青リンゴ観察日記

韓国漫画「世紀末青リンゴ学習塾」観察ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

第七十八話①

2023-01-31 | 第七十六話〜第七十八話

「いやなんでこいつと!!」

二人が声をハモらせてそう言った後、場は非常に微妙な空気になっていた。

呆然とするジョンウク。

同じくジョハン。

そしてこの人・・。

全員、言葉を失くしたのだった・・・。

 

<違うって>

 

 

雨は本降りとなり、雨粒がザーザーと地面を叩く音があたり一面に響いていた。

ゲームセンターの中は騒がしい。

しかしチョルとミエの周りだけ音が無くなったかのようだった。

はっと口を噤むチョルと、

同じく息を呑むミエ。

目が合った二人は、やはり同時に逸らした。

パッ

そしてそんな様子を注視していたのはジョハンである。

ハッ!

なんだか怪しいこの二人・・と言わんばかりのリアクションのジョハン。

ミエは必死でジョハンからも目を逸らした。

するとこちらにも二人を注視している人物が・・。

ホンギュが冷静に聞く。

「なんだ?なんでちゃんと話さねーんだ?」

「えっ、まさかマジで?」「うっ・・・」

 

 

ミエは赤面していくのを自覚しながらも、なんとか否定の言葉を口にした。

なんでもないような態度でチョルに声を掛ける。

「いや・・そうじゃなくて・・あ・・あんたもなんとか言いなよ・・す・・好きだなんて・・」

しかしそこで、思い浮かんだのはこの場面だった。

「愛する・・・・ミエ」

目が、合う。

あの時後ろを向いていたあの人と、今ミエは真っ直ぐ向き合っている。

「あ・・・」

 

<だから分かってよ!>

 

「・・・・・」

徐々に下を向いていくミエの頬に、タラタラと汗が流れている。

「・・・違・・」

呟くように言いながら、今までのさまざまなシーンが頭の中で駆け巡った。

「ほら見て!あんたの彼氏が・・!」

あれはまだ春の始まりの頃、校門でチョルが高校生と揉めていた時。

ユンヒがふざけてそんなことを言っていたこともあった。

「ちょっと止めてよ!そういうこと言うな!」

「チョルがミエの彼じゃないなら誰が彼氏だっつー話でしょ!」
 

あの時は何とも思ってなかったそんな言葉も、

ジャケットを脱ぐ頃になると少し変わった。

「二人は付き合ってたりする?」

「へっ?」

けれどミエにとってチョルと噂になるのは、”恋愛”よりも”からかい”が多かったので、

その辺りの境界が曖昧だった。

チョルと行った発表だって、「ダビデとゴリアテみたい」などと先生から言われ、

クラスメートからは笑われ、散々だったのである。

「違う違う、違うってば・・みんな何言ってんの??」

 

ミエはなんだかイライラしてきた。

隣でいつまでもブツクサ文句を言っているベ・ホンギュもうざったい。

・・そんであいつはマジでどうしたっていうの?

「ベ・ホンギュ、お前いい加減に止めろ」

「は?何を?何を止めんの?やめねーとどーなんの?つーかお前らにとってさっきのは日常ってこと?」
 

 

「お前この豆と一緒にいて楽しいのかよ?!こいつの何が良いんだよ!

お前らマジで似合ってねーしな?!わかってんのか?!」
 
 
「おい、お前」「は?またこいつの味方すんの?」
 
 
「だからなんでこいつ庇うんだよ?!」
 
 
ヒートアップしていくホンギュ。
 
ミエの瞳がぎらりと光った。
 
みんな・・みんな頼むから・・!!
 
 
ガッ!
 
 
うちらをこのままほっといて!!
 
 
 
触れたら、追求したら、何かが変わってしまうような気がして、
 
ミエは大きな声で誤魔化した。
 
 
「そりゃ・・うちら友達だからっ!」
 
 
 
よく分からないミエの宣言に、チョルもホンギュも戸惑った。
 
しかしカオスはここから、どんどん深くなるのである。
 
 

第七十八話①でした。

 

えーっと・・もう一度聞きます、ホンギュさん。

「チョルの彼女ですか???」

もうそうとしか思えなくなってきた・・チョルのこと大好きすぎるよ・・
 
そしてミエがうちらのことほっといて、と言ってるのも良いですよね・・
 
ああ尊い・・みんな・・
 
そんな七十八話の表紙絵はこちら!
 
ベ・ホンギュ祭り!
 
THE中学男子って感じですね^^
 
 
第七十八話②に続きます

 

 

 


第七十七話④

2023-01-28 | 第七十六話〜第七十八話

ベ・ホンギュは文字通り絶句していた。

面と向かって二回も、チョルから否定されたのだ。

「・・・・・」

チョルは再び、しまったと思っていた。

正しいと思うことをしたと思うのに、思うように伝わらない。

その緊迫した空気の中で、ミエはひたすらオロオロしていた。

「あの・・ねぇ・・あんたら・・とりあえず落ち着いて・・」

「狭いとこで騒いでんじゃねーよ。邪魔。あ?何見てんだクソが」

するとそこで、高校生らしき男が通り過ぎ様に文句をつけてきた。

険しい顔をしているホンギュにガンを飛ばす。

「お前が見てんだろ?お前こそ見てんじゃねーぞクソが」

不機嫌MAXのホンギュは、売られた喧嘩を買ってしまった。

男は呆然と口を開けた。自分よりも年下の男から言い返されたからである。

「あ?!んだと?!この中坊が!お前いくつだ・・」

このまま喧嘩か殴り合いが始まる——・・!

誰もがそう思った瞬間、チョルが口を開いた。

「すんません。どきますから」

ごく自然に、チョルはミエを自分の背の後ろに隠す。

「は?なんだこの野郎・・・」

男はそれ以上言葉を続けられなかった。

自分の背丈以上の男が、真っ直ぐにこちらを見据えていたからだ。

そして男は、そそくさとその場を後にした。

「あー・・どーもーっす」

 

ふと視線を感じて、チョルはホンギュの方に目をやった。

ホンギュは、あまりにも変な顔をしてこちらを見ている。

ホンギュはその顔のままプルプルと震えている。

チョルは意味が分からず、「な・・なんだよ・・・」と聞いてみた。

「おめーらなんなん?!」

ビクッ!!

突然、ホンギュはものすごい大声を出した。思わず耳がキーンとなる。

「いきなりなんだ?!何が?!」

「何ってお前!!ジョンウクはともかくよ!

お前ら二人は一体なんなんだよ?!どういう関係なわけ!?」
 
 
「付き合ってんの?夫婦なの?」

「愛し合っちゃってんの??」

「ワケわかんねーんだけど!」

「100歩譲って付き合ってないんならさっきのはなんなん?!」
 

ホンギュの声が大き過ぎて、ゲームセンターにいる全員がこちらを見ていた。

思わずジョンウクが止めに入ろうとするも・・

「おい止め・・」「いやそーだろ?!やめねーし!お前は気になんねーのか?!」

「おい、正直に言えって!」

「キム・チョル!ファン・ミエ!お前らさぁ!」

「お前ら両想いなの?!!?」

「いやなんでこいつと!?!?」

遂に言葉を返したチョルとミエ。

同時に同じセリフを言った。

ザアアアアーッ・・

建物の外ではとうとう雨が降り出した。

どうやら豪雨になりそうである——・・・。

 


第七十七話④でした。

 

ホンギュwwデリカシー皆無やんw

でも確かにごく自然にチョルはミエのことを庇いましたもんね。

読者には見慣れた光景ですがホンギュは初見だから・・そう思いますよね〜(ニヤニヤ

いいぞ!もっとやれ!!

 

第七十八話①に続きます


第七十七話③

2023-01-24 | 第七十六話〜第七十八話

ゲームセンターの中は騒がしかったが、ミエたちのグループには静寂が立ち込めていた。

チョルがはっきりとホンギュを否定したからだ。

一番驚いていたのはやはりベ・ホンギュだった。

目を丸くして、チョルの方をじっと見ながら動かない。

そんなホンギュを前にして、チョルは「しまった、」と小さく呟く。

ホンギュの口から、地を這うような声が出た。

「おい、お前・・・」

「お前、今これの前で俺に意見した?お前これの味方なの?」

「いや、味方とかじゃなくて・・さっきのはお前がひどいだろ」
 
 
「どうして俺にこんなことができんだ?お前はこの豆より俺を選ぶべきだろ!」
 
豆子・・もといミエを巻き込みながら、
 
チョルとホンギュの言い合い(主にホンギュが噛み付いているだけだが)は続いていた。

「ガキじゃあるまいし何言って・・」「は?!ガキ?」

「ガキだとぉ〜〜?!」

チョルが何気なく口にした一言が、ホンギュの逆鱗に触れてしまったようだ。

「言いたいことはそれだけかっ?!!」

「お前急にどうしたんだよ?!最近ちょっとおかしいぞ!」

「何?急に喧嘩始まった?!え?私のせい??」

突然大きな声を出し始めたホンギュに、ミエたちはオロオロするばかりだ。

一方チョルは冷静だった。

「いや俺は別に・・・そうじゃなくて、ただもうちょっと口に気をつけろって話だろ」

「おいふざけんなよ!これの方が口悪ぃだろ!これの方こそ口に気をつけろって話だろーが!」

見かねてジョンウクが間に入ろうと声を掛けた。

「二人とももう止め・・」

・・がその瞬間、チョルが再びホンギュに物申した。

「人に対して”これ”なんて言うなよ!」

はっ

・・全員が驚いていた。

こんなにも真っ直ぐに何かを否定するチョルを、皆初めて見たからだ。

雲行きはますます怪しい。

この出来事の行方は、どこへ向かうのだろうか——・・・。

 


第七十七話③でした。

 

短めですみません

チョル、ますますはっきり言いましたね

そしてホンギュの主張が・・。

君はチョルの彼女なの??と聞きたくなりますね・・

チョル、女子からも男子からもモテモテなのね・・

 

第七十七話④に続きます


第七十七話②

2023-01-21 | 第七十六話〜第七十八話

ジョンウクがホンギュとの対戦をしている間、

チョルとミエは若干気まずくなっていた。

よろけたミエを支えたチョルが、ミエの手に触れた。

手と手が触れ合った後二人は、なんとなく気まずい思いをしているのだ。

「ねぇ」「あ・・あ?」

先に口を開いたのはミエだった。

「あんたもジョンウクもゲーム上手いじゃん?二人ならホンギュに勝てるよね?」

「んー・・いや、ホンギュはちょっと次元がちげーから・・俺ら負けんじゃねーかな・・」
 
「ええ〜?!」
 
 
チョルの冷静な分析を聞いて、ミエは落胆の声を上げた。
 
しかしチョルはそんなことよりも、”あの約束”のことをミエに確認したかった。

「ダメじゃんー!一回コテンパンにしないと気が済まないよ!!ダメダメ!絶対勝ってよ?!」

「おい、ファン・ミエ」
 

「えっ?」

「模試終わったから、その・・」

それを切り出す前に、ジョンウクサイドから残念な音楽が鳴り響いた。

「俺の勝ちっ!」

「ぎゃっ!ダメーっ!」

ジョンウクの敗退。ミエとジョハンが悲鳴を上げた。

当の本人も気まずそうだ。

「ごめん、負けちゃった。最近やってなかったからなぁ

ガーン・・

言葉を失くし呆然と立ち尽くす二人に、ホンギュはズバズバと言った。

「おいバカども、噛み付くなら相手を見てからするんだな」

遠くで空に黒い雲がかかり、低音の雷の音が鳴っていた。

それがドラムロールのように、真打の登場を歓迎する。

もう君しかいない・・

うちらの黒騎士・・!

期待で目をキラキラさせる二人に、ホンギュは意地悪く声を掛けた。

「まだやる必要あるか?大人しく俺にレアポケ○ンを・・

「ほら、集まって。ちょっと作戦会議しよう」

ジョンウクはそう言って皆を集めた。

どうやら負けて本気モードに火がついたらしい。

「俺がまずホンギュの攻撃パターンを教えるよ。さっき何回かやってみたけど、よく使う技分かる?」

「・・何してんだ?そんなことで急に上手くなるわけ・・」

「ふふん!いまうちらの黒騎士のコーチング中だから!

邪魔するのは野暮ってもんだよ。鬼が出るか蛇が出るか!」
 

 

ホンギュはそれを聞いて「お前は豆だろが」と返し、ミエは「うるさい!」と返した。

ミエの顔が自信に満ちている。それは、チョルへの信頼の証だった。

「やってみないと分かんないっしょ!私の黒騎士が私の代わりにあんたに勝ってくれるから!」

「僕の黒騎士がお前に勝つっ!」

ジョハンもそう力強く言い切った。

完全にホンギュは、全員の敵なのである。

「打倒・ベ・ホンギュ!!」「倒すんだ!行け!黒騎士!」「信じてる!!」

ヒクッ・・

ホンギュは完全アウェーなこの状況で、遂に胸に溜まっていたモヤモヤが漏れ出てしまった。

「おいジョンウク」

「無駄な希望はもう捨てろって。お前らはどうせ俺には勝てねぇし、

それにファン・ミエ、」

「こいつはダメだ。

これが勉強すると思うか?今回の模試だって簡単だったのに成績落ちたんだぜ?」

突然ミエとジョンウクの”勉強”に矛先が向いて、ミエはポカンと口を開けた。

あまりの物言いに、ジョンウクが顔を顰める。

「おいお前・・」

「目を覚ませよ、このクソ豆は見込みがない」

「全ーー部時間の無駄なんだよ!時間の無駄!!」

完全に行き過ぎたホンギュに、ストップをかけたのはこの人だった。

「ベ・ホンギュ、言い過ぎだ。もうやめろ」

「は?」

遠くで雷鳴がゴロゴロと鳴っている。

もうすぐ荒天の予感・・。

 


第七十七話②でした。

 

おお!チョル!よく言ったー!

友達だけどこうしてビシッと注意できるの、すごいですよね!

それだけミエの存在がチョルの中で大きくなってきたっていうのもあるし・・ジーン

さぁ黒騎士は勝つことができるのか・・?!

 

第七十七話③に続きます


第七十七話①

2023-01-17 | 第七十六話〜第七十八話

かくしてバトルは始まった。

一回戦は、ジョ・ハンVSベ・ホンギュ!

ガガーン!!ドドーン!

早速ジョハンがホンギュにやられているが、ホンギュはというと、

このような楽々プレイスタイルであった。口笛まで吹いている。

 

防戦一方のジョ・ハンは、見るからに苦戦していた。

ホンギュは対戦中に「おーちょっとは上手くなったんじゃね?」と声を掛るくらい余裕である。

ドン!!

完敗・・・。

「ジョ・ハニー、やる気は認めてやんよ」「くぅっ・・」

「けど挑んで来るなら、お前も飯食うかゲームするかの日常を送らねーとダメだな」
 
 
悔しがるジョハンに、ホンギュはダメ押しのセリフを口にする。
 
「泣いちゃダメよ?ハニーちゃん
 
 
「心配しないで!私が仇を討ったげる!」
 

ジョハンの弔い合戦改め二回戦は、ファン・ミエVSベ・ホンギュ!

 

「俺指2本でやったろか?このくらいハンデ無ぇと無理だろ?」

「見くびんなよ!」

頭に血が上ったミエ。ホンギュに向かって啖呵を切る。

「あんたは知らないかもしんないけどね、

私が本気で集中したらマジでハンパないからね?!」
 
「へ〜おっそろし〜」
 

そして・・K・O

「あれぇ〜?集中できなかったんか〜?三試合目まで行くやついねーじゃん」

「くっ・・黒騎士!」

「早くヘルプの黒騎士をっ!」「えっ!ええっ?!」

ここでミエは、ヘルプ要員である”黒騎士”を呼ぶことに決めた。

ジョハンは後ろに控えている二人を見るが・・。

睨んでいるチョルを指名することは出来なかったようだ。

「え・・っとじゃあ僕は・・ジョンウクを・・」

「OK 一回頑張ってみるよ」
 
 
そして今度は、パク・ジョンウクが対戦することになった。
 
ジョハンとミエは目を煌かせて応援する。
 
「ファイティーーン!!」
 

ホンギュはジョンウクを見て声を掛ける。

「おぉ、オメーか。

他のことは知らねーけど、ゲームでは俺に勝てねぇと思うけどな。
 
時間を無駄にしねーで家に帰って宿題でもしたらどーだ?」

「ううん、やってみるよ。俺、こういうの好きなんだ」

”こういうの”が何を指すのか不明瞭だ。ホンギュは疑心の表情をした。

学校もマンションも同じこの友人と、ゲーム機を挟んで彼らは敵となる。

「そうかよ、負けて拗ねんじゃねーぞ!」

かくして三回戦は、パク・ジョンウクVSベ・ホンギュ!

真剣に画面に向かうジョンウクに、ミエとジョハンは声を上げて応援した。

「うわぁ〜!がんばれーっ!」

「勝ーて!ファイティン!」

少々熱が入りすぎだが・・・。

「勝ってっ!勝ってっ!わっしょい!わっ!」「がんばれ!がんばれ!ファイティン!」

高速でジョンウクの手が動く。

そしてミエの手はというと、応援に熱が入りすぎてよろけてしまったので、

チョルが支えてくれたところだった。

ドドーン!

画面の向こうで炎が上がる。

現実のこちらでも、若干体温が上がっていた。

「あー・・」

「おい、どうしたよ、久しぶりだからか?動きがぎこちねーぞ」

「はは、サンキュ」

少しぎこちないチョルとミエ、そして火花散るジョンウクとホンギュ、

それに気づかず応援の声を上げるジョハン・・。

「がんばれがんばれ!ファイティン!」

戦いはまだまだ続いている・・・。

 


第七十七話①でした。

 

ホンギュ、ゲームが超上手いんですね〜!

サッカーが好きでゲームが好きで、それでも塾でSクラスだから成績もそこそこ良くて・・

何より表情がくるくる変わって、私すごく好きなんですー

回を追うごとに登場人物の人となりが分かって面白いですね

そしていまだにジョンウクはよくわからない・・本当に裏はないの・・!?(まだ言ってる

 

第七十七話②に続きます