「権威勾配」が強すぎるのが昭和的なマッチョなヒエラルキー組織。下が上にモノを言えない。まあ軍隊が最たるもの。
「権威勾配」が弱すぎるのもだめ。フラット・ホラクラシーすぎると、意見が別れたときに結局判断ができない。判断に時間がかかる。
この「権威勾配」ってのは、飛行機のコクピットの中の、機長と副操縦士の関係を表すのによく使われる。韓国人だと文化的に権威勾配が強いとか。
今の日本では、心理的安全性とかティールとか言われ、権威勾配があたかも「絶対悪」のように捉えられがち。でも、ある程度の権威勾配がないと、組織はだめになる。下に媚びる組織は永続しない。
1年めの新人の意見と、30年目の部長の意見が全く対等な価値を持つのか… そんなわけはないよね。
大事なのは、「どれくらいの権威勾配が適切なのか」ってこと。これは事案とか組織とかその日の体調とかに依るので、一概に正解はない。
権威勾配を強めに設定する識学(4年で上場)が流行っているのも、特に若いベンチャーで、権威勾配がなさすぎることのデメリットが大きいからだと思っている。
しかし識学社長の安藤さんが、最も権威勾配が強い組織の一つであろう、天下の名門・早稲田大学ラグビー部出身というのも、なんだか「まんま」という感じで、意外性がない。。
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法律事務所であてはめれば、やっぱり目下の人が目上の人に対して使う敬語とか振る舞いで、私は適切な権威勾配を図っている。
例えば、一般論で言えば、アソシエイト弁護士の私に対する態度について、私が「それ社会人としてどうなの」と違和感を感じたら、きちんと指摘する。
私に対してそのような振る舞いをするということは、そのアソシエイト弁護士がクライアントに対してもそのような振る舞いをする可能性があるから。
若手弁護士から見ると、企業法務を旨とする当事務所の場合、クライアントはほとんど年上ですからね。。。
今のアソシエイトさんはそのような注意をされることのない、とても礼儀正しいので、私も仕事がやりやすい。