ミエの人生初プリクラの出来はというと・・・・。
ハジメテノ・・・プリクラ・・
大暴れした誰かさんのせいで、全ての写真がブレていた。
誰かさんは後ろめたそうに、壁の方を向いている。
「あっちゃー何これ」「ミエ、魂完全に抜けちゃってる」
「キングコングが暴れたからなぁ〜」
ソンイの言葉にすぐそう反応しかけたチョルであったが、
目を点にしたままのミエの姿を見て、
その先の言葉を飲み込む。
「わ・・わかったよ!撮ればいいんだろ撮れば!」
[ミエ、この子撮るってよ]
<これどうなっちゃったの?>
なんとか希望は繋がって、四人はもう一度プリクラを撮り直すことになった。
しかし小銭を入れようとした矢先、機械が不具合を起こした。
「あれ?これどうなったの?」
プリクラ機の前、撮り損なった写真、それは全てチョルのせい・・。
重たい口が開いた。
「そ・・・それじゃ・・・」
この言葉を口にしないと、ミエは睨むのをやめてくれそうにない。
チョルは汗をダラダラ流しながら、喉に突っかかる言葉を絞り出す。
「今、一緒にもう一枚撮るか・・?」
「じゃああんたが払ってよ。私へのプレゼントに」
「え?あぁ・・プレゼント・・」
チョルがミエの言葉を繰り返すと、ミエはチョルを睨むのをやめた。
首をゆらゆらと振る。
確認するようにチョルを見るミエ。
チョルもそれを真っ直ぐ受け止める——・・・。
ドン!
ドドン!
ドドドン!
画して二人はプリクラを撮り直すことにした。
不自然に突っ立っているチョルに、焦ったそうにミエが促す。
「ねぇ、もうちょっと寄ってよ。画面がちっちゃいんだからさぁ!」
仕方なくミエの方に一歩近づくチョル。
「もっと!」
「もっと!」
チョルは恐る恐る、ミエに自身の足を近づけた。
しかし画面で見ると、二人の体は全然近づいてない・・・・。
「あーもう!」
焦れたミエが、チョルのシャツを掴んで引っ張る。
「屈んで!もっともっと!あんた一体何を食べたらこんなに大きくなんの?とうもろこし?
再び二人が離れたところで、プリクラ機の指示が飛ぶ。
「カメラを見てね〜1〜2〜」「早く早く!ポーズして!」
どこにあるのか分からないカメラを探して、右往左往する二人。
仕切り直した二人のプリクラの、シャッターがカシャッと鳴った。
第八十九話⑤でした。
罪悪感でしょげてるチョルが可愛いですね笑
でもちゃんとフォローしてえらい!
無事に撮れますように・・
そんな八十九話の扉絵はこちらです!
ミエとソンイ・・でいいんだよね!?
90年代の二人〜!可愛いですね〜〜
第九十話①に続きます