今年の夏休みは、金沢に行ったことがなかったのと、能登半島めぐりもしてみたかったから、移動的にちょうど良い和倉の加賀屋に2晩泊まることにした。
正月から古窯、そのあとの福一、そして加賀屋となぜか今年は合間合間に大型旅館が多い。だから、加賀屋だけの夏休みじゃ寂しいかなあと、急遽山中温泉にも一泊追加することにした。
山中温泉は少し期待していたんだけど、泊まってみればあまり期待していなかった加賀屋の方が逆にヘルスセンターみたいでけっこう面白かった。
なんで加賀屋が期待できないかと言うと、料理なんかは1000人規模の客を賄うのだからどうしても大量仕入れだし、だから小さな宿の腕のよい料理人が吟味して選ばなかった食材も仕入れてどこかの部屋にでることになるでしょ。それに温泉だって公衆浴場並みになるはずだし。
でもそれならせめて福一ぐらいであってほしい、古窯みたいだといやだなあと思ってた。
だから二泊目は夕食を辞退して金沢まで美味しいものを食べに行こうかと相談したんだけど、即却下。
金沢まで電車でも遠いし、宿代がもったいないとのことでした。
実際は、普通に美味しかった。でも微妙な温度の料理は出せないやね。熱くてもだめ冷めてもダメという料理は。固形燃料にマッチで火をつけるのを「あ~あ」と思いながら見てたけど。
泊まった部屋は「客殿」。
雪月花とか渚亭の感想はよく見かけるけど、客殿は少ないのでちょっとは参考になるかな。
加賀屋の部屋のグレードは5つあって、下から「能登本陣」「客殿」「能登渚亭」「雪月花」そして雪月花の上に12室ある「浜離宮」。
そう言うと「客殿」は貧乏部屋かと思うでしょ?
まあそうなんだけど・・・いやいやそんなひどくはなくて普通。少し古いけどね。
でも「浜離宮」だってそんなに威張れないんだな。値段だって驚くほどには違わないだもん。一泊30万とか言われれば「おお~」ともなるけど、小さい声でいうとね、場合によっては5万円台から泊まれるのよ、HP見てみ。
一般の雪月花でも部屋食じゃなくて食事処になったり、いろいろパターンがあるので、雪月花より能登本陣の宿泊者のほうが清算で高くなることもありうるわけですね。
客殿の部屋と食事だと、そうだなぁ、関東で2万円弱くらいの宿をイメージすればいいのかな。「次の間」をつけたければ渚か雪ですね。それで3万までいくか微妙。それが自分の感想。
食事中に専務とか料理長とか、あと誰だったか挨拶に来られました。みなさんどなたからも「連泊していただいて」と言われた。たぶんね、部屋のランクごとに女将、中居さんの偉い人、管理職など総出で挨拶に回ってるんじゃないかな、どうだろ。女将は浜離宮担当だろうけど。
そんな気を遣わなくてもいいと思うけど、喜ぶ人もいるんだろうね。
楽天だったか口コミで「雪月花に泊まったのだから上客だろ、他の客と比べてなんの特別感もなかった。それに飲み物が高い。金持ちでも100円は同じだ」って、意訳するとこんな感じで書いてあって、笑った。
自分で金持ちって言うのも面白いけど、加賀屋の方も客の気配を読んで金羽織でも着せてあげれば良かったのに。ヘルスセンターで金羽織を着て歩くようなもんだけどね。
館内については、玄関を入ると左にフロント、正面がロービーで琴の演奏あり。そのロビーの手前を左に折れると土産物屋が両脇にいくつもある。それを抜けると各館に分かれるコンコースがあって、正面はディスコ?や祭り小屋、右手前側には居酒屋、食事処。それに挟まれた中央にステージとラウンジがあり、その上に浮かぶようにオープンバーみたいな作りのカクテルとか飲ませる円形のバー。そしてその奥に透明なエレベーターが上下している。
大浴場は、やはりヘルスセンターだな。でも源泉は別途飲めるようにしてあるし(しょっぱ過ぎるけど)、放流型の循環・塩素風呂。いつもは「塩素ぉ~・・?」という顔をしてますが、ここは塩素推奨(^_^;)。
バスタオルは常備だけど、フェイスタオルは部屋から持ってきてくださいとのことですが、洗いなおしたフェイスタオルが端に積んでありますので、洗い直しが気にならない方は手ぶらでもOK。
無料の高級マッサージ器3台設置。
大型旅館なので、お約束の「ラーメン」をリサーチしてみようと館内の「とと楽」へ行きました。旅館のラーメンは大抵、素人が作ったような褒められない味なんだけど、加賀屋はどうかな、と。
うまいッス。商売になる味です。ちゃんと料理人が作ってました。
全体的にはにぎやかな造りで活気もあります。夏休みというのもあるんだろうけど、催し物も盛りだくさん。子供は喜ぶと思うよ。和倉全体でやってる宿泊者用のお祭りみたいのもあって、旅館ごとの送迎バスなのに融通し合ってるし、なんか和倉温泉全体の団結感さえ感じましたね。20分くらいのナイトクルーズあり。500円。
それに中居さんが良くやってくれる。まあそれが売りの旅館だけど、館内のイベント等で何をどこでやってるかきちんと把握していて教えてくれるし、聞くと「確認してまいります」、なんてことは言わないで即答。
バスターミナルの場所を聞いたら「送迎バスを出します」って言われたけど、歩いて5分だよ、要らないよと思ったけど、乗っちゃった・・。
途中に総湯があるけど、新しい建物で、入ってみたけど普通のお風呂。特に行かなくてもという感じ。
チェックアウトの時間はもうごった返しています。一番うしろのお辞儀90度が加賀屋の女将さん。
普通の女将は一番派手できれいな着物を着てるけど、こちらの女将は地味目。
着物に頼らなくても、有名だからね。
電車で帰るときなんか、中居さんが送迎バスに乗り込んで荷物運んでくれるし、電車の座席に座ってホッとしながら窓をみたら「え?」って感じ。ホームまで入ってお見送りしながら手を振ってた。
さすがに、おかしーいだろうと、ちょと思った。
ウチの奥さんケチなので「どうせ空いてるんだから自由席でいいよ」と言ってたけど、一応自分が念のため指定席にしといたんだけど、その中居さんが手を振ってるのを見て
「あぶね~、自由席じゃなくてよかった」
「グリーン車にしようとは思わなかった?」とか、のたまわってました。
アナタハ、ナニヲイッテイルノデスカ?
そういう訳で、宿代の高いと思う部分は人件費なんだろうな。地域も活性化させているし。
最後に、もし海側の部屋に泊まったら楽しいことを一つ教えます。
「かっぱえびせん」を窓から投げると、カモメとお友達になれますよ。
確かに日本一かどうかは別にして、大型旅館でこういう所は他にないかも。