落合楼村上に泊まってみた 2017-05-20 22:31:22 | 源泉掛け流しの温泉 2017年2月、以前伊豆に大雪が降った日以来の宿泊です。 いつも思うけど、ほんとにここは女将さんを筆頭に感じ良い方ばかりです。 奥で湯気の立ち上っているのが無料のとても大きな貸切露天風呂。 そういえば昔湯船に眼鏡を落として、翌日番頭さんが見つけてくれたっけ。 今回の驚きは料理でした。 絶対レベルアップしてると思う。
湯田中 仙壽閣に泊まってみた 2017-05-20 21:36:01 | 源泉掛け流しの温泉 2016年12月30日から17年の1月2日チェックアウトまで3泊。 まず湯田中の共同浴場に入ってみたくて最初の一泊は「安代温泉」の「和風の宿 ますや旅館」へ1泊してから、「仙壽閣」へ移り2泊。 湯田中と言ってもそう広くは無いエリアに「湯田中温泉」であったり「渋温泉」、仙壽閣のある「上林温泉」等々いくつも温泉があるので湯量は豊富な場所です。 「安代温泉」の周辺には有名な「金具屋」もあります。 宿で共同浴場の鍵をかりて湯めぐりができるシステムです。 午後3時くらいだとまだお湯をはっている最中だったりするので肩まで浸かれない場合もあるみたいですね。 このエリア以外の住宅街にもいたるところに共同浴場があり、翌日仙壽閣のある上林温泉まで歩いていったのですが、その間数か所発見しました。 もしかしたら草津よりも多いかもしれない。 街なかは昭和の面影が結構リアルに残っています。夢の中で、子供の頃に戻った自分がふわふわ路地を彷徨っているような不思議な感覚でした。 この宿は、小さい宿で、その中でも広縁のない部屋だったのでちょっと狭かったかな。 翌日、テクテク40分くらいかけて上林温泉の仙壽閣に。 時間が早かったのでフロントに荷物を預け猿達のいる地獄谷温泉へ。 仙壽閣から一本道で数分歩いたところが入り口ですが、そこから凍結した道を結構歩きます。 猿が入浴している温泉の手前で、滑ったのか消防隊員に担架で運ばれている中国人?がいました。 外国で怪我するなんて気の毒です。 仙壽閣は2回目ですが、今回は離れとのこと。 この宿は和洋のバランスが良くシンプルで落ち着いた雰囲気が気に入っています。食事は居心地のよいレストランで、料理も多すぎず少なすぎず美味しいです。 たしか去年は昼に食事をしているのを見かけたので、聞いてみたらランチはやっていないとのこと。残念。
湯布院 亀の井別荘に泊まってみた 2016-10-10 16:42:48 | 源泉掛け流しの温泉 「湯布院の良さは田舎者にはわからない」という言い回しがあります。 「湯布院のよかとこは、田舎もんには分からんにー」(適当) みたいな感じですかね。 その意味は、湯布院が田舎だからだそうです。 田舎の人間には田舎の良さがわかりにくいと云うことでしょう。 バブル後の不況の中で苦戦していた地方の女将さんが視察に来た時に「なんだ、ただの田舎じゃない」と驚いて帰ったという話もあるようです。 その「田舎」を一反一億円と言われるほど土地の跳ね上がったバブルの時代に、開発の勢いから湯布院を守るため苦労をしてきた話はNHKでも番組になったので有名ですね。 結果、湯布院は湯量だけは豊富な寂れた湯治場から全国区ブランドへと展開したようで、行きたい温泉地(オンライン総合旅行サービス「DeNAトラベル」)のアンケートでも東の草津に並んで西の湯布院に選ばれています。江戸時代の温泉番付は圏外ですから大躍進です。 でも首都圏の人間だからと言って田舎の良さがわかるとは限らない。自分はどうなんだろう、と思い立った訳です。 取り合えず湯布院で検索してたまたま最初に現れたのが亀の井別荘でしたので選びました(高そうだけど)。 ただこの御三家と言われる宿の経営者が湯布院を守るための一翼を担ったともありましたので、せっかくだからということで。 ところが行く直前になってつらつらこの宿を検索していたら4年ほど前にUPされた結構な辛口のブログ記事があって、それがまた上手な写真とともに読むと頷ける内容でしたので、期待値のテンションが大分下がっていました。 「亀の井別荘に泊まった人のブログの感想 」の内の一つで、「亀の井別荘 私的生活日記」で検索できますが、いやすごい。 たしかに料理の写真をみると美味しそうには見えないものもいくつかありましたから、そうなのかなぁと。 亀の井別荘を褒める記事ならプロらしき人も含めてたくあん、いやタクサンありますが、この女性ブログ主は厳しい。 どこかで少し褒めるのかと思いきや、一気に突き抜けています。 指摘する一つ一つには確かに問題点もあると思うのですが、なにか一段深いところで勘に障ったところがあるのじゃなかろうかと、思います。 自分には「ほかの客の感想」という点でとても参考になって何回も読んだし、たぶん宿にとってもこの記事は逆に良いのではないのかな、とも思います。 宿に対する指摘は役に立ちそうですし、読んだ人が訪れてみれば「思ったよりも良かった」という事にもなりそうですしね。 勝手な詮索ですが記事を読む限りでは、この女性が普段利用しているレベルの宿からすると普通すぎるサービスの割にちゃんと出来ていないところが多く、その割に当たり前のことをいかにもサービスがましくされたように受け取り、片腹痛いような感じになったのかもしれない。見当違いかもしれませんけど。 そんなんで、過度の期待を持つこともなく泊まってみたのですが、それが良かったのか、事細かにチェックできる能力が無いせいなのか知りませんが、自分はこの宿が気に入りましたし、また泊まってもいい宿だなと思いました。 前置きが長くなりましたが行き方です。大分空港からバスで湯布院の駅まで行きました。そこから20分ほど歩いて韓国語が飛び交う賑やかな湯の坪通りを抜けて、奥に折れると亀の井別荘へ入る石橋あります。先に目をやるとロータリーになっていて、左が天井桟敷や土産物の鍵屋。右に周るとよく写真でみる小さな茅葺の門があります。 着いたのが2時ころで、少し早かったから宿のスタッフに荷物を預け、鍵屋、食堂の湯の岳庵をみて、天井桟敷へ。 湯の岳庵のメニュー、そんなに高くない? 天井桟敷のコーヒーは一口飲んだところ口当たりがマイルドで美味しいと思いました。これはコーヒーよりも水ですね。水がいいんだと思います。コーヒーも売っていますが、持ち帰って淹れても同じ味にはならないよ、たぶん。 その後天井桟敷を出てから金鱗湖周辺を歩いて宿に戻りました。 門をくぐって玄関までの前庭は敷き詰めた砂利になっているのですが、その砂利を枯山水の波のように掃いて打ち水がしてありました。荷物を預けた時との変化にきちんと迎えられたような気がして心地よく、遠からず、近からずの玄関までの程よい距離を波を崩しながら歩きました。結局この印象が宿の大部分を占めることになりました。 時間をつぶした割には少し早めに入ったので、ロビーで茶でも出るのかなと待っていたらすぐに部屋まで案内してくれました。ちょっと焦ったけど。 離れでも8畳と6畳の部屋にするか8畳と9畳にするか迷ったのですが、安いほうの8畳と6畳にしました。8畳はちょっと狭いかなとも思ったのですが全然そんなことはなくて、畳も一枚一枚が大きく板の間もあるので2人では十分な広さでした。 逆にこれ以上部屋が広いと自分は嫌です。 角のスペースに広縁が取ってあり冷蔵庫に手が伸ばしやすく良いのですが、庭を眺めるという場所ではないかな。 洗面所は普通ですがタオルを乾かすヒーターのようなものがありました。これは要るか?と思いましたが冬は寒くて乾きにくいのかな。 タオルはさすがの今治タオル。 でもこのタオルは厚いからあまり好きじゃなくて。 宿の持って帰ってもいいタオルを置いてくれるとありがたかったりします。 でもこんなこともあるので、実はタオル持参してます。今回は仙壽閣で貰ったタオル。まあ、自分の都合です。 普段は使わないのですが、たまたま髭を剃った顎がヒリヒリしたときアフターシェーブローションを探したけど、そういうアメニティーは部屋には置いて無いようです。 こういうのは他人とは共用したくないので無くてもよいですが、使い捨てのクリームかなんかが置いてあったらと、少しですが思いました。 洗面所が部屋風呂の脱衣所にもなっていて、部屋風呂を覗いてみると木枠の湯船に温泉が注ぎ込まれていました。ちょっとテンションが上がりましたね。好きなんですよ、これ。 ざっと室内を見回してみると、ちょっとした既視感。 そう、伊豆長岡の三養荘の新館の部屋にかなり似ていますね。三養荘は好きでかれこれ5回程泊まっているので、同じタイプのこの宿にもすぐに慣れることが出来ました。 三養荘も内風呂が源泉かけ流しでいつも湯船から溢れていてお気に入りなのですが、ここはさらにドアがあり、外に出ると木のチェアーが置いてあるので(ちょっと汚れてるっぽいけど)ノボせても涼めます。結構気持ちよかった。 いままでで内風呂に入ったのはこの二つの宿だけです。 全体的に居心地の不満はありませんでした。 ちなみにこの宿は金鱗湖のすぐそばなので、1人で出てみました。 湖というより「池」ですよ。 宿の方に金鱗湖は外国の方が多いですねと言ったら「名所というほどのものではないんですけど」と笑っておりました。 その脇に下ん湯という共同浴場があります。200円。 もちろん入りました。 一部露天になっていて、しかも混浴なので女性はおりませんでしたが、最高です。 隙間から池、いや金鱗湖がみえるので、向こうからもみえるかも・・。 味のある共同浴場でした。 問題の料理です、先のブログでコテンパンの。 ブログから4年は経ってるものの配膳はやっぱ遅くなるのかなぁと覚悟していましたが、そんなことは全くなくむしろスムーズに流れたので驚きました。結構改善しているのかもしれません。 給仕部屋付属の離れなので、厨房との距離はそれほどは関係はないような気もがします。配膳が遅かった時はなにかしらのトラブルがあったのかも。 突然思い出しましたけど、大昔にタイのパタヤにあるロイヤルクリフというホテルのロッシーニという名のイタリアンレストランで、夕食を取った時に料理が出てこず1、2回催促はしたものの、結局最初の料理まで2時間待ったことがありました。友人と話が盛り上がっていたせいもあったのですが、それにしてもすごいでしょ、2時間。すげーな俺たちって、なんか誇らしげな気分になった気がします。 まあ、そんなことはともかく、ここは日本ですよね。 料理の内容を一品づつ。細かい説明はいたしませんが、どうでしょうか。 この薄くて軽いグラスですが、最近よく見かけます。 昔福島の野口英世博物館の前にあるガラス館みたいなところで買った記憶があります。意外に割れにくかったです。 このおすましですが、出汁の香りが少し弱く若干ぬるめでした。 しかし、帰りがけに玉の湯の「葡萄屋」でランチをとりましたが、そこでもホボホボ同じようだったので、そういうもんなのかな。 見た目はちょっとと思いますが、茄子のほうは味付けが薄かったので茄子の味自体が感じられました。 焼き魚は太刀魚です。ゴボウの乗せ方があれですが、この魚は好きなので肉厚ですし、よしとします。 豊後牛。ヒレとロースを選べ焼き方も聞いてくれます。これはロース。 ただこのワサビはだめです。 自分は肉にワサビは必須なのですが、このワサビ、色も悪く量もオカシイと思いました。 実際全く効いておらず、自分みたいな素人でも見た瞬間わかるのにどうしたのでしょうか。 肉は脂が強いようです。これは先ほどの玉の湯、葡萄屋でも食べましたが、やはり同じなので豊後牛自体がそういう食感なんだと思います。 朝食。 なんと「のどぐろ」が。 肉厚でおいしいと思いました。九州でも獲れるんですね。時期はどうなのでしょう。 のどぐろというと日本海側のイメージがあるのですけど、そういえば亀の井別荘のそもそもは加賀のほうの出身らしく、土産物の鍵屋になぜか加賀の棒茶がありましたから、なにかしら繋がっているのかもしれません。 確かに3万円前後の宿ならともかく、5万円近くになる宿としてはお客さんの期待も高くなるので見方も厳しくなるのかもしれないですね。 ただ海もそう離れていないとはいえ山ですからね、ここは。 大浴場については、露天の岩風呂を建物で囲ったような内風呂があってプールのような綺麗な水色が記憶に残ります。庭に張り付いたような露天風呂は浸かった時の低い目線の位置からか、その庭と一体化した印象があり、嫌いではないです。日帰り入浴施設といわれればそうかな、とも思いますが、それは言わないで、というところ。 もちろんファイスタオル、バスタオルは常備ですが、フェイスタオルが2種類あります。厚めの今治タオルとワッフルタイプ。ワッフルが好み。マッサージ機が一台。 男女入れ替えあり。 泊まった部屋の正面に談話室があって、コーヒーとかセルフでいただけます。こういうやり方は星野グループの「界」と同じですね。どちらが先か知りませんが。 辛口ブログでは「勝手にやって飲み物」という面白い言い回しをしてましたけど、実はこれ、好き。 「勝手にやって梅酒」が無くなっていたので相方は残念がっていました。 面白いことに、辛口ブログの方と同じように感じたところもいくつかありました。思いつくままに言うと、玄関の靴ベラ、これいいと思いましたし、タオルを乾かすヒーターは珍しい、ですが自分は厚ぼったい機械よりも普通のタオルかけの方が好みですけどね。スタッフの方の対応が少し硬い。内風呂は気持ちが良い。すまし汁が少しぬるい。こんなところでしょうか。 宿の方の対応が少し硬いと書きましたが、皆さん立ち止まって笑顔で挨拶してくれますし、問題があるとは感じませんでした。一生懸命さからくる硬さのような気がします。うちの相方も中居さんと辻馬車の馬の名前がユキちゃんであるとか、金鱗湖の靄の話とかで盛り上がっていましたし、楽しく接客してもらったと思います。 初めてのお客さんだし、そこそこ硬さがあるのは仕方ないと思うんですよね。これが無かったのはやはり熱海小嵐亭のしずかさん。もうね、プロ。 相方がファンになったくらいで、なんなら握手をしてもらいたいくらいの勢いでしたね。そんな方もいました。 でもどうしても日本旅館の場合はそこに至るには何かしらの修行を経ないと難しいと思います。 またこれがホテルマンだと事情は違うと思うんですけどね。 ホテルというのはこちらが要求したことには完璧に応えるけど、なにも求めなければ何もしない。日本旅館はこちらが言う前に揃える、という印象ですけど。 ホテルはマニュアルに沿って個々人の要求を過不足なく、そのマニュアル感を出さずに満たしていく、旅館は客の動きに沿った環境をコントロールするというところが、もてなし方の違いかもしれないなぁと思う。 だからホテルの方がマニュアル化しやすい分プロ化もしやすい感じがする。 泊まってみれば結局、例えば、浴衣は目で測ってもらったようで大と特大を用意していただきましたが、できれば同じサイズを2枚置いてほしいなぁとか、灰皿が溜まれば取り換えてほしいとか、部屋で清算する宿もあるので何処でするか最初に教えてほしいとか、まあどうでもいいワガママはありますが、やはり全ては茅葺(かやぶき)の門から玄関までの気持ちの良い最初の印象、これが滞在時間全般を支配したように思います。 帰り際に友人に渡すためパンフレットとマッチをお願いしたのですが、頂いたその足で門まで見送っていただきました。 宿はそんな感じでしたけど、湯布院の町自体もユキちゃんの引っ張る辻馬車に乗って回ってきました。 知らない方、写ってますけどごめんなさい。 湯布院ってなにがあるの?と聞かれると温泉?由布岳?、大自然の中というわけでもないので答えにくいんですが、テーマパークもなく、歓楽街もなく、大規模旅館もないけれど、ただ道端にはコスモスの花が咲いているという、関東なら中央線のどっかの駅で降りたようなどこにでもある、まさしく「田舎」だったですね。 湯の坪通という賑やかな通りはありますが、どこの町でもメインストリートくらいはあり、無い方がむしろ不自然かもしれないです。そのかわりこの町は交差点でも信号がありません。 いろいろ問題を解決しながらこの田舎を守ってきたのでしょうけれど帰る時に乗った辻馬車の御者さんが、案内の話の中で「何とかやっていければいい(生活)」と言っていたことが印象に残りました。 ただ「田舎を守る」という戦略的な考えだけで湯布院の町づくりを行うのは、人の居ることですし、やはりそうは言っても難しかったのではないだろうかと思っていたのですが、なるほど、と腑に落ちました。 例えば一反一億円で土地を売ればその時は儲かるけれど、一億とはいえお金ですからいずれ無くなってしまうものです。そして田舎は戻ってこないわけです。 もちろん湯布院にもお金持ちは沢山いるはずですが、そういった経済力にかかわらずそれぞれの町の人が田舎を守りつつ「何とかやっていければいい」と暮らしていくことで、長い目でみれば一億円では足りないほど遠い先まで生活を続けていけるということになるのかもしれません。 そんなことを考えながら帰路に着くバスに乗り大分空港へ向かった、秋の夕暮れ。
草津 ヤングイン高松&喜びの宿高松 に泊まってみた 2016-10-10 15:13:50 | 源泉掛け流しの温泉 草津は本当に久しぶりです。 15~6年まえだったか、友人とこの「高松(旅館)」にも泊まったことがあります。 たしかその時はこの宿にもう来ることはないな、と思っていました。なぜかというと、案内されたのが確か色も褪せた6畳くらいの和室で、エアコンもなく、食事も寂しかったのを不満に感じたからだと思います。内湯は大きかったのですが、無理やりはめ込んだような露天風呂も落ち着かなかった。 その後、自分も年を経てですね、そういう昭和を残す旅館も良いかもしれないと思うようになり、郷愁とでもいうんでしょうかね、むしろそういう宿に泊まりたくなって今回予約しました。 そもそも草津は夏でもエアコンはそれほど暑くはならないのでエアコンがついてないのが普通だったようです。 都心部の夏は暑いというより、熱いと言った方がぴったりするくらいですが、9月に入ってしまったけれどやはり自然の暑さを草津の宿で、と今回は思っていました。 しかし、昔のままであるわけもないですよね。今回「高松(旅館)」はさすがに冷房完備(ヤングインは冷房なし)で、部屋もきれいになっていて、露天風呂もすっかり良くなっていました。 今回は一人部屋(四畳半の眺望なし条件)で狭いことは狭いですけどね。 ま、雨ばかりで暑くはならなかったので部屋の冷房はいずれにしろ不要でした。 ただそう言った変化もあるのですが、それ以上に他の旅館との比較ではなくこの宿単体で見て言えば、星5つ付けたいほど満足しました。 一体なにが良かったんだろうか?と考えてみました。 一言で云えば、きわめて庶民的で、まじめに客を受け入れているという印象でしょうか。 もちろん古くて100室を超える大型旅館で、トイレにしても男性用はロビーではなく2階へ上がらなければならないなど施設的な問題はあるでしょうしまた手違いや不手際もあるでしょう。 ただそういう不備を予算の許す限り手の届く範囲で少しづつ良くしていこうというような意志が感じられるのです。 エレベーターの傍に消火器がおいてあるのですが、これを和紙に毛筆で消火器と書いてくるみ置いてあります。高級旅館ではないので、バランス的にどうかなとは思いますが、なにかしら自分たちの営む宿に対する温かい気持ちが伝わってきます。この宿のように低廉な価格で客を受け入れる大型旅館ではなかなかこういうところに手をかけないのではないでしょうか。 夕食にしても限られた予算で組み立てるのは難しいと思いますけれど、テーブルにセットされたものは懐石風にして品数も多く、ご飯やみそ汁などについては自分でよそいに行くようなハーフバイキング的なスタイルで、その先にすこし華やかに見えるように鯉の洗いを置いてみたりする。味はともかく、というか、値段以上のものは絶対にサービスされないという当たり前のことから考えればかなり頑張っているのではないかと思います。 おそらく料理担当の方だと思いますが、食堂へ出てきてお客さんの反応もみているようでした。 残念ながらネットでの料理の評価をみると低めですが、頑張ってもらいたいと思います。 たしかに料理については大事だとは思いますが、そもそも宿泊先を草津に選んで料理を最優先するようなお客さんはあまりいないのではないんじゃないかな。 草津はまず「温泉」ですよね。自分は、レベルの高い料理を出されても困る、と思う。 温泉を第一に考えたときに、できるだけ「温泉」を楽しませるようにして、その邪魔をしない宿。その点がこの宿がアドバンテージでもあるのではないかと思います。 なので、設備が古かったり、ラッカーが剥がれているようなところが少しあっても全く気になりませんでした。 ただ、気にする方はすると思いますが、部屋がきれいで料理が美味しくて、って、じゃあどこにします? 奈良屋?草津ホテル?ての字や?大坂屋?・・・せっかく湯畑を中心に草津が広がっているのに、なんかその宿に隔離される気分になりませんか?好みでしょうけど。 高松(旅館)は外(湯畑や共同浴場など)との敷居が心理的にも低く宿の出入りがしやすかったです。 で、ここの温泉ですが、湯畑からの引湯で、源泉かけ流し、塩素消毒なしなので安心して入れます。 当然清掃が長くなるのは当たりまえのことですが、清掃終了後に一番風呂にはいるのはやはり気持ちがいいですね。露天については五右衛門風呂、小さくした岩風呂、木枠の風呂があるのですが、木枠の大きめの浴槽は温度をすこし下げて温度も変えているようです。浴槽のバランスも昔にくらべるとかなり良くなっています。 そして自分的には最も評価の高いのが、この宿の位置。 湯畑から300mほどですが、比較的静かで周囲にも共同浴場が見つけただけでも5つあります。近い。 なおかつ入浴施設の「大滝の湯」もすぐそば。 もちろん、西の河原温泉、御座の湯も徒歩圏内。 食堂も292号沿いの「みやたや食堂(定食)」やちょっと登ったところにある「どんぐり(洋食)」が美味しかった。 「草津熱帯園」も大滝の湯の先にあって近いので帰り際に寄ってきたので、自分的には絶好のロケーションでした。 そしてこの高松本館から100mほど先に「ヤングイン高松」というのがあるのですが、先にこちらに2泊しました。 当然本館の温泉にも無料で入れますし、ロケーションも絶好。 ただ、覚悟のいる玄関ではあります。 写真で見た限りでは、料金も料金なので部屋がベット以外にスペースは無さそうな写真だったし心の準備は出来ていたのですが、実際はベッド手前に畳2畳ほどはスペースがあり、ちょっとしたワンルームマンションぽかったです。 部屋に入った瞬間、おおーっと気分高揚。アジアの宿に飛び込みで入った旅行感がありました。しかも日本語通じるし! まあ当たり前なんですど。 近くに煮川の湯の共同浴場があり、ここがお気に入り。熱いですよ。 同じ煮川の湯を引湯している大滝の湯の合わせ湯のうち、一番熱いのが47度で、それよりも熱い感じがしますので、おそらく48度くらい。 お湯の中で「1人そろって3分」つまり180数を数えたんですが、それ以上は火傷するかも、と思いました。 時間湯にもトライしようと思っていたのですが、時間湯は50度から湯もみで少し下げてもたぶん49度ちょっと。 心が折れ、時間湯はパス。 でもいつかはクラウ・・じゃなくて、いつかは時間湯したい。 宿のタイプがタイプだけに自宅から外にでるような気分になっていたのですが、できれば自炊できるように電子レンジがほしいなぁ。 車で来て持ち込んだらどうだろうか、とか思いました。 この宿もプライベート感たっぷりで満足でした。
白骨温泉 齋藤旅館に泊まってみた 2016-09-25 13:42:12 | 源泉掛け流しの温泉 2016年8月。 数年前に白骨温泉の「白舟グランドホテル」に泊まった時は、楽しみにしていた共同浴場が閉鎖されていて入浴できず心残りでした。 今回こそと期待をしていたのですが、「がびょーん」という死語を復活させたくなるほどがっかりしました。。 平成29年までの2年間は改修で閉鎖だそうです。。 今年の夏は久しぶりに高原で、ということもあったので、気を取り直して周辺観光しました。 乗鞍という場所柄当然のようにいくつか散策エリアがあるのですが、向かったのは三本滝こーす。 所要時間1時間15分の短いコースなのでゆっくり歩いてきました。 ある程度進んだところにちょっとした滝があるのですが、まあ「滝は滝だけどちょっとショボ」と思ったらその先に吊り橋があって、さらに上ると「あ、ごめんなさい」とう感じの3本の滝が落ちていました。 巨大ではありませんが、品のある滝でこんなに近くまで寄れました。 翌日はバス(マイカー乗入禁止エリア)で乗鞍岳畳平へ。 うまく言えないけど、ここの空気、好きです。 宿自体は奥の自分の泊まった部屋までエレベーターを2台乗り継ぎます。客の要望もあるようで新たな通路を造っている最中で、骨組みが出来ていました。 泉質は含硫黄(カルシウム・マグネシウム・ナトリウム)炭酸水素塩の源泉かけ流し、加温はしているようですが自家源泉の混合泉だそうです。 2泊でしたが、数か月まえに相方が足の親指をぶつけて黒くなったままだったところがポロリと剥がれたようで、温泉効果だと喜んでいました。よくわからないので「さあ」とつれない返事をしておきましたが確かにお湯はいいと思います。 露天風呂もふくめ気持ちのより温泉でした。 食事はかなり残念。いっそのことレトルトのビュッフェにしたほうがよいと思うんですけど。 ウナギの柳川が沸騰しないので、風が当たらないよう動かしてみたのですが固形燃料2個使ってもダメでした。相方のは沸騰しましたが残したので、待っているうちに食べる気なくなりました。 どっかで見たことあるかもしれないけど、ネタとシャリの間にシソ入れます? 最初に始めたのだれよ。 でも従業員の方たちは一生懸命です。また。車で宿への戻るときに、仕事の終わった方たちが何人も宿から出てこられましたが、車に向かって挨拶をしていただきました。 いままで考えていなかったのですが、白骨温泉は湯治場としても一考の対象になると思いました。 しかし今でも白骨温泉に行くというと「温泉偽装のところ?」と言われるので、一度崩れたイメージを払拭するのは大変なことかもしれません。 当時マスコミは大騒ぎしてましたが、でも実際のところは地下水や川の水を温泉と偽ったような偽装ではないんですよね。たしか新たに掘削したか、配管を変えたかしらた温泉が透明になってしまった。宿としてはそのまま営業していたようですが、客が「なんで白くないの?」といちいち聞くので、面倒くさくなって白くしたっということだったと思います。白骨の「白」のイメージがあるのでしょうね。 当時のニュースをいまでも覚えていますが、宿のひとも全然悪びれてなく「あーダメなの?はいはいすみませんでした」という反応でした。 温泉側の気持ちもわからないではないですが、ただ白骨が寄って立つところのお湯を変えてしまうのは確かに良くないことですし、その温泉に対する愛着よりも商売を優先させてしまったことに気が付かなかったのでしょうね。 ただこれをきっかけに全国レベルで、温泉の循環・加水・加温・塩素消毒などの最低限の表示をするところが増えたのは喜ばしいことです。 -->
上林温泉 仙壽閣に泊まってみた 2016-09-24 23:52:42 | 源泉掛け流しの温泉 2015年の年末に行きました。 湯田中駅から広がる温泉場は比較的狭い範囲に湯田中温泉、渋、上林の有名どころをはじめとして新湯田中温泉、星川温泉、穂波温泉、安代温泉などたくさんの温泉名の付いた地区があり、これを湯田中・渋温泉郷と呼んでいるようです。それだけこの場所は湯量豊富ということだと思いますが、今回は上林温泉のホテル仙壽閣に2泊しました。 お猿さんが雪の中で温泉に浸かっている絵をたまに見たことがありますが、その地獄谷野猿公苑にとても近い宿でした。 和洋折衷のクラッシックタイプの宿なので館内の雰囲気もレトロで、室内プールもあり食堂でいただいく料理もおいしく、年末という時期にはぴったりの宿でした。 元旦はおせち料理をいただきましたが、とても美味しかった。 そしてここの内風呂は、温泉が男女を分ける仕切りの壁全面を伝って流れ落ち湯船を満たす造りになっていて、なんとも贅沢な気分に浸れました。 露天も雰囲気がありますが、やはり内風呂がいい。写真を撮れなかったのがすこし残念です。 例年は雪がかなり積もるらしいのですが、この年はほとんど無く、野猿公苑にも行きましたがお猿さんが寄り添って温泉に入っている情緒のある姿は見ることができませんでした。驚いたのは白人系の外国人が列を作ってもの沢山いたことでした。なんで?って言うくらいですが、おそらくネットでの情報のせいでしょうね。 この湯田中・渋温泉郷には共同浴場が九つあるそうで、今回は一つも入りませんでしたが次回はトライしたいです。
箱根 花扇 「早雲閣」に泊まってみた 2014-01-10 23:46:02 | 源泉掛け流しの温泉 年末、箱根に一泊することになった。 何年か前から箱根に行くと「花扇」という宿の看板が目に留まるようなって、こんな宿あったかなぁ、と思いながらどんな宿だろう??と調べてみらた結構お高い。 飛騨高山にある宿で「花扇」というところが箱根に進出したとのこと。 その後、高山の方の宿はテレビでも見る機会があったけど、館内に池みたいなのがあったっけ。 で、今回の「花扇早雲閣」はリーズナブルなタイプで、もともとは「早雲閣 頓狂楼」という宿だったのを買い取って営業している模様。つまり姉妹館。 この「頓狂楼」と言う名前は知っていて、宿名に「狂」の字が入るのが珍しいのと、お風呂が良さ気なので覚えていたんです。気になりつつもいつしかこの名前も聞かなくなったと思ったら、そういう事情だったようですね。 ケーブルカーを登った終点からすぐそばなので、ロープウェイに乗り換えるときに目に入ったことも何回かありましたが、見た目は民宿に近い旅館かなぁと思ってました。 今回は年末ということもあって、強羅のケーブルカーの乗り場がすごいことになっていたから、歩いて登ることにしました。 舐めてました。 ケーブルカーに添って舗装された600メートルの距離の道路ですが、氷も張っているところがあって、きつかった。 本来なら登り切ってから、さらにヘアピンカーブを大回りしなくてはならないのですが、右に少し歩くと「花扇」の玄関があって、ここも早雲閣の姉妹館だから近道があるかどうか聞いてみたら、「どうぞ、どうぞ」とのこと。 花扇の敷地を進んでいくとエレベーターがあったです。よかった。 斜めに登るというか、上方にスライドしていくエレベーターを降りるとすぐ早雲閣でした。 玄関はやっぱ民宿っぽいかな、と思ったのですが、入ってみるとちゃんと畳敷きになっていてロビーも広い。 ウエルカムドリンクの案内もされて、抹茶とかコーヒーとか四種類くらいから選ぶみたいです。冷たいものが欲しかったのですが無いそうなので、水を貰いました。 坂道を登ってきたのでちょっと汗ばんでて、パンフレットをしばらくパタパタさせてた。 廊下の歩く中央部分が畳敷きになっていました。今回の部屋は3F。3Fの廊下はちょっと狭いけど、部屋は洋間と炬燵のある和室。とても見晴らしがいい。 大文字焼きなんかもよく見えそう。 たぶん、たぶんだけど、頓狂楼のときは昔ながらの旅館にありがちな狭さとか、使い勝手の悪さとか、そういう居心地悪さみたいなものもあったのかもしれないけど、花扇が改良した感はあります。 中でちょっと分かりにくい部分も残ってたけど、この自販機はいい目印になりました。 んで、こちらに宿泊すると花扇の方のお風呂にも入れるらしいので、先に探検。 ていうか、下調べではお風呂はこっちの早雲閣のほうが絶対良いと思っているんだけど、一応確認を兼ねてね。 花扇の玄関は、なんか旅館としての色気がないような気がしたのと、フロントの場所が目立ちすぎる印象。 それと、ん、ちょっと細長い造りなのかな、この建物。 でもさすがに接客、館内ともに高級感あり。 案内していただいて大浴場へ。 内湯、露天、石風呂。 この石風呂が硫黄の匂いが少し強くて心地よい。しっかり温泉に浸かってる気がする。だぶんこれだけは源泉かけ流しだと思う。 折り返して早雲閣のお風呂に。 あー忙しい。 行ってみれば、やっぱりね。 いいお風呂だわ。 もちろん源泉かけ流しで、湯治宿の湯船っぽい。 温泉と冷泉にわかれているけど、要は敷居をまたいで少し冷めた方が冷泉。それでも40度くらい。 硫黄臭は少なめ。臭いが付いてもいいような服を着ていったけど特に気にならなかった。 お湯は茶色っぽくみえる。 フェイスタオルのみ常備。 料理は食事処で。飛騨牛A5だけど牛のブランドのことはよくわからない。スミマセン。 量はちょっと少な目だったかな。丁度良かった。 花扇があるから差別化しないといけないんだけど、そういう意味で早雲閣は料金相応だと思った。 ただ接客は差別化しようがないから花扇に併せて、良好だと思いますね。 花扇は丁寧に、早雲閣は雑になんてことはできないだろうし、二つの宿を行き来することもあるようだしね。 帰りの登山鉄道の車掌さんが楽しくて、面白い事ばかり言ってた。 若い女の子のグループが大受けしてた。 乗ったときはせっかくだからこの車掌さんに当たるといいね。
星リゾ 界 熱海(旧 蓬莱)に泊まってみた 2013-12-08 10:44:50 | 源泉掛け流しの温泉 なんで「界」という名前を付けたかと言うと外国人に発音しやすいためだそうです。 だけど「この間、kai atami]へ行って来た・・って、ん~、日本人にはどうかな。 口のすべりがちょっとな。 帰りに「滞在のご感想をお聞かせください」っていうカードを貰った。そこに書かれているp/wでサイトにログインしてラジオボタンを選択したり、コメントを書いたりするシステム。 ログインしてみたら質問が結構な数あったのでいったん閉じて、改めてログインしなおしコメントも熱心に書いてみたんだけれど、またその途中、家にお客さんがきて時間が空いた。 そのせいか、またはp/wの大文字小文字を間違えたせいか、全部終えて登録しようしたら「登録できませんでした。時間を空けて再度云々」だって。 「戻る」もできないし、書いたコメントも消えちゃった。 2回は書かないよね。 さて、この旅館ですけども、皆さんご存知の「旧 蓬莱」。ぢつは、自分が知ったのはそんな昔じゃないです。ネットで調べて「しったか」はしてましたけど、どんなところかなぁと興味大有りでした。 ちょくちょくHPをみてたりしてたんですけど、いつの間にか「蓬莱」が無くなって「星野」になってた。 おかげで敷居が低くなった気がしたけど、「アンチ星野」も多い昨今、どうでしょうか。 ただ宿泊したのが平日にもかかわらず満室とのこと。星野の勢いは有りそうです。 快速アクティーで熱海、そして送迎がないから小型タクシー。1,000円でお釣りくる距離。 熱海にはもう一つ星野リゾートで「リゾナーレ熱海」があるので、「界」の方お願いしますって。 宿に着いたのが15:00ちょっと回った時間だった。慌ただしくロビーでチェックイン、すぐ部屋に案内してもらった。東京から近いからここに直行すると早めに着いてしまう。だからチェックインは14:00にしてもらえるとありがたいと思った。 接客をしてくれるのは若い人たちで、中居さんとも番頭さんとも呼びにくい、従業員・・んー、「スタッフ」という感じかな。結構親切、丁寧で、明るいし一生懸命です。 例えば「青山やまと」とか「望水」のスタッフに感じが似てる。そのどちらも決して悪いところはないんだけど、この界熱海のスタッフの方が、より積極的。 だけど、この3つの宿のスタッフを入れ替えても違和感はなさそう。 泊まった旅館で記憶に残る中居さんとか番頭さんは、その宿と一体化してるというか、宿の個性が感じられるのですが、そういう意味でここはチェーン店的なマニュアルタイプかな。 部屋の前まで行くと、入口がシンプルで他の部屋と間違えそうだけど、どっかの口コミに他の客が部屋に入ってきたという苦情が書いてあったけど、案内をしてくれたスタッフがお客様の部屋は手前から何部屋目で、ときちんと説明してくれた。 口コミと言えば、トリップアドバイザーや一休なんかは結構評価が厳しい結果になってますね。 でもどうだろう、それを読んでみると大浴場まで階段がキツイとか、虫が飛んでるとか、そんなことは行く前から分かってることで、むしろそれはこの宿の特徴とか属性みたいなもんだから、評価とはちょっと違うんじゃないの?と思った。 階段は上から走り湯まで、この長さを大体3倍したくらいの距離。 途中、休む椅子とクッキーが置いてある。 その階段よりもダメだと思うのが、大浴場の古々比の瀧(こごいのゆ)。 入った瞬間、スケルトンな脱衣所(もちろん外からは見えないけどね)の奥に細長く湯船があって、その突き当たりにジャバラの屋根から白いシートが垂れ下がってるんだ。 なんか、避難所に作った臨時浴場みたい、と思った。 だれそれの設計とはいうけれど、これから時を経て味がでてくるとは思えないお風呂。 それに、満室だけに、混んでた。 宿は当然、満室にしたい。しかしこういう宿に来る客は、静かに過ごしたい。 双方が満足するための、パラドクス風なこの矛盾をかっての蓬莱はどうしていたんだろうか? もう一つ、このお風呂とともに、ロケーションはいいのだけれど、「青海テラス」もいま一つだった。 無料ドリンク入りの冷蔵庫が置いてあるけど、自分的には東屋風の造りにして、氷水の入った桶にドリンクが入っている方が宿に馴染むと思うけどね。一緒に野菜とか入れて。 この場所に涼み処を作ろうという着眼は正しいと思うし、宙に浮いたイメージにしたいのは分からなくもないけど、それなら木造を浮かした方が面白いんじゃない?清水寺みたいに。 しかしこれは好みなんだろうね。 でも所謂デザイナーズ系みたいな作りは、直線が多すぎると思うんですよ。飽きるって言うの? 自然・保養・癒しを売るんなら、ランダムな曲線のほうじゃないかな。自然界の中って直線は少ないよね。 大昔、ピンボールのPCゲームが出たとき、日本製のは実物に似せて作ってあったけど、アップルコンピューターのソフトは手書きのようなピンボール台でびっくりした。もちろんアップルの方が飽きないし、面白かったんだけど、これが日本とアメリカの差かなと思った。日本人は上手く曲線が使えないのかもね。 そんなことまで思い出した。 走りの湯のほうはよかったです。文句なし。 源泉かけ流し。 お湯が海の温泉にしては、べた付きがほとんど無い。 ついでに「ヴィラ・デル・ソル」にも寄ってお茶を頂いてきた。たまたま中庭のところにいた女性のスタッフに方向を聞いたら、加湿器を部屋に持っていく途中みたいだったのに、それを持ったまま嫌な顔もせず、長い階段を一緒に降りてヴィラ・デル・ソルの前まで連れて行ってくれた。 申し訳ない。 ヴィラ・デル・ソルでは係りの女性に写真を撮ってもらったんだけど、一枚撮ってくれて、フラッシュの押さえ方を聞かれたみたいだったんだけど、よく聞き取れなくて「あ、一枚でOKです」とカメラを返してもらっちゃった。カメラに詳しい方みたいよ、と妻に言われ、失礼してしまったと思いました。 申し訳ない。 ホントに此処のスタッフは良くやってくれる。「星野リゾート」もこれ以上スタッフに努力を求めるべきではないような気がする。むしろあとは星野のほうでスタッフのこれからの将来のために、彼らの個性やら能力を引き出してあげる努力をすべきだと思うな。 「星野リゾート」はここしか泊まったことがないので、ここに限って言えば、自分はこの宿の「星野リゾート」的な部分が「ちょっとな」と感じた。まあ、そういうのが好きな人もいるんだろうから、それでいいのかもしれないけどね。 かってのサロンらしきところは、一般客にも開放しフリードリンクが置いてあった。 なんか梅酒のサービス(有料?無料?)がどうとか説明された気がするけど、スタッフがいなかったからよく分からなかった。 「星野」らしいところは、滑らないハンガーだったり、グラスも極薄で軽いもの(星野リゾートってこういう小物にこだわるよね)を使っていたり、館内の案内は冊子ではなくて、なんとiPadなんだわ。 「iPad」、これはサービスとしては退化だと思うよ。冊子とiPadとだったら、どちらが情報に早くアクセスできるかっていうと、この情報量ならシーケンシャルで、ビジュアル的にも優れている冊子の方でしょう? 総じて昔からの建物、部屋では至極落ち着くし、食事も選択式で純和食も置いてくれればまた来たいと思う。 蓬莱の名残りもあるし。 そうそう、お食事。 これが難しい。 美味しいですよ、実際。 洋風味の和食っていうの? 料理長は蓬莱時代とは変わって、洋食も和食も共に出来る優秀な方らしいですが、基本は洋食のようです。 事前に配膳のスタッフから「何か食べられないものはございますか?」と聞かれるんだけども、フォアグラなんかは出るかでないかわからないじゃないですか。だから特にありません、とは答えけれど、あまり好きじゃないんですよ、フォアグラ。 噛んだら、ピュッと脂が飛んじゃった。気を付けてね。 金目はブイヤベースになってる。 お造り、つまり刺身は醤油なし。なんでかっていうと、最初から味がつけてあるから。 デザートは5つくらいから選択式。 全体の量は丁度よかったけど、若い人には少ない気がする。 やはり外国人を意識してるんだろうと思うけど、どの国の外人?。 気の利いた食器の下に敷かれた和紙のランチョンマットと言うのかな、女将の手書きの文字が書いてあった。これは良かったなあ。 そして朝食。 例の、というか、口コミなんかを調べると話題にでている、鯵(あじ)の焼き方。 焦げていて普通は「焼きすぎ」だと思うけど、あえてこの焼き方なんでしょう。 頭を残してあとは食べるのかな?説明はなかったけど。 ただ、この「鯵」はいろいろ考えさせてくれましたよ。 旨い不味いばかりが食事じゃないよ、みたいなこととか、利休あたりが好みそうだとか。 でも「星野」で出されてもなぁ、とか。 事前の下調べからチェックアウトは部屋でするものだとばかり思っていたんだけども、フロントでとのこと。 玄関手前のそのフロントで会計を済ませたら、女将が見えてました。 驚いたのは、女将にお見送りの挨拶を受けた瞬間です。 来たときには、ただ入ってきただけの玄関が、柱から畳の目までがはっきりとした輪郭を持って、今まで一晩過ごした宿とは別の「蓬莱」という宿が現れたような気がしました。 何かしら理解できた、と思った。 尊王攘夷の時代、江戸・京都を慌ただしく行き来する志士や、その後の主だった人たちを受け入れてきたであろう宿の歴史を、この質素な玄関から女将の挨拶を通して感じたのかもしれない。 そう言ったら、恰好つけすぎ? 帰りに走り湯の源泉みてきた。
北川温泉 望水に泊まってみた(2回目) 2013-06-08 22:55:37 | 源泉掛け流しの温泉 海の風にあたりたくなったので、伊豆にでも行くことにした・・なんてセリフの全く似合わないおっさんですが、ストレスだけは地道にコツコツ溜め込んでるので、趣味の旅行で少しは解消しようと。 そんなわけで、2回目の望水。 どんな宿だったかな、と前に書いたブログ記事を読み返してもなんかボワッとした記憶しか思い出せないけど、スタッフがみんな一生懸命だったことと、黒根の岩風呂に入れなかったことは覚えていますね。 土曜日だったので車が少しもたついて時間が中途半端になってしまった。とりあえず国道135線にある伊東マリンタウンによって遅い昼食。 お猿さんの芸をやってた。 そのあと宿の先にあるハーブテラスに寄ってから戻ってきた。望水の入口が道路の反対側なので下田方面への車が繋がっていると後ろの車を待たせなきゃいけないし、右折しにくいかなと思ったけど、幸いスムーズに玄関前に入れられた。なんならすぐ左わきにスペースがあるのでそこでUターンして逆側の車道が途切れるまで待っててもいいかんなと思ってたんだけど。 玄関に着いた途端、スタッフが3人ほど一斉に飛び出してきた。そうそう前もこんな感じだった。その後も「接客するぞ」というような感じがヒシヒシ。 前回の時はロビーも混んでいて部屋への案内も待たされたけど、今回は2時20分位の早いチェックインだったから空いていた。カメラを操作していると「お写真をとりましょうか?」と声を掛けてくれるし、客が眩しそうにしているとすぐに自動カーテンを下ろしたり、客の動きを常に意識しているようです。 部屋はこんな感じ。あれ?前回と同じ部屋かも。 浴衣とかおいてあるところに袋があって、靴下のクリーニングもしてもらえるみたい。 この間は「和モダン」と書いたけどちょっと違ったかな。どちらかと言えば軽いアジアンテイストという雰囲気ですね、部屋も他のところも。うっすらした統一感に設計者の意志を感じました。 ここにBOSEのプレーヤーと癒し系のCDが置いてあるんだけど、結構いい感じ。椅子にだらしなく腰掛け曲を流して窓から海をみていると、ああ、こういう時間最近無かったかもと思った。 マッタリしてメンタルの健康にも良さそう。 ここはホントに海が近い。ていうか、波打ち際が近い。海のそばに来たい時はやっぱ望水だな、と思った。 いろんなサービスは前と同じで沢山。 大浴場の隣の部屋では夕方はトコロテンがあるし、朝は野菜が食べられる。ロビーでは夜にシャンパンかソフトドリンク1杯が無料。 こんな感じ。 朝8時までこのロビーでコーヒーがセルフで無料。食後には蛍を見に行くイベントもあった。 あと海が近いせいか車の洗車(水洗い)をしてくれるんだよね。これはありがたい。あまりないよね、洗車サービス。 今回は早く着いたので「黒根岩風呂」に行きました。 宿泊者は無料。タオルは望水から持って行ってくださいとのこと。女性はバスタオル2枚持って行ってくださいって。隠す用と拭く用ね。 手前2つは混浴。一番奥が女性用。あと夜の何時だったか女性専用時間帯があった。女の人が、女性用は一番奥だから自分たちはいいけど、裸の男の人が入ってるそばを通っていくのは忍びない、悪い気がすると言ってたらしい。でも男は大して気にしちゃいないから問題ないっすよ。それより女の人は真正面だけをみて進んでいたけど、足元はみようね。転ぶと危ないから。 海側からの望水。 早く着いても時間があるようでなんだかんだしているうちにいつも直ぐ夕食になってしまうんだな。 料理自体は高級食材にいろいろ手間を掛けるというものではなくて、地場の食材を豪快に出す感じ。もちろん手はかかってるけど、海のものが豊富。魚も何種類かのなかから選べるんだ。迷ったから中居さんにお勧めを聞いて選んだ。 これは朝。 で、今回の一番は無料貸切風呂。4つの中から「日のなごり」というお風呂を選んだ。大浴場より立派。 もうね、広いしゴージャス。 ここはどこ?と思うよ、ホント。 海外のリゾートホテルの良い部屋みたい。カミさんは風呂には入らなかったけど、部屋のほうで「なによ、この広さ」とブーブー言っとりました。 それに比べて男女入れ替え制の大浴場はシンプルだったな。でも嫌いじゃない。ここの内風呂のサイズは好き。それと前もそうだったけど、大浴場にはちょくちょく見回りの人が来てるみたい。えらいね。 で、シャンプーも大抵は大きいのがドカッとおいてるけど、ここは小さいボトル。 これが実は大好きなローズマリーの香なのさ。帰りに買っちゃったよ。 たく。 貸切風呂から戻ってきて、部屋に寝巻の浴衣が置いてあるんだけど、着替えずそのままお休みでした。 この宿は雰囲気もよくて快適ですね。 たださすがにスタッフは忙しいらしく食事とか、ロビーとかで待たされることはよくあるみたい。 まあ、まったり過ごしましょう、ここでは。 出来ることはなんでもやる、みたいな宿ですけど前回は特に強烈に残る印象というのが無かった気がする。しかし今回は「貸切風呂」でしたね。ただ「どんな宿だった?」と聞かれるとなんて答えていいのかちょっと困るかな。 でも、また行きたい。
伊香保 岸権旅館に泊まってみた 2013-02-11 14:57:21 | 源泉掛け流しの温泉 てりまえ・・tるまえろ、いや・・ゴホンッ!・・テルマエ・ロマエという映画に出ていた岸権旅館に行きました。例によってJRバスの上州湯めぐり号利用。行ってみれば雪が降ってなかったから車でもよかったと思ったけど、運転しないからラクダ。トイレもついてたしね。 今回は右の石段を登らずに左から。 突き当たりの家を左に入っていくと・・。 こんなところに入って行って大丈夫?感はありましたが、好奇心に誘われて進んでいくと。 廃屋の連続。 このうら寂しさというか、人が生活をしていた名残りの生々ししさがなんとも。 廃墟マニア、垂涎? 上りきったところで、ここを裏石段街と名付けました。 その後も少し枯れた感じが続きました。 なんか、文学の道とかいうのがあって、 そしてロープウェイの乗り場。 山頂駅から伊香保神社、そこから石段を下りていこうと上ったところがここ。 一応頂上のほうへ。 何故かスケートリンクがあったりして。 で、いざ降りていこうと思ったら、ん~、人に聞いたらここを行くのは危険とのこと。残念。 結局Uターンして階段街に向かい、前回と同じく「処処や」でうどんを食べました。そこで女の子の4人グループが「電話で森秋旅館に、場所が分からないから送迎バスでここまで来てくれと言ったら、無理です、階段の下まで降りてくれれば迎えに行きますとか言われた。泊まってやるのに感じ悪い」と話している声が聞こえてきました。 そりゃ無理だろう、と思いますよ。車が階段登ってこれるわけないじゃん。森秋旅館、かわいそう。 まあ番頭さんが歩いて迎えにきてくれればいいでしょうけど、そういうサービスの出来る宿は値段もお高いんじゃないんでしょうかねぇ。こういう場面に遭遇するたびに「お客様神様論」もどうかと思うんですよ。これはサービス提供側の心構えみたいなものであって、客が言うものではないんじゃないかな。シビアに言えば基本は対等な契約関係なんだし。 ま、宿の人の言い方も実際悪かったかどうかは分かりませんけど。 ねぇ。 そんなこんなで、岸権旅館の前にある足湯に辿り着きました。 このメインの石段のほうは賑わってますが、道一本外れると枯れているという。 伊香保温泉もかって水道水を温泉と偽装していたとして話題になったことがありますが、偽装は問題ですが、もともと湯量がそれほど多くなく、小さい宿は温泉を分けてもらえずしかたなく、という見方もあるようです。逆に「水道水で何がわるい」という開き直っている宿もあるとのことですが、なかなか何とも。 岸権旅館は源泉かけ流しが売り。泉質は硫酸塩泉 (カルシウム・ナトリウム・硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物温泉)。すっごく温まる。 売店で湯の花を売ってますが、これがアトピーに効果があると掲載された新聞記事を一緒に入れてくれます。実は茶色いお湯は好み的には3番目なんですが(1番は白、2番は透明)、ここの茶色は体に効く感が結構ありました。 旅館の裏(階段の反対側・車の入口)から外に出て道路を渡ると「権左衛門之湯」という名の露天風呂があります。昔の絵から復元したそうです。温度がちょっと高め。 手前に甕(かめ)が一つありますが、男性用のこれは掛け湯で、女風呂の方は二つあり、そのうち一つは湯船になっていたそうです。 女の人のほうが優遇されてます。 さっきの若い女性のグループもそうですが、女性が多いですよ伊香保。 昔の温泉はもともとは混浴が主流だったそうですが、戦後都会の奥様方が訪れるようになり「混浴なんかには入れない」ということで女性用を増設したため、大きい男性用と小さい女性用の湯船が増えていったんだとか。ところが現在は男女の宿泊客数が逆転してきたため、女性用の方に立派な湯船を割り当てる宿が増えてきたんでしょうね。まあね・・。 あと3・4階の展望風呂(半露天風呂あり)と1階の内風呂があります。1階の内風呂が以前からあった浴場のようで、その出口には無料のマッサージ機と自動販売機があります。 部屋に入るとなんか違和感があったのですが、広縁がないせいでした。あれ?と思ったら入口のところに椅子が。 創業が古い宿なので造り方もリフォームしながらこういう形状の部屋になっていったのでしょうね。洗面所もレトロっぽいです。 この宿のサービスは老練というか、到着後はフロントのカウンターではなく喫茶室の椅子でチェックイン。でお茶と饅頭、おしぼりを出してくれましたが、抹茶とかではく普通の緑茶(これで充分)。新聞も「ご自由にお取りください」とロビーに置いてあり必要な人だけに。浴場にはタオルが常備してありますが、バスタオルではなくフェイスタオル(自分はバスタオルを使わないのでこのほうがありがたい)。スリッパは履き違えないように部屋にシールがおいてあるし。そして自販機は定価。いろいろ考えているなあと思いました。 伊香保は所々錆びたり剥がれいてたりする建物が多く見られて、そんなのもあり昭和の雰囲気がまだまだ残ってました。
肘折温泉 丸屋に泊まってみた 2013-01-26 22:49:05 | 源泉掛け流しの温泉 とりあえず「肘折温泉」てどこよ?という向きには、日本地図で、東北の真ん中からちょっと左寄り、駅は山形県「新庄」。 山形新幹線約15分遅れで新庄駅に到着。宿からの送迎バスが14時の約束だったけど5分ほどお待たせしてしまいました。だって上りの新幹線が来ないから途中で停車させられていたんだけど、なんでかっつーと単線だったのです。新幹線に単線があるなんて知らなかった。 宿で聞いたら前日は一時間半遅れだったって。送迎も大変、ってゆうか遅れるの当たり前なの?日本の電車で?よく分かってなかったみたい、自分。 で、一時間かけて宿へ。新庄駅周辺では肩くらいまでの雪だったけど、それが頭、2mと増えていって、肘折温泉入口にある「こけし」のトーテンポールみたいのが見えるころには3mは超えていました。 そしてループ橋のような鉄組の道を降りていくと、そこはもうね、雪国♪。 ここから下界と隔離されてるような感じがしたな。 ちょうど崖崩れがあった場所だそうですが、年末には復旧したそうです。まだ工事の方が雪の中で頑張ってましたけど。この崖崩れは雪解け水でやられたとのことでした。 入口はいい感じの小宿風。 この宿は4年前にリニューアルされたそうで、「劇的ビフォアーアフター」で仕事した人が手掛けたみたいですね。宿のなかもそういう作りになっています。かってどこかの扉だったものが「何という事でしょう!」とテーブルになっていたり、「ちょっとした匠の遊び心」で穴に額縁をつけて絵画風にしたり。 階段を上がって、貮(2)号室。部屋の入口もレトロ感覚に。 部屋の中も広くて落ち着いている。 洗面台はおしゃれだけど、水を出すと跳ねる。。 そして襖が硬くて閉まらないんですよ。なんでかっつーと、雪の重み。 これも宿の味ですね。 春になると何事もなくスッと閉まるということだそうです。 天窓、読書コーナー。 お風呂はいま流行りというか、人気の「炭酸泉」。 湯船は男女入れ替えの浴室2つと、無料の貸切風呂1つ。どちらもこじんまりしていて好み。やっぱ風呂は内湯ですよ。 ここの風呂いいなぁ。 と言いながら一つある露天風呂にも入った。箱庭のような作りで雪が絵になる。 で、共同浴場「上の湯」の無料券をくれたので行った、といっても丸屋の正面。 そのあと長靴借りて「肘折いで湯館」へ。 雪、すごいっしょ。 17時で終了なのに、入ったのは16時20分。建物のほとんどは地元の人たちの何かの会場になってるみたい。 川の方も行ったけど、ここも、雪・雪・雪。川がみえなくなってるし。 「日本秘湯を守る会」の宿だからハンコ集めている人はスタンプ帳を忘れずに。 そういえば宿で中居さんいなかったな。食事の世話を含めて全部番頭さんがやってくれました。何か質問があれば丁寧に答えてくれますよ。
伊豆湯ヶ島 落合楼村上に泊まってみた 2012-10-28 12:39:08 | 源泉掛け流しの温泉 もう一度いきたいなぁと思いつつ、ずいぶん間が空いてしまって、久しぶりの落合楼村上。 伊豆にはいろんな宿があって、高級な宿もあると思うけど、自分に限っては「宿にこれ以上求めない」という旅館が三養荘とこの落合楼村上なのさ。 この宿は、違和感というほどでもないけれど、従業員さんの落ち着いた腰の低さを強く感じる。もしかしたらこれは客との距離感を保つ接客技術なんだろうかとも思う。 土産物屋にいた若くてかわいらしい女性、すっごく感じが良かった。前も来た時もいたのかな? いまだに笑顔が記憶に残ってる。 中居さんも一生懸命やってくれるし。手際が加賀屋の中居さんに似ていた。 この広縁に座っていると、時間の流れがね、なんとも。 もうね、至福。 ここのガラス、まだ手作りのガラスが残っていて、もう職人が居ないんだって。 いずれは割れるんだろうけど、割るのが自分で無い事を祈るね。 今回も良い部屋を頂きました。 真ん中を挟んで、 この部屋で食事。 こちらの部屋でお休み。 お風呂は今回は内湯の写真。 ここの料理人さんは「村上」に代わる前からずっといる方らしい。 今回印象に残ったのは2つ。 一つは和の食材が入ったポタージュみたいなやつ。普通はパイ包みにしちゃうところなんだろうけど、実はパイ包みが嫌いでね自分。ここはなんと、パイではなく和紙で塞いでた。少しうれしかった。 最後に鯛の煮つけ。金目じゃないんだ?と思った。それまでの味の流れから急に甘くなるんだけど、なんか難しい考えがあるんでしょうね。 中居さんに言われて気が付いたんだけど、記念の年だったので女将さんからプレゼントも貰った。 他の最近流行りの「和モダン」タイプの旅館が安っぽく感じてしまうのはどうしてだろう。ここも「和モダン」と言えば言えなくもないけど・・・なんだろう。
伊豆長岡 三養荘に泊まってみた(二回目) 2012-05-03 22:50:20 | 源泉掛け流しの温泉 年度替りの慌ただしさも幾分落ち着いてきて、ほぼ一年振りの三養荘(前回はこちら)。 以前、知り合いがこの三養荘の近くを通りかかった時に、門から中を少し覗いていたらマネージャーらしき人に声を掛けられて庭を案内してもらったそうです。 それで、その知り合いから「結構良さそうだよ」と勧められていました。 名前は知っていたけど、和風なのにプリンスホテル系だということで、どうなんだろう、とその時はぼんやり思っていました。 で、去年泊まってみたら、どの部屋も平屋の戸建て風でみたいで、普通の「旅館」とは違う広々とした造りになっていて、ずいぶんと落ち着いて過せました。 岩崎家の別邸だったそうですから、新館はともかくはじめから旅館として造られた建物ではないので、建築の費用を掛ける所も旅館とは違うだろうし、そのあたりの趣が違うので、この味がでているのかも。 ここも自分には贅沢な宿だけど、ただプリンスホテル系という事が、いくらか敷居を低くしてくれている感じはした。 今回は「離れ」に案内されたので、ちょっとびっくり。 案内してくれた中居さんは、偶然にも前回と同じ若い女性の方。 いままでに旅行して記憶の残っている中居さんで特に良かった人が二人いるのだけれど、そのうちの一人です。控えめな笑顔と押しつけがましくない気遣いで、必要な時に声を掛けてもらえ、何か尋ねれば適切な答えが返ってくるし、プロの雰囲気を醸し出すことなくプロとしての仕事をきっちりこなしているという風な。 もちろん彼女自身の生活もスタイルもあるはずですが、独身か既婚者かもわからない、個人の生活感を想像させず、三養荘に住んでいるんじゃないかと思わせるほど溶け込んでいて、その滞在をフォローしてくれるという様な感じで、とても安心できます。もう一人は、萬翠楼福住の中居さんでした。 ここは新館でも充分なんだけど、三養荘の庭園のなかにある「離れ」は完全に独立した建物という印象。 とても静かで、聞こえるのは鳥の声と、風が木戸をカタカタと軽く鳴らす音くらい。 庭園の入口から入っていくと中央の池を取り囲むように、本館と離れがゆったりした間をとりながら数棟配置されています。 その一角には滝やら東屋もありました。 そしてここが今回の部屋。 ツツジに目をやりながら玄関へ。 なにやら懐かしさのある玄関の鍵ですが、なんていう名前か調べたら、「中折捻締り錠」(そのまんまですね)と言うそうです。昔はどの家もこんな鍵だった気がする。 部屋も続きの二間、その周囲の広縁の畳を数えたら20枚もありました。 天気は良く独り占めできる庭の景色を堪能。 和風の宿は好きです。最近は「和モダン」と言われるような造りの宿は多いですが、これだけ広くて純粋な和風旅館はあまり見かけない。本格的な和風にするにはコストがかかりすぎて難しいのかもしれないですね。 そして内風呂は大きめで、目隠しの木々の緑が湯船に映えていました。 離れに泊まることになったので、大浴場は遠くなったと思いきや、近道があって専用の入口もありました。 内風呂の周囲が露天風呂になっていて、落ち着いた湯船です。源泉かけ流し。 露天風呂に浸かりながら、気持ちの良い風に乗って聞こえてくる遠近の鳥の声を聞いていると、何故か遠い昔の子供の頃の感覚が心地よく蘇ってきて気持ちがよかった。 しばらくすると年配の二人組が入ってきて、「今年は二回目」だとか「都合7回目だ」とか話していましたが、ここが気に入っていると言うことだとおもいます。お金持ちなんでしょうね。 内風呂には飲泉用の蛇口が付いています。とくに癖のない飲みやすい温泉です。 ただこの洗い場に、なんで鏡がないのと思う人もいるかもしれない。 でも、自分は要らないと思います。 本物の温泉場の湯船には鏡が無いところが多いように、「合わない」と思うんですよ。 そういうことかどうなのか知りませんけど、プリンスホテル系だから案外「髭剃りは洗面所で」と言うことなのかもしれませんね。自分はこれで構いません。 食事については前回はちょっとぼんやりした味で、その直前に山翠楼に行っていたので、比べると少し落ちるかな、と思ったのですが、今回は味も食材もしっかりで、料理人さんが変わった?と尋ねたところ同じとのこと。ん~、自分がおかしいのかな・・。 部屋で庭を眺めていると、ん? テントウムシ。 サンバ・・は? 途中「江川邸」に寄ってきました。 この玄関、時代物のロケでよく使われるらしいですよ。 鳥のフンが運んだ縁で、三種類の木が絡み合った宿り木。
伊豆下賀茂温泉 南楽に泊まってみた 2012-04-20 23:44:13 | 源泉掛け流しの温泉 車で行くにはちょっとタルイなぁ、と思っていた矢先に風邪をひいてしまったのだけれど、その後少し良くなってきたので、キャンセルせずにこれ幸いと電車で行くことにした。 でも、行き方がわからない・・。 路線検索しても、いまいちストンと落ちない経路ばかり、なんで? 元気だったら「えきねっと」で空席照会する気力もあるんだけんども、キーボードを叩くのも面倒なので、みどりの窓口でお兄さんに「伊豆急下田に行きたい」と丸投げ。 当日なので行きは踊り子号しか取れなかったけど、帰りはスーパービュー踊り子号をGET。 「かったりー」とかつぶやきながら、車窓から景色を眺めると大荒れでどうなることかと思いつつ、ウトウトしつつ。 でも下田に着いた時には嵐は一過でした。 計画段階ではまだ気力に勢いがあったので、電車でいくなら下田から宿まで歩いてみようか、などと妄想しましたが 無理。 送迎車、一般道ほぼノンストップで約20分。 帰宅難民じゃないんだから。 季節がら、新入社員だったら「無理」とか「できません」は禁句らしいけど、 違うから、いくらでも言っちゃうよ。 無理、無理、むり。 で、ここが玄関。 せまっ・・と思ったけど、このままじゃあ終わらなそうな雰囲気は・・・ある。 案内されて進んでいくと、囲炉裏端とか壺とか、民家風にアレンジされた宿で雰囲気をよく出していると思う。館内を見て歩くのが面白い。 無料で時間制限のない貸切風呂(露天付もある)が十個以上あって、スリッパが出てないところはどこでも勝手に入ってOK。どれも同じような造りといえばその通りだけど、微妙に変化もあって楽しいな。鍵を閉めて入ればお風呂が一人の世界になるし、そういうところをいくつも選んで入れるという、お風呂のテーマパークみたい。すっかりのぼせちゃったぜ。 でもお風呂の場所によってリンスインシャンプーだったり、高そうなシャンプーがおいてあったり、どう分けてるんだろう? しかし湯量が豊富。源泉かけ流しだって。 足湯や 庭 大浴場は男女交代制。やはり女性が優遇されていて、宿に到着時は良い方が先。 ジャングル風呂っぽいけど、いいんじゃないですか? 脱衣所 休憩所で軽い飲み物とツマミを出してくれます。 泊まった部屋には五右衛門風呂というか、壺風呂というか、置いてあったので一応これにも入ってみた。 どっかのコメントに、足が伸ばせず寛げませんでした、みたいなことが書いてあったけど、どうかと思いますよ。壺じゃ足は伸ばせないでしょ、普通。大浴場か貸切風呂がいくらでもあるのに、不思議な人もいます。 部屋風呂で寛ぎたいなら事前にちょっと調べれば自分の希望する宿かどうかわかるのにね。 そとの景色も川沿いでなかなか。 全体的には、やはりテーマパーク。造った感はありますが、割り切って楽しめました。 民家を移築した部分もあるらしいですが、全部本物ならこのように要領よくまとまらないし、もっと小さいんじゃないですかね。 本物というのは、那須の北温泉をイメージして言ってますけど。 つまりここはお風呂のラーメン博物館や~、あるいはお風呂のドンキホーテや~、てなもんです。 けっこう印象に残ると思います。 そして翌日、伊豆急下田駅に送ってもらった自分らだけでした。 え?みんな車だったの? ふーん、こっちの帰りは楽ちんスーパービューだぜい。
かみのやま温泉 日本の宿 古窯 に泊まってみた 2012-01-08 22:09:01 | 源泉掛け流しの温泉 今年の正月は東北かな、ということで元日から「古窯」に二日間泊まってきました。 総客室数140室の大型旅館。 かみのやま温泉駅から送迎バスに乗り込むと、正月のせいかあっという間に補助席までいっぱい。全員乗り切れないと判断した若い運転手は客をタクシーに誘導し手配していました。古窯、太っ腹!(タクシーの運転手と話している様子からたぶん料金は古窯もちだと思う) フロントでチェックインしてから抹茶と和菓子サービス。そのロビーのようなところからのロケーションは・・残念ながら駐車場と向かいの建物。 だいたいウエルカムドリンクを出すところは飲んでいる間にチェックイン作業をするんだけど、すでにフロントで済ませていたから、なんとなく「早く飲んでくれないかな~」というような、ちょっとせかされる感じがしたのは気のせい?そこらへんが大型旅館の辛いところだろうね。こういうところは抹茶サービスは要らないんじゃないかなと思うけど・・でもやりたいんでしょうね。 担当した中居さんは実に一生懸命で、挨拶もしっかり。その中居さん、自信を持って接客してる印象をうけましたね。接客は良いんだけど、自分は意地悪なのでちょっとイレギュラーな行動をとってみました。そしたら彼女はアドリブには弱いことが判明。スミマセン。 その他の従業員の方も若い人が多く、きちんと目配りもし、お客さんに対応していました。みんな偉いね、自分の若いときはもっとダラダラしてた・・。 接客面は良いとして、施設。結構あちこち、というか変な言い方だけど手当たり次第に手作り感のある気配りがありました。エレベーターの開閉の文字が見にくいのでシールを貼ってあったり、浴槽の手すりに滑り止めのテープを巻いていたり、サウナの入口にメガネ入れがあったり、浴場までの石畳は床暖になっていたり。サウナのメガネ入れはいつも欲しいと思っていたのだけど、いままでに河口湖のうぶやにあっただけだったかも。それにこの価格帯の旅館で浴場にバスタオルが置いてあるのも珍しい。しかも手拭いを忘れた人用にハンドタオルも少し積んであった。 浴槽は8階の展望風呂と1階の男女入れ替え制。展望風呂からの蔵王連峰のローケーションは、印象は良いけど少し弱い感じ。1階には源泉かけ流しの船の形をした大人2人くらいで入る湯船があった。結構人気でなかなか入れなかった。ま、お風呂は普通かな。 でも、なんか、こういう接客やサービスは、予算をもう少し増やせば普通にやっているところも多いし、料金が高くなる分宿の料理も良くなりますよね。そうすると、古窯は接客・サービスのコストパフォーマンスが高い宿、逆に言うとリーズナブルな宿ということだけになってしまうんじゃないですかね。 「らく焼」という皿に絵や文字を書いて焼く企画をやっていて、確かに著名人の作品が数多く展示されているコーナーも立派だけど、この宿自体のインパクト、宿自体の個性というか香というか、いまひとつ感じられなかった。 問題は、料理。 この宿を選ぶ段階で、接客面が良さ気なので、たぶん料理あたりにしわ寄せがくるんだろうな、とは思っていたのですが、予想以上の残念な結果でした。 でも、ネットの口コミを探してみると、そこそこ美味しいとの記事が多いので、あれ?あれ?あれ?ですよ。 マジですか? 私だけ? って感じ。 味付けに甘味があるというのではなく、全体的に「甘い」。しかも「すきやき」に温泉卵って(あとでみたらHPに確かに温泉卵と書いてあったんですけどね)。だから味が薄まらないし、これは食べられなかった。天ぷらも天つゆや塩は無くて、レモン絞ってちょ、と言われました。天ぷらは油っぽかったしお新香も、しば漬けとキュウリのキューちゃんに出会えるとは思わなかったです。これ自分のとこで作ってるのかなぁ・・。※確かに「あること」を警戒しているのはわかります。しかし過剰すぎる。 思ってみれば、数十年前の宴会料理をそのまま現代に甦らせている感じでしたね。 朝食のバイキング。これも食べるものなかったなぁ。朝から焼きそばや唐揚げ、ミニハンバーグなんか食べたくないし、どうしようかと和食を探してもいまいち心惹かれるものもなく。焼き立てと書いてあるパンを取ったら堅いし。結局シャケの切り身と梅干でお茶漬けにして食べました。でもまあ、ほとんどがレトルトなのは仕方ないとしても、アジの干物とか卵くらいは目玉焼きにして出してほしいな。 例の「プロが選ぶ旅館百選」の料理部門をチラと覗いてみたら、古窯は4位(2011年)でした。「坐漁荘」が27位で、「慶雲館」が61位とか、どちらも古窯に劣るなどというのは、ありえないランキングでした。料理はそもそも食材の価格が違うので比較しようとしても難しいし、調整などできるものでもないと思うのですね。ランキングというより、お気に入りなら、価格を無視して順番を付けざるを得ないんじゃないかな。同じ団体旅館で93位の桂川と4位の古窯の料理なら、桂川を選ぶのに迷いはありませんね。 そんなことを友人に話したら、古窯の料理でも一番安い料理だったんじゃないの?と言われました。 人差し指を右に倒して、ちっちっ、です。 安い料理だったかもしれないけど、その高い安いがあっても、それは食材の差で、ほとんどの料理は共通している。値段ごとに味付けを変えている訳がない。 料理人の腕は「お新香」でわかる、というのが自分の持論。 「古窯」が何故成功してるのかと思うに、戦略的に築いたサービスの評判とこの価格設定に需要があるんだろうなと思います。ただその需給のバランスは微妙かもしれない。バランス感覚の悪い人が経営についたときは難しくなりそうです。いまの時代、大型旅館の経営は大変そうですね。 せっかくだから「かみのやま」、散歩してみました。さすがお正月。閉まってたところも多く、人通りもあまりなかったです。でも雪とかアイスバーンに気を付けながらも、かみのやまの雰囲気が感じられて、楽しかった。 開いていた共同浴場が一つあって、入ってきました。特に特徴のあるお湯ではないですが源泉かけ流し。お湯は少し熱めで42~3度くらいかな。 入館したところでうろうろしていると、小窓から「150円です」とおばさんが声を掛けれくれたのですが、なんとなく「つげ義春」の漫画の雰囲気がありましたね。好きですね、こういうところ。 結局店がどこも閉まっていてお昼が食べられなかったのですが、古窯に戻る直前に蕎麦屋発見。営業していました。 かみのやま、なんか楽しい。 また行きたい。