貴船の方は「とこ」で鴨川は「ゆか」っていうんだよ、と京都出身の友人に言われた。
川床(かわどこ)と納涼床(のうりょうゆか)のことです。
しっかし、あぶなかった。台風18号のせいで日程がちょっとずれたら鴨川が川床状態になってたところでした。
今年は夏休みに最初に予約したのが京都だったけど、暑さをいくらかでも避けようと9月に入ってからにしていました。
そうすると9月までが長い。
ぽつん、ぽつんと熱海やら舘山寺を入れてしまったから今年はバラバラとした夏休みになってしまい、結局京都は普通な秋の旅行な感じ。
京都はもう20年以上行ってないかな、そもそも観光した記憶は数回しかないんだわ。
若いころGWに18切符で行ったとき、京都駅の「みどりの窓口」で並んでいた前のカップルが1泊1人3万とか言われてるの聞いて、そーっと列を外れたっけ。
当時の1泊3万なんてとんでもない金額で、それこそ異次元の金融緩和気分。
最近の1泊朝食のみで7万円レベルの星のや京都(JTBパンフ)、それ以上かな。泊る気が萎えるね。
そんな若者もすっかりオッサンになって、夏休み3か所に全力投球。
ここ数年、あちこち旅館に泊まっては飯がどうのサービスがどうのと呑気な事を書き連ねている次第ですが、まあ、行けるうちに行っておこうと。
京都については事前に地図ガイド本、羽田さんの番組、詳しい友人などから情報収集しました。
結果、京都は観光資源の宝箱やぁ~、ということが改めてわかったのでザットでも2泊3日で全域は当然無理。エリアをおおむね東山に絞りました。
実は京料理というのを食べたことがなくて、伊豆あたりで京懐石料理と謳っている宿もありますが、それがほんとに京料理だったのかがわからない。だから食べてみたいなぁと。
そんなことを京都に詳しい友人に言ったら、瓢亭か吉兆に行ってみれば言われました。
へ? ひょーてー? きっちょお~?
い、いや、それは次回にするわ、ということで今回はぎおん畑中で2食付。
でもここに泊まったおかげで、朝晩2食を2回、京都の味を体験。
まずはここでの食事が京都料理の基準になるんだろうな。
他の京料理を食べた時に、畑中よりおいしい、とか、落ちるとかみたいに。
伊豆の宿の料理との違いもなんとなくわかった気になった。
とにかく手のかけかたが、やはり伊豆の懐石料理と微妙に違う感じがした。
伊豆は食材が豊富だからまずは材料の力が大きい。京都は乏しいとは言わないけれど、「であいもん」といわれるものなどのように食材の持ち味を組み合わせてみたり、味付けもところどころ薄味であったり甘味が強かったりの印象。
ただ甘いと言っても京都は甘く感じさせたらその味覚をすぐ引っ込めて余韻を残す手口っぽい。
言ってみれば繊細、優雅、上品で、他の言い方すると、女っぽいかな。
なーんて偉そうに書きましたが、これは
「個人の感想です。」
突っ込みは認めません!
夏はどうしても「鱧(はも)」がでるのは仕方ないのですが、好みでいうと避けたい方なんですが、畑中では柳川で出てきました。へえ~と眺めながら頂いたところとても美味しかった。鍋を持ち上げたら固形燃料ではなく炭火を使っていました。
一泊目も二泊目も、もちろん内容は変わりますが、料理の雰囲気は同じ。引き出しが沢山あるんでしょうね。
二日目の食事を一日目に配膳しても変ではないと思った。
もちろんわかる人にはわかるんだろうけど、自分には分からない。
他に「にしんそば」「いもぼう」や定期観光バスで寄った白川院というところで食べた昼食、そして甘味や帰りに電車で和久傳の弁当も食べてみた。
白川院
なるほど。
京都というところは「食」と「庭」に命かけてる所だね、と京都初心者の自分は思った。
ぎおん畑中のロケーションはとても良くて、東山から錦市場あたりまでを回るには非常に便利。また、二年坂、産寧坂の喧騒から宿にもどり、短い石段を玄関まで上るあいだに気持ちも落ち着いてくるから不思議。
部屋は標準離れタイプで。こじんまりしているけど、自分たちには適度な空間でした。
トイレの締め具がこれ。面白いですね、いろいろ考えているみたいで。
欄間とかもね。
床の間の生け花を二日目は変えてくれていた。
中居さんも若いけどしっかり。次の機会があれがまたお願いしたいくらい。
お風呂(大浴場)がね、これは温泉宿ではないので仕方ないけど、ちょっと狭い。でも泊まっている人数が少ないから混んだときはちょっとやり過ごせば人が引いて、独り占めにできました。
宿に泊まってゆっくり過ごすというならもっと京都の奥の方の宿かもしれないけど、観光もするならとても良い宿でした。
そのうちまた夏に京都に行って、こんどは川床のやってる宿に泊まりたい。
そうそう、吉兆や瓢亭もね、お金ためて。