オギノ式避妊法。月経の周期から着床(妊娠)する確率を編み出した。荻野久作医師は新潟の苦労人。男尊女卑激しい当時,子を産まぬ女性は産まず女(石女,うまずめ)として蔑まれた。虐げられた。そんな哀れな女性を救おうと思って苦心の上に編み出した。避妊法ではなく,妊娠法として。
荻野医師は,帝大卒という輝かしいキャリアを持つ。しかし,地方/田舎に対する差別意識の高い当時の日本では,その卓見は取り上げられなかった。
そこで荻野医師は本場ドイツに飛んで(いや,渡って,というべきか。1929年当時は船だろうからね…)外国語で論文を書いた。子どもを増やす(産みやすくする)という目的で…
その論文がバチカン(カトリック教会)の目に留まった。カトリックでは避妊を許していない。でもオギノ式ならバチカンもギリギリ黙認した。避妊方法として。オギノ式避妊法はバチカン・ルーレットとも呼ばれる。荻野医師はノーベル賞候補にも上がった。
荻野医師は,オギノ式を殖産(妊娠)のために開発した。それが世界で避妊のために広く使われた。荻野久作医師の労苦と人生とその皮肉(妊娠のための知見が避妊に使われた)ってのは,伝記とかで読んでみたい。