津山城探訪 - 今、話題の「江戸一目図屏風」の実物を見学しました -

2014-04-20 12:37:27 | うんちく・小ネタ
西日本では、桜の季節も過ぎましたが、津山城探訪記の続きです。


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B979


南から見た津山城です。

手前に見える水路は、かっての外堀の名残りです。


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B982

橋を渡った突き当たりに、津山城を背にして洋館が建っています。
昭和9年(1934)に建てられた旧・津山市庁舎です。

現在、津山郷土博物館になっています。


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B1010

この博物館には、とても精巧な津山城の復元模型が展示されています。

何度見ても、これはスゴイ・・・・!!
かつての勇姿を、リアルに実感できます。

津山城に行かれた折には、津山郷土博物館も一緒に見学されるのがオススメです。


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さて、もう一つ、ぜひ見ておきたいのがこの屏風です。


Photo
(HP写真より/以下同じ)



江戸時代後期の文化6年(1809)、津山藩お抱え絵師が描いた「江戸一目図屏風」 (えどひとめずびょうぶ) です。
その名の通り、江戸の町を一目で見渡せるパノラマ鳥瞰図です。
今回はラッキーなことに、実物を見ることができました。
(実物公開は、2014年5月6日までの予定)

この「江戸一目図屏風」は、東京スカイツリーから見た景色と構図が極めて一致するということで、近ごろ話題になっています。
ちなみに、東京スカイツリーの展望デッキ(地上350メートル)には、この屏風のレプリカが展示され、現在の眺望と
約200年前の江戸時代の街並みを比較できるようにしているそうです。


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ところで、この「江戸一目図屏風」の構図と、現代の東京スカイツリーから見た景色は、なぜこんなに一致するのでしょうか?
もちろん、偶然と言ってしまえば、それまでなのですが・・・。

屏風を細かく観察してゆくと、偶然の一致が生まれたのには、明確な理由があったことが分かります。

この屏風は一見したところ、江戸城を構図の中心にすえて、そこから広がる江戸の町並みを描いているように思えます。
しかし、本当の構図の中心は、どうやら別にあるようです。

屏風の中央あたりを拡大して見てみましょう。

Photo_2


赤い○印で囲ったところには、津山藩の江戸藩邸(上屋敷)が描かれています。
実は、これこそが屏風絵の中心なのです。

絵の構図を

まず中心に津山藩の江戸藩邸をすえて、
その背景に江戸城と富士山があって、
そして、そのお膝元に江戸八百八町が広がる・・・。


と、設定して屏風を描いたら、必然的に現代の東京スカイツリーから見た景色と同じ構図になったようです。
200年の時を越えた、運命のイタズラと言ったところでしょうか。


ちなみに、津山藩の江戸藩邸が建ってた場所は、江戸城の鍛冶橋門内です。
現在、そこは東京駅の南側にあたり、一部は東京駅の敷地になっています。