「熱海」というと温泉、「アタミ」というと海外にありそうなソレ系の店のイメージ、ないっすか?
ないですよね・・すんません。
熱海方面は例によって東京駅のグランスタで駅弁を買って、「快速アクティー」のグリーン車(土日は750円!)でGO!。けっこう旅行気分を味わえるですよ。この区間は新幹線いらないなぁ。値段高い上に着くのが早すぎるし。
んで、今回は「あたみ石亭」。
送迎はないんです、ここ。なのでせっかくだから裏道などを歩きながら宿へ、と思ったら所々昭和の面影を残しているところがあり、けっこう楽しかったから宿に着くまで一時間半もかかってしまった。
うぐいす餅の「ときわぎ」。
鳥
アーケード。
民家
芸妓組合。
福島屋。いつか泊まってみようと思っとマス。
さらに歩いて起雲閣のお風呂。昔のだれだかの別荘で、その後旅館になってからいろんな作家に好まれたというような話です。
そして石亭、この看板・・昭和だなぁ。
石亭というと一字違いでラブホチェーンの「石庭」を連想する向きもあるかも。そんな貴方は紛れもなく昭和の人。
この石亭は熱海のほかに湯河原と修善寺(鬼の栖)にもありますけど、こちらが初めての宿泊。
隣接してワンランク上の桜岡茶寮という、所謂「別邸」もあります。部屋つきの露天風呂はあるでしょうが庭がつながっていて行き来できるので大浴場は共通ぽい。
石亭に戻って今回は離れ。
ですが、ほとんどがこのタイプのようで、特に安い部屋だったので入った瞬間に部屋も狭い印象がありました。
でもよく考えると、その狭さは昭和の窮屈さに通じるものがあって、懐かしいだけではないネガティブな昭和も思い起こさせてくれる感覚があり、リアルな記憶が蘇ってきました。
そうそう、なんでも窮屈だったような気がする。飛行機だってプレミアムエコノミーなど無いし、マンションというか団地は2DKが標準だったし。
だからそれはそれでよかったです。小さい庭もついていて地味に楽しめましたし。
なんと洗面器がおいてあって泣かせますね。
で、ここの接客ですけど、いい意味で「慣れている」という感じがしました。一歩さがって中居さんの丁寧な挨拶から始まり、食事の際も事細かに説明してくれるし、とにかくいろいろと気を使ってくれているのがわかりました。
ある共同浴場の場所を中居さんに聞いたら知らなかったみたいで、あとで調べておきますとのことだったから、悪いと思って「いや、別にかまいません」と答えたのですが、帰り際に教えに来てくれました。
「後ほど調べておきます」と言われて「分からなければいいですよ」と言った場合は結構そのままになりますよね、ほかの宿だと普通。
宿を出るとき、その共同浴場はさて右に行ったものか左かと番頭さんにその場所をもう少し詳しく聞いてみたところ、すかさず教えてくれて、中居さんが調べてくれた痕跡がしっかり残っていて恐縮してしまった。
これが中居さんだけでなく、荷物を運んでくれた番頭さんや大浴場の掃除の方までみんな良い印象。
帰りは裏口から出たんですけど、そこに「公道でも私語を慎むように」みたいな従業員用の張り紙があって、「おおっ」とか思いましたね。なんか接客が良い理由がわかった気がする。
その他のサービスも宿に到着して部屋でウエルカムドリンクの抹茶と菓子から始まって、風呂は大小のタオルが置いてあるので手ぶらでOKだし、朝刊も部屋に届けてくれる。貸切風呂には無料マッサージ機。たいていのサービスはそろっているんですが、他の宿でも同じサービスのあるところは多いけど、この宿を真似したんじゃないかと思うくらいスムーズ。
夕食は忘れちゃったけど、これも微妙に昭和っぽくて面白かったような記憶。ご飯が美味しかった。北海道のなんとかというお米。それも失念。
お風呂場はまあ、街中なので廃品回収のスピーカーが聞こえてきたりロケーションは仕方ないかもしれないけど、まあまあ。内湯がないので冬は部屋風呂で体を洗った方がいいかもね。
洗い場
脱衣所のタヌキ。よおっ!ってか?
よく旅館に泊まったら「心づけ」をどうしますか?みたいな質問がネットにでてますね。ウチは奥さんが「ちょっと」って感じなので包まないですし、いまは殆ど渡している人はいないようですね。
自分だけの時とかは、ちょっと余計なことを頼んだり迷惑かけたときは渡す時もあります。タイミングは後出しですけど。先出しは「ワイロ」ですからね。でもまあ普段は渡さないので、そのかわり部屋に置いてアンケートみたいなものに部屋係さんへのお礼を書いておけばいいんじゃないかなと思ったりします。
そんなんでしたが全体的には、今風の小ざっぱりしたようなオサレな宿ではなく、比較的近い古いさを感じさせるところでした。こんどはお金ためて桜岡茶寮に泊まってみようかなと、ちと思った。