
 
「キム・チョル、ファン・ミエ、廊下に出なさい」

「チョルとミエは本〜当に仲がいいな?」

 
その捨て台詞と共に、バタンとドアが閉められた。
 
ミエが小さく「知るかよ・・」と呟く声が、しんとした廊下に響く・・。
 
 

第五十五話②でした!

ミエをぶら下げた(?)のもシャーペンを蹴りすぎちゃうのも、

チョルが自分の力加減を自覚出来てない象徴ですね〜〜

自分の力がわからなくて、持て余して、それで他人も巻き込んじゃう、みたいな思春期を感じます

 

第五十五話③に続きます


第五十五話①

2022-03-28 | 第五十五話〜第五十七話

しばらく走ったところで、ミエが聞いた。

「ていうかマジで、アンタこんなところで何してんの?まさか・・・」

「私がいじめられてるんじゃないかって、心配になってついてきたの?!」

その鋭いミエの疑問に、思わずチョルはギクリとした。図星である。

けれど反射的に否定する。

「ちげーし!!!俺がそんなバカに見えるか?!」「はぁ〜?!」

何その言い方、とミエが言う。

しまった、とチョルは思わず口を押さえる。

「ちょっとおおおお〜〜〜?!」

結果、ミエ大爆発。

そしてそれは、家に帰ってからも続いた。

 

 

「ちょっと!ねぇ!」

「じゃあ何であんな格好してたの?どう考えてもおかしいじゃんか!」

ミエが主張を続けていると、やがてカーテンが開いてチョルが顔を出した。

”止めろ”と書いた紙をミエに見せる。

「ちょ・・あんたまた勉強してんの?!」

「ちょっと!てかあんたマジで何位だったの?めっちゃ気になるんだけど〜!」

カーテンを閉め切って、チョルは再び椅子に座った。

机の上には、例のメモ帳が置いてある。

先週、一学期の中間テストが終わり、次に控えているのは一学期期末テストだ。

チョルは息を吐きながら、背もたれに背中を預けて空を仰ぐ。

やがてチョルは再び、参考書を開いて勉強を始める・・。

 

 

次の朝。

教室では、とうとう配られた成績表を手にミエとユンヒが会話していた。

「塾通ってんのなんか意味あんのかな・・」「週末までは隠しとこ・・」

ドン

チョルは自分の机にカバンを置いた。

つまり、ミエの隣の席に。

「おはよ!」

反射的にミエは挨拶したが、突然至近距離に”大魔王”が現れてユンヒは顔が引き攣っている。

そんな状況に気がついたチョルは・・。

 

「おう。はよ」

直球に挨拶を返した。

おおっ?!と驚くミエ。

 

チョルは普通にしている。

クラスメイトは全員その動向に釘付けだ。

ミエは心の中で、おおおおーーーっ?!と一人叫ぶ・・。

 

 

<見慣れない姿>

 

ということで、この日1日のチョルの姿を追ってみよう。

休み時間

「あの・・昼休み一緒にサッカーしない?」

「あ、もちろんただのお遊びね!対決しようってわけじゃないよ!」

必死の誘いをかけるクラスメイト。

チョルはしばし黙っていたが、

「うん」 

やがて肯定的な返事をした。

男子たちは嬉しそうにはしゃいでいた。

 

続いて授業中。

「えーそれでは・・次の文章をチョルとミエに読んでもらおうかしら。

ケイトとジェームスをそれぞれの名前に置き換えて読んでみて」
 
いつも通りの先生からのイジリにめげることなく、チョルとミエは立って教科書を読み始めた。
 
「ハイ・・チョル・・キム・チョル・・」「ハイ・・ファン・・ミエ・・」
 
「苗字はいらないから!」
 
そのたどたどしいやり取りに、クラスメイト達は皆肩を小刻みに震わせて、
 
笑いを堪えていた。
 
チョルが”大魔王”の黒いオーラをチラつかせる。
 
ミエは必死に、睨んじゃだめ!とテレパシーを送った。

 

テレパシーが通じたのか、チョルはツノは出しながらも普通に読み始めた。

クスクス、と小さな笑い声が聞こえているのに。

ミエは意外に思いながら、隣のチョルを横目で見ていた・・・。

 


第五十五話①でした。

 

えええ〜〜挨拶交わすだけでクラス中が注目するのしんどい

逆手にとれば、すぐに人気者になれそうだけど・・

 

がんばれチョルー!!

 

第五十五話②に続きます

 


第五十四話④

2022-03-26 | 第五十二話〜第五十四話

「よぉ、モ・ジンソプ!」

突然声を掛けられ、モ・ジンソプは振り返った。ミエも声の方を向く。

同時に少し離れた路地裏で、ガタンッと大きな物音がした。

その物音の方を見て、イ・インウクの友人は「なんだ?」「しらね」と首を傾げる。

チョルは咄嗟に身を隠したようだ。

「あれ、イ・インウクじゃん。よぉ」

「あっちから見かけてよ。遊びに来たん?隣誰?」

モ・ジンソプの背後に隠れつつ警戒するミエ。

ジンソプは落ち着きながらこう言った。

「あ、知り合いの妹。買い物があってさ」

妹? 

その紹介のされ方に疑問を持ったミエと、謎の”知り合いの妹”に興味津々のイ・インウク御一行。

ジロジロとミエを見てくる。

「へー」

「先行ってて。場所わかるよね?マック」

ジンソプに促され、ミエは一人その場を離れた。

なにさ、ちょっとムカつく!ていうかイ・インウクってどっかで聞いたような・・・

「テストどうだった?」「お前は?」

「俺はテスト気にしねーっつったじゃん。高校も入れるとこ行けりゃいーし」
 

ふと、路地裏が目に入った。

ちょうど誰かが潜めそうな狭さだ。

ギラン、とミエの目が据わる。

バッ!

シーン・・

「何だろ、違ったかな?もう行こ・・」

「・・と見せかけてぇ!」

フェイントまで使い、ミエは本気で”幽霊”を捕まえようとダッシュした。

するとそこで、とうとう見つけたのだ。

バッ!

変装幽霊、キム・チョルが・・。

あんぐり

ミエはチョルに詰め寄って、いかに自分が怖かったかを語る。

チョルはどんよりとしたオーラのまま、ミエの名を口にしただけだ。

「ほら!やっぱりあんたじゃん!私さっきマジで怖くって怖くって」

「ファン・ミエ・・」

すると近くにいるモ・ジンソプ、そしてイ・インウクたちの会話が聞こえてくる。

「一服して行くか。あの階段の裏でどう?」「俺禁煙中」

「吸ってるとこ見たことねーけど」
 
「大魔王は相変わらずか?」

突然”大魔王”の話題が出たので、チョルもミエもハッとした。

「ま、うちにいたときもおとなしかったけど」

「マジで勉強ばっかしてんの?」「だから成績上がったんだろ」
 
 
ミエは咄嗟にチョルの腕を掴んだ。
 
パッ
 

そして引っ張った。

グンッ

会話は続いている。

「キム・チョル呼べねーの?お前仲良いんだろ?」

「一度会ってみてぇ」「あいつがお前に会いたがるかな」

「さぁねー」

モ・ジンソプは宙を見ながら、するりと会話を交わしていた。

 

タタッ

路地から出てきた不思議な格好の人を見て、イ・インウクが指をさす。

「おい、あれ見ろよ」

そこには、背を丸めてこそこそと小走りする男女二人の姿があった。

「なんだあの服。ダッセ」「ブカブカすぎんべ」

「父親と娘かな」「こんな時間にか?」

二人は帽子を取り替え、チョルの上着をミエが着た。手軽な変装だった。

チョルの服の裾を掴んで走るミエの手に、ようやくチョルが気がついた。

バッ

「もう大丈夫だよ!」

「ウザかったでしょ?」

ミエはそう言って、自分には大きいキャップを押さえて、笑った。

うははっ

[この瞬間キム・チョルは]

[隠れて二人をつけた時に感じた感情よりももっと]

[妙な気持ちになったのだ]

自分に孤独を気づかせる、賑やかな音楽や楽しげな若者の声が、いつの間にか遠くなっていた。

目の前で笑うこの小さな女の子が、チョルの抱える大きな暗闇を、拭い取って笑っている・・・。

 


第五十四話④でした。

 

イ・インウク・・は確か、ガク・テウクの元腰巾着で、以前チョルの家の近所にいましたね。

すごい前に出てきたような・・あ、調べてみたら十四話でした。結構前ですね

みんなチョルと仲良くなりたいのかな・・

最後笑ってるミエちゃん、可愛いですね〜

 

第五十五話①に続きます


第五十四話③

2022-03-24 | 第五十二話〜第五十四話

例のピアスが売ってる店(そのことはモ・ジンソプしか知らないが)に、

野生のカンで再びたどり着いたミエ。

ジンソプは必死でそれがバレてしまうことを阻止しようとした。

「ねぇ、ちょっと!」

「ここがどうしたの?さっき見たじゃん」

「いや中を見てみたい・・」
 
するとモ・ジンソプは、秘技・イケメンキラキラオーラを発動させた!
 
「疲れたって言ってたろ?何か食べに行こうよ」
 

「俺がご馳走するからさ。マックでいい?」「おお・・」

思わずジュル、とよだれを垂らしそうになるミエ。

けれど知りたい欲求はなかなか消えないようだ。

サッ

かくなる上は話題を逸らすことだ。

モ・ジンソプは店の中が見えないようにガードしつつ、ミエに話題を振る。

「ていうか、君はこういうの興味ないの?どう?一回見てみる?」

「え?私?」

「いやいや、私は考えたことないよ」

「え?興味あるから俺に値段聞きに来たんじゃないの?」
 
「あっ!そうだったね!」
 
前提を忘れていたミエは焦って肯定した。モ・ジンソプはミエにフォーカスを当てて話を進める。

「女の子たち、こっそり開けてたよ。小学生の頃から開けてる子も結構いたし」

「せっかく来たんだし、一度見てみたら?」「うーんそう言われるとそうか・・」

計算通り、モ・ジンソプの誘導する方へと導かれるミエ。

二人してピアスを覗き込む。

 

<この感情はなんだろう>

 

 

その様子を、訝しげな視線でチョルが見張っていた。

さっきモ・ジンソプの行動ちょっとおかしかったよな。
 
つーか店入らずに何してんだ?

二人は店の前で、何やらずっと話をしている。

楽しそうにミエが笑っている。

その様子を、自分は物陰からじっと見ている・・。

その時ようやく、周りの情景が目に入ってきた。

街中に流れる、楽しげなBGMも耳に入ってきた。

そこにいる、自分と同じくらいの年の子達。

皆楽しげに、嬉しそうに連れ立って歩いている。

そしてその中に、ミエとジンソプもいる。

楽しげな音楽と街に溶け込んで、二人は笑い合っている。

 

たった一人でいる時よりも、雑踏の中に一人でいる方が孤独感を感じるという。

まさに今キム・チョルは、言いようのない感情に心を覆われていた。

 

 

<一歩を>

 

いつの間にかチョルは、自分の足元に目を落としていた。

説明し難い感情に苛まれながら。

もう止めよう、とチョルは思った。

この場所から、この感情から、もう離れて歩いて行こう、と。

 

すると少し離れたところから、聞き覚えのある声がした。

「よぉ、モ・ジンソプ!」

チョルはその声のする方を振り返り、一歩踏み出す足を止めた。

やはりまだ、帰るわけには行かなそうだ——・・・。

 


第五十四話③でした。

 

モジンソプの人心掌握能力がすごい・・

しかもイケメンのオーラまで利用して・・大物になりそうですね・・

そしてチョルの虚しい気持ちに涙が出そうです

周りが楽しそうだと余計悲しくなるよね・・・わーん

 

第五十四話④に続きます


第五十四話②

2022-03-22 | 第五十二話〜第五十四話

ファン・ミエとモ・ジンソプは、依然としてピアスを探して街を歩いていた。

「こっち見てみよ」

そして二人にバレないように、後ろからついて行くキム・チョル。

ミエは違和感を感じてはいたものの、確証が掴めずにいた。

後ろを気にしつつ、目の前にあるピアスのことをモ・ジンソプに聞く。

「これはどう?この下にあるやつっぽくない?」「違う」

「それじゃこっちは?」「うーん違うね」

「ん?あれ似てるっぽい」「ほんと?!」

ミエが小走りで駆け寄ると、それに合わせてチョルも走った。

通行人に肩が触れ、謝りながらチョルは二人を追っかける。

「あー違うわ。見間違え〜

いい加減イラついてきたミエが、モ・ジンソプに聞いた。

「・・ねぇ、ちゃんと探してるよね?メンズものって種類あんまないけど・・

「もちろんだよ〜」

ガサッ

すると背後で、はっきりとした気配がした。

バッ!

しかし、誰もいない・・。

姿が見えないのに、確かに気配がする。ミエは若干背筋を凍らせて呟く。

「もしや・・ここで誰か死んだんじゃ・・」「何言うのいきなり」
 

「あっちにもっとお店あるよ」「どれどれ?」

気を取り直して、二人は再び店を見に行った。

気づかれぬよう、静かに見張るキム・チョル・・。

(その姿はやはり不審らしく、通行人は皆ギョッとして振り返って行く・・)

 

「ここは?!」「ないなー」

「それじゃこっちは?」「うーん・・ないね」

「それじゃこっち!こっちはどうだ!」「全然違うよ。これピアスじゃないし」

「それじゃこっちは!?これは!?もー!もうワケわかんなくなってきた!」

「もう街一周したよ〜?!疲れた!足痛い〜!」

「そっか〜」
 
 
泣き叫ぶミエの後ろで、モジンソプは(あーめっちゃ楽しい)と喜んでいた。
 
ニヤニヤが止まらない。
 
胸がスッキリするこの気持ちは一体・・?

「もう無理ー!」「じゃあ一緒に何か食べながら休もう?」

モ・ジンソプはミエを起こしながら、

(こういう疲れたときに合わせて・・)と今までの鞭に対する飴を差し出す。

しかし次の瞬間、再び後ろで気配がした。

パッ

と、同時に振り返るミエ!

バッ

チーン・・

「あーもう一体なんなの?!何?!なに?!なんか本当に怖いんだけど!」

「いや君のせいで俺も怖いよ」
 

挙動不審なミエに引いていたモ・ジンソプだが、ふと気がつくとあの店の前まで戻ってきていた。

モ・ジンソプだけが知っている、二人が探しているピアスがある店だ。

その店に気がついたミエ、そしてジンソプ。

すぐさまミエは走り出した。

「ちょっと行ってくる!」「あ・・待っ・・!」

さてミエはそのピアスを見つけることは出来るのか?!

そしてモ・ジンソプは、それを阻止することが出来るのか・・?!

 


第五十四話②でした。

 

二人の攻防・・w

モジンソプに踊らされるミエちゃん、お疲れ様です・・

そしてチョル、大きな体で尾行大変そうです・・こっちも頑張れ!!

 

第五十四話③に続きます