さて突然だが、ここでファン・ミエの根本的な疑問についておさらいしよう。
[友達って何だろう?]
”友達”というものについての考え方は、生まれた時からの環境によって左右されることが多々ある。
[この町で育ったファン・ミエにとっては、友達作りは別段難しいものではなかった]
「まぁ凛々しい坊ちゃんですわね」「娘ですの」
(生まれた時からしっかりとした眉毛のファン・ミエは、男の子に間違えられることもあったようだ)
[クラスメイトはいつも40人以上いて]
[気の合う子達と仲良くなって、喧嘩売ってくる子達もいたけど無視すれば良かったし]
「よろしくね!」「よろしくー!ねぇファボ(ファイアーボーイズ)好き?」「うん!」
「じゃあうちらもう友達ね」「うん!」
今じゃ親友のユンヒとの始まりもこんな感じで、ミエは友達作りに関して特に不自由なく育ったのだ。
だからこそ、キム・チョルとの出会いは衝撃だった。
「うわあああ!嫌だぁぁ!」
子供の時も、大きくなってからでさえ、この態度。
「馴れ馴れしくすんじゃねぇ」
[あの子は何がそんなにしんどくてウザくて、ややこしいんだろう?]
キム・チョルの眉間の皺は一体なぜ出来るのか。
そしてどうして自分に、壁のようなものを作るのか。
[なんで私があげたパンは受け取らずに、他の子がくれたものは受け取るの?]
[私一生懸命やってるのに]
[何がこんなにずっともどかしくさせるんだろ]
チョルが作るその壁を取り去って、一緒になって笑いたい。
ミエのその願いを叶えるには、これが一番手っ取り早かった。
「私達、友達になろう」
だからそう言ったのだ。
チョルの一番近くにいたいと、素直にそう思ったから。
ブレーカーを上げたら無事電気も点いた。
しかしこの人は、未だに暗いオーラを背負っている。
なぜ俺はあんな返事をしてしまったのか・・
[世界最高レベルで混乱する16歳]
二度も手を踏まれ負傷しながらも、なぜミエと友達になることにYESと言ってしまったのか、
チョルは自分が信じられなかった。
[こいつマジで変な奴すぎる]
[平気な顔して変な行動ばっかするから、つられてこっちまでおかしくなりそうだ]
[あいつにもし兄貴がいたら、今頃俺ボコボコにされてるだろうな]
チョルは妹を持つ兄として、ミエにとっての自分はそんな存在なのではないかと考える。
けれどもう過去は元に戻せない。
[あぁ、だけど覆水盆に返らず]
じっとり・・
重々しい空気のチョルとは対照的に、ミエはなんとも晴れやかな笑顔である。
あははは あははは
見るからに上機嫌モードなミエに釘を刺すように、チョルは低い声で話した。
「お前・・よく聞けよ」「うん!あ、そーだ!果物食べる?!」
「慌てんじゃねぇ」
チョルの不機嫌モードを察知して、ミエはぶんぶんと頭を縦に振った。
「うん!うん!慌てない慌てない!分かってるよ!」
「そんで適度に・・守るべきことは守れよ」
チョルの刺した釘が何への釘なのかが分からないミエは、目を丸くする。
「何を?」
「学校では顔に出すんじゃねーぞ」
チョルの言うその”釘”に、ミエは「ええ〜?」と声を上げた。
「じゃあ友達になるってのはどういう意味でOKしたのさ!?」
「お前はホンギュやジョンウクと同じじゃねーの!状況がちげーだろ!
いやそもそも女子となんか・・」
「田舎ん時みてーに、お前の思い通りにはならねーってこと」
言い聞かせるみたいにそう言われ、ミエは叱られた子犬のようにしょんぼりする。
チョルの”釘刺し”は更に続いた。
「分かった!慌てずに!ほどほどにね!」
「そんで下の名前だけでは呼ぶなよ。抱きつくのもダメ!」
「あ・・うん・・ほどほどに・・」
「ほどほどにでもダメ!」
厳しいチョルの出す条件にブーたれるミエ。
チョルは「やるぞ宿題!マジで分かってんのか?!」とそっぽを向くミエに言う。
[・・うっかりこぼした水だけど]
[こんなに望んでるのにずっと無視し続けるわけにもいかず]
[望み通りにしてやった方が気が楽でもある]
「内容整理して台本書かなきゃ!」
ミエはチョルがどんなに嗜めても、”友達”になれたことが嬉しくて仕方ないようだ。
頑張ろー!
チョルは深い息を吐きながら、ふとこう思う。
[だってどうせキム・チョルは・・]
一年後には、ここに自分はいないのだと。
だからここで起こる関係も感情も、意味がないことなのだと・・・。
+)
さらに二人は、こんな会話もしてました
「ところでさ、どうして急にサッカーの試合に出ることにしたの?」
「頼まれたから・・」「けどなんで一回だけなの?」
「んなこと聞いてどーすんだよ。集中しろ集中!」
「いやね、私思ったんだけどさ、
塾の宿題、あんた解説紙持ってたんなら最初から一緒にやろうって言えば良かったじゃん?
なんで一人でやっちゃうんだよー」
「それをお前が言うか?お前の方から教えてくれって言ったんだろ!」
「あ、雨止んだ!」
「雨の日も飛行機はよく飛ぶねぇ」「飛行機は雲の上飛んでるからな」
「そっかぁ〜」
第四十一話①でした。
最後の二人の会話にほっこり
この会話の掲載は四十一話最後ですが、時系列でまとめて今回持って来ました。あしからず〜〜
そして赤ちゃん時代のミエがかわいいw眉毛ww
チョルの赤ちゃん時代も見てみたいですね^^
いよいよ”友達”になるも、学校では話しちゃダメなのか〜💧
チョルの気持ちも分かりますが・・
けど嬉しそうな笑顔のミエを前にしたら断れないよね〜〜
いずれ田舎に帰る身だから、感情を動かさずにここを去りたいというのはわかるけど・・
なんか勿体無いですよね〜〜!
若いんだから一瞬一瞬を生きてほしいよ私は!(急に謎の立ち位置)
チョルの感情のストッパーをミエに外し続けて欲しいですね。
物語がどんどん動いていく〜〜^^
第四十一話②に続きます