青リンゴ観察日記

韓国漫画「世紀末青リンゴ学習塾」観察ブログです。
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第八話③

2021-03-11 | 第七話〜第九話

終礼後のチャイムが鳴り、本日の授業は全て終了。

 

正門への道を一人歩いていたキム・チョルは、ふと足を止める。

 

門のところにいるのは、どうやら高校生らしき三人組。

談笑しながら誰かを待っていた。

周りで「□□高?」と息を飲む声が聞こえる。

 

 

<知らないふりをして行こうとしたけど>

 

彼らの横を通り過ぎようとした時、背後から回り込まれ、声を掛けられた。

「おい」

「お前キム・チョル?」

「すぐ分かったわ」「ちょっとお兄さん達と話そうぜ」
 
 
[大魔王の予想は外れない]
 
嫌な予感はいつも当たる。
 
”大魔王”の予想は絶対だ。
 
 
 
<模範生大魔王>

「お前がキム・チョルなんだよな?」

[馴染みの出来事]

「合ってんじゃんお前!」「上がるわ」
 
「つーかクソでけー。プライド傷つくっつの」

[その度にキムチョルは心の中で繰り返す]

「おい顔の傷見てみろよ」「カッケー」
 
[無視だ]
 
キム・チョルは感情を殺して、ただ無視することに集中した。
 
「絡むなってw」「いや褒めてんじゃん。絡んでねーし」
 
[無視しろ]
 
心に何かが生まれる前に、ただそう強く思う。
 
「高句麗中のやつら、お前の話ばっかしてんよ」
 
 
[無視・・・]
 
 
「お前がガク・テウク半殺しにしたんだろ?」
 
 
その時、殺したと思った感情が動いた。
 
握り締めた拳が震える。
 
「あの場にいた奴が・・」「ハンパねぇな・・」
 
 
[無視だ]
 
「お見舞い行ったのに唾吐いたって」
 
[無視しろ]
 
 
ドクン、ドクン、と心臓が鳴るたびに、頭の中で声がする。
 
[反応するな]
 
 
「つーかお前口聞けねーの?」「返事しろよ!」「wwww」
 
チョルは自分の感情が暴れ出すのを、なんとか抑え込んだ。
 
握った拳が解ける。
 
「決めた!今日俺らと一緒に来いよ」「お兄さん達と遊ぼうぜ」
 
「高句麗中の奴らも何人かくるぜ?嬉しいだろ?」
 
 
[反応せずに、通り過ぎろ]
 
しつこい彼らからの絡みに、チョルは終止符を打とうと一歩踏み出す。
 
「行きません」
 
 
 
 
<人違いです>
 
 
 
そう言ってスタスタと歩き出したチョルを、高校生達は慌てて追いかけた。
 
「おい!キム・チョル!」
 
「一緒に行こうぜ!お兄さん達と楽しいことして遊ぼうってだけだよ」
 
「難しく考えなくていーって」「可愛い女の子もいるぜー」
 
「行きません」
 
 
 
相変わらず心の中で [無視だ] と繰り返す。
 
[至極丁寧に拒絶する]  と理性的に考えながら。
 
「お前大丈夫か?」 「行きません」
 
すると、ピリッと空気が変わった。
 
「下手に出てやってたら・・」
 
 
「おい、礼儀ってもん知らねぇのか!調子乗ってんじゃねーぞ」
 
「おいやめろって」
 
それを聞いてチョルは思う。
 
[相手はいつも礼儀ってもんを知らないけど] と。
 
「ガク・テウクぶっ飛ばしたからって、特別にでもなったつもりか何か知んねーけど」
 
 
「背がデケーだけで大して強くもなさそ・・何だぁ?」
 
 
 
突然立ち止まったチョルに、ぶつかりそうになった高校生はビクリとした。
 
先程までの彼とは、まるで空気が違っていたからだ。
 
「行かねぇ」
 
 
「・・は?」 「行かねぇって」
 
 
「ずっとそう言ってるだろうが。何回も」
 
 
 
[丁寧に言っても効かなかったら]
 
「耳がねぇのか?」
 
 
[ならば、キム・チョルもどうにかするしかない]
 
 
抑え込んだ感情が、理性と融合してチョルは一歩踏み出す。
 
チョルが”大魔王”と言われる所以を、そこで彼は発揮する。
 
 
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第八話③でした。
 
なんでしょうこの・・絡まれ慣れ? 
 
きっと何度もこうやって絡まれてきたんでしょうねチョルくんは・・。
 
高校生三人組はリュックが赤だったりスニーカーが赤だったりが気になりました。
 
イキってる色なんですかね・・
 
第八話④に続きます