青リンゴ観察日記

韓国漫画「世紀末青リンゴ学習塾」観察ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

第七十一話③

2022-10-31 | 第七十話〜第七十二話

朝、ファン家の電話が鳴っている。

そのベルを、ミエはげっそりした顔で聞いていた。

「はいもしもし?もー!なんなの昨日から!」

「行って来ます・・」

「ちょっと!ふらふらしないで真っ直ぐ帰って来なさいよ!わかった?!」

調子の悪い電話機にイラつきながら、母は忘れずにミエに釘を刺した。

しかし心ここにあらずといったミエの姿を見て、母は思わずため息をつく。

ミエは、何度もあくびをしながら道を歩いた。

昨夜の衝撃で寝付けず、眠いのだ。

あー寝たんだか寝てないんだか・・

ていうか今日会ったらなんて言おう・・

まず謝って・・でもお互いやらかしたんだからお互い様・・

そこまで思ったところで、視線に気づいた。

二人はこうしてバッタリと会う運命らしい。

「あ・・あの・・」

ミエが弁解を口にしようとした矢先、チョルの眼光が厳しくミエを貫いた。

ギッッ!

「あっち行けこの変態!」

あまつさえ、そんな捨て台詞付きだ。

ドドドド、とすごいスピードで走り去って行った。

 

は・・?

え・・こんなに怒る?いたいけな少女に変態って・・ひどすぎん?大袈裟すぎ・・

ミエは寝不足で回らない頭で考えた。

昨日自分が何をしたのかを、もう一度思い出す。

 

そして何をして、チョルに「変態」と言われているのかに気が付く。

そう、チョルはミエが、わざとチョルの裸を覗いていたと思っているのだ——・・!

「ち・・違うのーっ!」

「違う!違うの!本当に誤解なんだってば!」

「ねえっ!ちょっとは私の話も聞いてよ!違うって言ってんじゃんかー!」

「ねえーーっ!」

ミエの叫びは、学校に着くまで続いた。

 

<変態注意報>

そして学校では・・。

ソロ〜・・

「あの・・昨日は・・」

話しかけようとすると、すぐにどこかへ行ってしまうチョル。

これでは取り付く島も無い・・。

 

<大魔王は変態がお嫌い>

授業中も・・。

「これは声のない叫び、あの青い海原に向かって伸びる、永遠のノスタルジア・・・。

キム・チョル、お前首でも折れたのか?」

「サッカーした時、怪我をして・・」

「あぁそうか、じゃあ廊下に出て首を伸ばして来なさい」

休み時間も・・。

 

ドタドタッ

自習中も・・。

机に突っ伏してるか、席にいないかのチョル。

ミエはいい加減ストレスが溜まってきたので、筆をしたためる事にした。

ねえっ!

昨日のはマ・ジ・で誤解だから!

あんたは私がわざとあんなとこ見る恥ずかしい奴だと思う?!

ただ偶然と偶然が重なって起きた事故ってだけだから!だから恥ずかしがってないで・・

筆談のために書き連ねた文章であったが、それをチョルに見つかるやいなや・・・

グシャッ!!

「ヒィィィィィ!!」

大魔王だ・・大魔王がここにいる・・。

そして大魔王は、変態がお嫌いなのだ——・・!

 

 

 


第七十一話③でした。

あちゃ〜

チョルが大魔王化しちゃってる・・

弁解もできないのは辛いですね〜!学校だと目立っちゃうしね・・・

必死にミエと目を合わせないようにするチョルが少し笑えますww

 

第七十一話④に続きます

 


第七十一話②

2022-10-28 | 第七十話〜第七十二話

気が遠くなるような現実の中、ミエの意識は今、宇宙空間へと旅立っていた。

[遠い宇宙・・幾千万の星の中で]

[地球上、セモドン地方に住んでいるこの少女は]

[16歳にして、これまで経験したことのない衝撃を次々と味わっていた]

宇宙空間を漂っていたミエは、ゆっくりと地球に戻ってきた。

パチ、と目を開ける。

暗い部屋の天井に、ぼんやりとミエの星々が光っていた。

そこでようやくミエは実感した。自分がチョルにどう思われていたかを。

え、は?!

何?!わざと見たと思われてる?!

 

ミエは、チョルが帰って来てからの自分の行動を、

もう一度思い起こしてみることにした。

パッ

「おーい!チョル・キム!」

[そもそもカーテンも締めずにいきなり脱ぎ出したのは自分・・]

[じゃん・・]

気がついたら、上半身裸のチョルが立っていた。

目を逸らさずにいたのは、ミエの方だ・・。

胸の中が、ワーワーと騒ぎ出した。

「ちょっとー!なんなの!?どうしたっていうん!?ありえないってー!!」

「マジありえないってば・・」

引っ被った布団の中で、ミエがそうつぶやいていた頃、

同じくキム・チョルも布団団子になっていた。

先ほどの迂闊な自分の姿が浮かぶ。

そこにいた、目を丸くしたミエの姿も。

バタバタバタッ!!

チョルは恥ずかしさのあまり布団をパンチし、何度もキックした。

しかしチョルの脳は、更に恥ずかしい記憶を彼に見せる。

パタパタパタパタパタッ!!

チョルは布団の中で悶えた。

言葉にならない叫びを上げながら。

ブルブル・・・

そしてまた恥ずかしい場面を思い出し、再び暴れる・・を繰り返した。

マンションの向かいの二室から、同じようなくぐもった叫びが響いている。

それは夜更け過ぎまで続いたのだった・・・。

 

[あぁ眠れない、16歳達の夜]

 


第七十一話②でした。

 

あー・・分かりますね〜 恥ずかしいこと思い出してわーっ!ってなっちゃうやつ・・

思春期には辛いわ〜〜

 

第七十一話③に続きます


第七十一話①

2022-10-24 | 第七十話〜第七十二話

「え・・え・・・・・?」

まさかの上半身裸のチョルを前に、文字通り目を丸くしたミエ。

嫌な汗が背中を伝う。

「え・・・いや・・いや・・」

「いやいやいやいや!!」

ミエのその叫びを皮切りに、この事態のとんでもなさが、二人に実感として降り注ぐ。

「ぎゃああああああああ!!!!」

「ああああああああ!!!!」

ミエはスケッチブックを上げたり下げたり、裸のチョルを見たり隠したり・・。

「おい!何見てんだよ!早く行けよ!」

「いやあんたが行ったか確認・・」

「おいファン・ミエ!ありえねーだろこの変っ・・」

ブチブチブチッ!

ぐわんっ!

ドタタッ!!

チョルは、それはもう派手にすっ転んだ。

見てるんだか見てないんだか分からないミエの向かいで。

バタンッ!

「何してんの!」「何事?!」

大きな物音に驚いた3人は、勢い良くチョルの部屋に入って来た。

しかしそこには、カーテンレールと共に寝転んでいるチョルが・・。

「何やってんのあんた」とスンジョン姉が冷静に言う。

向かいの窓、つまりミエの部屋の窓には、

「ゴメンTT」と書かれたスケッチブックが立てかけてあった。

「お兄ちゃんどーしたの?起きてよ〜」「こら、ピストルで兄の足をツンツンしない」

「カーテンレール、あんた自分で直しなさいよ」「ったく無駄に馬鹿力なんだから」

「あんたカーテンも締めずに着替えようとしてたの?」「ミエがごめんだってさ」

家族の声を聞いているうちに、チョルの心の中にふつふつと感情が湧いてきた。

大魔王の地を這うような声が、チョルの口から漏れ出る。

「ファン・・・」

「ファン・ミエーーーーーーーッ!!!」

「うわーっ!ごめんってー!」

その叫び声は、窓を閉めていても聞こえた。

ミエは恥ずかしさと居た堪れなさで、しばらく頭を抱えて突っ伏していた・・。

 


第七十一話①でした。

 

短めの更新ですみません

最近本当に夜にすぐ眠くなってしまう・・無限の体力が欲しいです・・うう・・

 

さて、今回のチョルw

慌てふためいてカーテンひっぺがしちゃうの笑いましたw

相当恥ずかしかっただろうな・・

 

第七十一話②に続きます


第七十話②

2022-10-18 | 第七十話〜第七十二話

母親とバトルしたミエであったが、結局母の勝利に終わった。

「それ全部解くまで寝ちゃダメだからね!」

問題集の前に座らされたミエは、悔し涙を滲ませながら唇を噛む。

母親はかかってきた電話を取りにリビングへ向かった。

ボスッ

「もー最悪・・」

全部うんざりだし・・やりたくない・・

怒られるのも、受験問題集も、外出禁止も、もう飽き飽きするほど憂鬱だ。

はぁ・・

ミエは、願い事を叶えるために数えていた飛行機のことを思い出した。

頑張ったのになぁ・・何機数えたか忘れちゃったから、無効になっちゃったのかな

遠い空を飛ぶ飛行機に、「天才になりたい!一度見たら全部覚えちゃうとか!」と願掛けしていた。

しかし何機数えたか忘れてしまったら、またふりだしに戻って数え直しなのだ。

そして願掛けをしてるのは、ミエだけではない。

お母さんも頑張ってお寺通いしてるみたいだけど、

あんま効果ないし・・

母の願いも虚しく、ミエの前途は未だ不鮮明だ。

そして”願掛け”をきっかけにして、ミエは田舎でのことを思い出した。

[そういえば田舎に行った時、石の塔にお願い事したけど、一体何を願ったんだっけ?]

霧がかかったようなイメージの向こうで、小さなミエが言う。

「・・したい」

「・・やらせてくれ」

まだ高い声のチョルがそう言ったのを、ぼんやりと思い出した。

 

パッ

すると、向かいのチョルの部屋の電気が点いた。

カーテンが閉まっていないので、中の様子がよく見える。

キラン

[ファン・ミエ、ネバーダイ]

そう、戦いはまだ終わっちゃいない。

ミエはここから、もう一度顔を上げる——・・・。

 

<視線>

 

 

「ただいま」

「おかえり、チョル」「おーい私ゃ透明人間か?」「父さんおかえり」「あぁ」

チョルは両親に挨拶を済ませ、自室に入った。

どこ置いたっけ?後で探そ

つーか名札の話しそびれたな

まぁとりあえず注文はしたし、来たら渡せばいいか

チョルは着替えをしながら、ミエのことをぼんやり考えていた。

もしかして模試のストレスでおかしくなってたのか?

「私は成績落ちたのに!」

まるで他人事のようにそう口にするミエが浮かぶ。

流石にそれはないと思いたいチョルだが・・・

その時ふと、視線を感じた。

ちょっと!見たよん!

目に入って来たのはそんな文字と、

窓越しに目を丸くする、ファン・ミエその人であった。

「あ・・・」

チョルが持っていた上着を、徐々に徐々にと上へ上げていく。

「あ・・・」

「あ・・・」

「あ・・・あ・・・」

「え・・??」

それは嵐が起こる前の静けさ・・・。

 


第七十話②でした。

 

チョル!!なんて良い体・・こんなところにラッキースケベがあったなんて・・

しかしミエちゃん、そのカンペとタイミングが最悪の合い方をしちゃったね・・

これは嵐がくる・・!

 

第七十一話①に続きます!!


第七十話①

2022-10-14 | 第七十話〜第七十二話

授業が終わり、学生たちが外に出て来た。

夜の街は、ガヤガヤと騒がしい。

ミエはというと、塾から家へのバスに乗り込み、いまだに消化しきれない気持ちを抱えていた。

チョルをからかうと決めてみたものの、いざとなると言葉が出てこなかった先程のことを振り返る。

てか考えてみれば、人前で話すにはちょっと恥ずかしい話じゃんね?

けどせっかくのチャンスなのに、このまま逃しちゃうの?

ギャラリーがいた方が盛り上がるけれど、ギャラリーがいるからこそ恥ずかしいのだ。

ミエは一人で、チョルをからかう練習をする。

「私見たの!あんたが私をあ・・」

「愛・・」

プシュー

やはり言えない。「ファン・ミエの弱虫・・」と自分で呟く。

すると窓の外に、自転車に乗ったチョルがいるのに気がついた。

パッ

顔を逸らしたミエだったが、即座にまたチョルをからかうことを思い出した。

バンッ

外にいるチョルに向かって、パクパクと口を動かす。

もうチョルには訳が分からなかった。

そしてミエの企みは・・

[また失敗]

 

<分かろうとしてみても>

マジでなんなんだ?

チョルは自転車を漕ぎながら、ミエの不可解な言動に思いを馳せた。

自分の方を見ていたかと思うとパッと目を逸らし、

体育の時間では、思い切り跳び箱に激突していた。

今日は何なんだよ一体

元々変なやつだけど、今日は特別変だろ・・

何か言いかけては止めて、そうしてようやく口を開いたと思ったら・・。

「なんで一緒に名札探してくれないの?!」

[あれが本音か?本当にその話がしたかったのか?]

[だから昼から変だったのか?]

いや、名札弁償させたいだけかも・・

チョルは眉間に皺を寄せながら、今朝の失態を思い返した。

「気をつけなくちゃ。お前にぶつかったら、小さい女の子たちみんな吹っ飛んじゃうよ?」

ムカッ

正論だとしても、モジンソプに言われたその言葉にチョルはムカついた。

毛虫に大声を出して恥ずかしい思いもそれに拍車を掛ける。

あー!なんであの時よりによって毛虫が・・

そしてまた眉間に皺が寄っているのに気がついた。

けれど自分自身にムカつく思いとは別に、単純にファン・ミエのことは気になっていた。

けど、何か言いたいことがあんのは確かだよな・・

「私見たんだから!あんたが・・」の続きをチョルが待っていると、

ミエは突然言葉を忘れたかのように固まって、

そしてそのまま、あの表情になったのだった。

 

なんで急に赤面したんだ?マジで変なやつ・・

どっか痛かったんか?

チョルはキイッと自転車を止めた。

聞き覚えのある声が、向かいの建物から聞こえて来たからだ。

「もー!なんでぇ?!」「あんたが勝手に飛び出して行ったんでしょ!?全く油断も隙もない!」

「いたたた!だから本当に急用だったんだってば!」「何の急用よ!?ほら!答えられないじゃない!」

「ほらほら母さん、落ち着いて落ち着いて・・」「もー!一体いつまで外出禁止なのぉ〜?!!?」

[・・一体どうなっているんだろう・・]

知りたいような知りたくないような、ファン・ミエを取り巻く、その全て。

チョルはそのまま自転車を停めて、自宅へと帰ったのだった。

 


第七十話①でした。

チョル、以前ミエの上靴上げ底事件(四十六話)でミエの赤面を見た時、

こんな反応でしたが、↓

今回はこんな感じで・・

なんか二人とも徐々に変わって来てるのがわかりますね〜!

(ミエにとっては上履き事件は恥そのものだと思うので、ちょっと違うかもしれんですが・・

これからが楽しみです!!

 

第七十話②に続きます